きんいろなみだ

大森静佳

「塔」2021年7月号 作品2(永田淳選)

2021年08月03日 | 短歌
付箋をつけた歌より

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腕を前から上にあげつつ走りきてラジオ体操の輪におさまりぬ 垣野俊一郎

ねむる娘の白髪ひとすぢ煌めきてあかるき春を老いてゆくらし 吉田修子

誰よりもわれが諦めてゐるのだと言ふごとく夜の冷えた白飯 赤嶺こころ

「やらかい」が「おいしい」になった母のため常より気長に筍を煮る 大江裕子

手を洗ふ何度も何度も手を洗ふ世界の蛇口は開きつぱなし 水越和恵

トーストの焦げ目にバターたつぷりと塗りたくなりぬ花散り出せば 近藤真啓

おのおのにトランペットを吹くからに音は橋桁に谺してをり 西山千鶴子

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