[レポート] 4月26日(日)

2009年04月28日 | N.G.A.レッスン
New Generation Attack! 第三期がスタートしました。
まずは、最初の演劇体験ワークショップのレポートです。

【09年度体験ワークショップ】
日時/4月26日(日)10:00~13:00
講師/久米伸明、中村達哉、他




40名近くの子ども達が参加してくれて、
とても活気のあるワークショップになりました。



シアターゲーム(劇遊び)を中心に、
集中(アイコンタクト)のレッスンや簡単なインプロも行いましたが、
とにかく楽しくできたのが良かったと思います。



子ども達のパワーというのは、やっぱり表現の大きな原動力なんだと思います。


現代の人間関係づくりの教育観(後編)

2009年04月25日 | 情操教育・表現教育
(前回の続き)

例えば、ある目標を持った子がいたとする。

その内容はなんでもいいが、
お芝居なら「お客さんに伝えたい」という目標があったとする。

その子の演技を見る。
そして、仮に「目標に届いていない」
あるいは「そのまま進むと目標に届かないだろう」と感じたとする。

そのとき大人は正しい評価を下さないといけないと思う。
もし正しい評価が与えられなかったら、
それは子どもにとってむしろ悲劇である。

このように子どものモチベーションによって、評価は変わるものだと思います。


さて、話は最初に戻りますが、ドラマケーションにはこの概念自体がない。
なぜなら、そもそも目標がないように作られているからである。

それは長所でもあるが、短所でもある。

すなわち、ドラマケーションという技術が上達しただけでは、なんの意味もない。
私達は目標(あるいは嗜好と言っても良い)があって、
その上で能力(マンパワー)を身につけるからである。

ドラマケーションは日本の教育の中に是非とも広まって欲しいが、
それは優れたツールであって、優れた人間関係の教育観ではないことは
頭に入れておきたい。


現代の人間関係づくりの教育観(中編)

2009年04月22日 | 情操教育・表現教育
(前回の続き)

その前に、評価というものについて考えてみたい。

前回、「正解主義」という言葉が出てきた。
「合っている意見でなければ言ってはいけない」という風潮のことである。

もっと子ども側の視点で言い換えれば、
はみ出してはいけない」という空気のことである。


間違っていたり、はみ出している意見を「悪」とする評価が、
子ども達の感性を押し殺しているケースがあることはおそらく事実である。
したがって、大人の子どもに対する評価は、とても重要な教育の要素であり、
十人十色の意見(感性)を認め、伸ばしていくことは素晴らしいことです。


しかし、「違った意見を認める」ことと「評価をしない」ことは
まったく別物であることに注意が必要である。

評価をしなければならないケースというものが存在する。

(まだ続きます)


さて、今週お送りするナンバーは(唐突に新コーナー)
去年、結構気に入ったロックアレンジです。

Volta Masters 『Rock Steady -Remix-』



現代の人間関係づくりの教育観(前編)

2009年04月18日 | 情操教育・表現教育
今日は東放学園で行われたドラマケーションのワークショップと、
人間関係づくりに関するシンポジウムに参加してきた。

演劇教育以外の視点からも、人間関係(人と人との結びつき)について考え、
さまざまな活動を通して実践する方々の話を聞いてきた。
同じ社会を目指して活動する者として、触発されることは多い。

とりわけ、以下のようなトピックに関する話題が興味深かった。

○現代の若者は「大人のイメージ像」を持っていない(あるいは選択肢が少なすぎる)
 さらには、教師自身が人間関係づくりに不安を感じている例が多い。


○「正解主義」の考え(「できるorできない」が評価基準の教育)が
 未だに子どもの感性を潰している。


○現代の若者は心と身体が離れていて、自分というものを強く持っていない。
 最近では女子の方がその割合が多い。



さて、こういった人間関係が不安定な日本の社会に対して、
ひとつのツールとして生み出されたのがドラマケーションであり、
その理念と演劇的手法は、私も大変素晴らしいものだと共感し、
New Generation Attack!のレッスンにも取り入れています。

しかし、当の若者(子ども達)の視点に立ったとき、
このドラマケーションには、一つだけ落とし穴がある。

(後編に続く)


[レビュー] 七人の侍

2009年04月16日 | たまにレビュー
黒澤明監督の『七人の侍』を見ました。
戦国時代の話だということも知らなかった私がやっと見ました。



これを見た私の感想は「意外にも笑える」作品だと思いました。

もちろん、コメディではないのですが、(かなり深刻な場面も多いし)
エンテーテイメント的な面白さを強く感じた映画でした。

国内外で高く評価されている理由がちょっと分かった気がします。
この映画はおそらく、「究極」の映画ではなく、「基本」なのだと思いました。

なぜなら、「笑える」ということは「伝わっている」ということだからです。
それでいて、まったく「説明的」ではないのです。


このような洗練された表現がどうやって生まれるのか、
それについてじっくりと考えてみたいと思います。


「説明すること」と「伝えること」

2009年04月13日 | 情操教育・表現教育
演技を指導する際にポイントとしていることの一つに、
「説明すること」と「伝えること」の違いがあります。

これはとても重要であり、基本的なことでもあります。


「説明する」というのは、役の心情や状況(場面)を、
頭で理解して、言葉や身振り手振りを使って表そうとすることです。
普通、(たぶん日本人は特に)演じようとするとこの傾向が強くなります。

一方、「伝える」ということは、役と自分を重ね合わせて、
その瞬間に感じたことを表して、客観的にも伝わるということです。


この「伝える」ということが非常に大事で、
平たく言えば、役になりきるということなのですが、
これがやってみるとなかなか奥が深いものです。

どうしても説明的になってしまったり、
気持ちができていても、強さの問題で客には届かなかったりします。
その辺りがまさに「感性」であり、個々に合わせていくところなのですが、
今、伝えたいことは頭で理解して演じるのは、表現の本質ではありません。

なにより、子どもの創造力を引き出すことはできません。


「伝える」ということの大切さは、
一度やってみたり、見てみないと分かりにくいのですが、
日本の表現教育に欠けていることの一つだと思っています。


唐突ですが、一曲ご紹介。
第二回春公演のエンドロールで使用した曲ですね。

The Ting Tings 『Great D.J.』



第三期はじめます

2009年04月05日 | 最新ニュース
春公演が終わって、ばっちりお休みを頂いてしまいました。
巷では一学期が始まる頃かと思います。
New Generation Attack!も第三期はじまります。

第二回春公演『世界を変えろ!~色のない空の下で~』
大成功の公演だったと思います。

New Generation Attack!のお芝居は子ども達が演じていますが、
決して子ども向けの安易な作品ではありません。
自分自身が伝えられることに本当に向き合わないと成功しない
全年齢の人たちに贈りたい普遍的な物語です。
そしてその中でこそ、新世代の子ども達の感性が輝くのです。

そういう新しいエンターテイメントのジャンル
見事に確立した公演だったと思います。

三年目にして、この活動は本当に革新的なことだと改めて思います。
第三期の活動にも是非ご期待ください。