<大学生/就活>
ロート製薬、あえて脱・ネット
「思い」持つ学生と本音で対話
毎日新聞 2月24日(日)13時49分配信
今や就職活動と言えばインターネット。
企業へのアプローチは「ネットから」が主流になっている。
しかし、ロート製薬(本社・大阪市)は就職情報サイトによる募集をやめ、
現在の大学3年生ら14年度採用からは原則として
直接会った学生がエントリーシート(ES)を提出する方式に変えた。
ネットに頼る就活では、企業も学生側も、
お互いのことがよく分からないままになるとの指摘が強い。
採用方法の模索が始まっている。【亀田早苗】
◇とりあえず、でなく
「『とりあえず』を止(や)める」
同社のサイトで、新卒採用情報のページを開くと、大きな文字が目に飛び込んでくる。
同社は、11年度採用から就職情報サイトでの募集をやめた。
その前年まで、学生のエントリーは2万~3万人にも上った。
当然、全員に会えるはずがなく、
面接できるのは1,000人以下だ。
一方、6,000~7,000人程度を対象に説明会の案内をしても、
参加率は5~6割程度にとどまっていた。
「会えば魅力がある人か分かるのに、それまでに人数を絞らなければならない。
ロートに思いを持った人だけに会う方法はないだろうか」。
そう考え、新しい採用の仕組みを検討したと、
人事総務部の矢倉芳夫マネジャーはいう。
そこで、応募を電話で受け付けるように変えた。
仲間以外と電話応対の経験がほとんどない学生が、
企業に初めての電話をするには、何らかの考えを固めてから。
あえて“ハードル”を設けたわけだ。
応募者は当初、800人程度に激減。
最初の電話でも、サイト上に記した同社のメッセージをどう思うかなど、
簡単なやりとりから始めた。
◇思考停止、打ち破れ
14年度採用はさらに、方法を変更した。
10月末から11月にかけて、
社員と学生が働く意義を語り合う「仕事対談」を開催。
12~2月には、関西や首都圏を中心に全国の大学約30校で学内セミナーに参加し、
直接会った学生からESの提出を受けられるようにした。
セミナーを開かない大学の学生からは郵送でESを受け付け、
14年度分は終了した。
セミナーなどでの説明は「できるだけ本音で話す」ことを心掛けた。
例えば、同社開発のスキンケア商品で
100億円ブランドに成長した「肌研(ハダラボ)」を取り上げたこともある。
「高級感も売り物の化粧品では、詰め替えできる商品など常識破りだった」と、
他社が諦めるようなアイデアを生かすものづくりの大切さを話した。
学生からも「どのような仕事をしているのかが分かった」など好評だった。
矢倉マネジャーは
「ネットは悪ではないが、企業側は数を集めて安心し、
学生側はどこにでも通じる志望動機を書いたESを大量に送る。
思考停止状態からミスマッチが生まれていないか。
お互いの相性確認をするのに、対話する努力は欠かせない」と話している。
【関連記事】
<現役大学生が書いた>2012~13就活最前線 就活生に聞く 解禁2カ月、現状は?
最終更新:2月24日(日)18時18分
キャンパる:2012~13就活最前線
就活生に聞く 解禁2カ月、現状は?
毎日新聞 2013年02月08日 東京夕刊
昨年12月1日、企業による採用活動がスタートした。
あれから2カ月がたち、就活生をとりまく環境はどのように変化したのか。
キャンパる記者が、ネットワークを通じて、
就活生53人を対象とするアンケート調査を実施した。
その現状に迫る。(★は女子、☆が男子)
【まとめ、上智大学・伊藤あゆみ】
◇周りと比べ、出遅れではと不安に/
ウソや知ったかぶりは失敗のもと/
一生に一度、自分の持ち味発見を
◆就活面での変化
--就活生として、今どのようなことをしている?
「授業の合間をぬって説明会に行っている」(★文教)
「エントリーシート(ES)の作成に追われている」(★立教)
「先輩や社会人と会って話をする」(★名古屋市立)
現時点で、就活生の活動に大差はないようだ。
--どのように業界をしぼっている?
「育児休暇制度など、福利厚生が充実している金融」(★明治)
「日本のものを世界に売りたいので、メーカーと商社」(☆慶応)
また、「人と会い、『こんな人と働きたい』という会社を探している」(★お茶の水女子)と、
業界にこだわらない就活生も少なくない。
--就活をしていて、焦りを感じるときは?
焦りを感じないと答えた就活生はわずか6人。
「周りと比べて、自分が出遅れているのではないか不安」という声が非常に多かった。
「選考が進む早さは人それぞれ。他人の選考状況を見て焦ることはない」(☆武蔵)
「人は人。自分は自分」という考え方が、焦りを解消する鍵になりそうだ。
--就活をしていて気づいたことは?
「なんだかんだ男女の差がある」(★名古屋市立)
「語学力を求める企業が結構ある」(★聖心女子)
「他人の情報が有益とは限らない。情報は自分で作るもの」(★お茶の水女子)
--こうしたら就活がうまくいくと思うことは?
「30代から50代の年配の相談相手を作る」(★お茶の水女子)。
社会経験が豊富な大人からのアドバイスは、確かに心強い。
「ウソや知ったかぶりは失敗のもと」(★一橋)など、
等身大の自分で勝負する勇気が必要だ。
◆家庭生活面での変化
--身の回りに起きた一番大きな変化は?
「夕食を食べ終わった後も、居間に残って両親と就活の話をするようになった」(☆早稲田)
「交通費のせいでお金が異常な速度で飛ぶ」(☆慶応)
「1日の移動時間が半端じゃない」(☆自由学園)
--アルバイトは続けている?
「就活にかかる費用の確保のため」(★文化学園)と、
6割程度の人がアルバイトを続けている。
ただ、多くの人が週1日程度の勤務におさえている。
「辞めた」「長期休みをもらった」という回答は、ともに2割程度だった。
http://mainichi.jp/feature/news/20130208dde012070009000c.htmlより
このブログ内のページも参照ください。
http://blog.goo.ne.jp/only-time/e/22a34aeabe8e1ae687a7af4815b3f694
ロート製薬、あえて脱・ネット
「思い」持つ学生と本音で対話
毎日新聞 2月24日(日)13時49分配信
今や就職活動と言えばインターネット。
企業へのアプローチは「ネットから」が主流になっている。
しかし、ロート製薬(本社・大阪市)は就職情報サイトによる募集をやめ、
現在の大学3年生ら14年度採用からは原則として
直接会った学生がエントリーシート(ES)を提出する方式に変えた。
ネットに頼る就活では、企業も学生側も、
お互いのことがよく分からないままになるとの指摘が強い。
採用方法の模索が始まっている。【亀田早苗】
◇とりあえず、でなく
「『とりあえず』を止(や)める」
同社のサイトで、新卒採用情報のページを開くと、大きな文字が目に飛び込んでくる。
同社は、11年度採用から就職情報サイトでの募集をやめた。
その前年まで、学生のエントリーは2万~3万人にも上った。
当然、全員に会えるはずがなく、
面接できるのは1,000人以下だ。
一方、6,000~7,000人程度を対象に説明会の案内をしても、
参加率は5~6割程度にとどまっていた。
「会えば魅力がある人か分かるのに、それまでに人数を絞らなければならない。
ロートに思いを持った人だけに会う方法はないだろうか」。
そう考え、新しい採用の仕組みを検討したと、
人事総務部の矢倉芳夫マネジャーはいう。
そこで、応募を電話で受け付けるように変えた。
仲間以外と電話応対の経験がほとんどない学生が、
企業に初めての電話をするには、何らかの考えを固めてから。
あえて“ハードル”を設けたわけだ。
応募者は当初、800人程度に激減。
最初の電話でも、サイト上に記した同社のメッセージをどう思うかなど、
簡単なやりとりから始めた。
◇思考停止、打ち破れ
14年度採用はさらに、方法を変更した。
10月末から11月にかけて、
社員と学生が働く意義を語り合う「仕事対談」を開催。
12~2月には、関西や首都圏を中心に全国の大学約30校で学内セミナーに参加し、
直接会った学生からESの提出を受けられるようにした。
セミナーを開かない大学の学生からは郵送でESを受け付け、
14年度分は終了した。
セミナーなどでの説明は「できるだけ本音で話す」ことを心掛けた。
例えば、同社開発のスキンケア商品で
100億円ブランドに成長した「肌研(ハダラボ)」を取り上げたこともある。
「高級感も売り物の化粧品では、詰め替えできる商品など常識破りだった」と、
他社が諦めるようなアイデアを生かすものづくりの大切さを話した。
学生からも「どのような仕事をしているのかが分かった」など好評だった。
矢倉マネジャーは
「ネットは悪ではないが、企業側は数を集めて安心し、
学生側はどこにでも通じる志望動機を書いたESを大量に送る。
思考停止状態からミスマッチが生まれていないか。
お互いの相性確認をするのに、対話する努力は欠かせない」と話している。
【関連記事】
<現役大学生が書いた>2012~13就活最前線 就活生に聞く 解禁2カ月、現状は?
最終更新:2月24日(日)18時18分
キャンパる:2012~13就活最前線
就活生に聞く 解禁2カ月、現状は?
毎日新聞 2013年02月08日 東京夕刊
昨年12月1日、企業による採用活動がスタートした。
あれから2カ月がたち、就活生をとりまく環境はどのように変化したのか。
キャンパる記者が、ネットワークを通じて、
就活生53人を対象とするアンケート調査を実施した。
その現状に迫る。(★は女子、☆が男子)
【まとめ、上智大学・伊藤あゆみ】
◇周りと比べ、出遅れではと不安に/
ウソや知ったかぶりは失敗のもと/
一生に一度、自分の持ち味発見を
◆就活面での変化
--就活生として、今どのようなことをしている?
「授業の合間をぬって説明会に行っている」(★文教)
「エントリーシート(ES)の作成に追われている」(★立教)
「先輩や社会人と会って話をする」(★名古屋市立)
現時点で、就活生の活動に大差はないようだ。
--どのように業界をしぼっている?
「育児休暇制度など、福利厚生が充実している金融」(★明治)
「日本のものを世界に売りたいので、メーカーと商社」(☆慶応)
また、「人と会い、『こんな人と働きたい』という会社を探している」(★お茶の水女子)と、
業界にこだわらない就活生も少なくない。
--就活をしていて、焦りを感じるときは?
焦りを感じないと答えた就活生はわずか6人。
「周りと比べて、自分が出遅れているのではないか不安」という声が非常に多かった。
「選考が進む早さは人それぞれ。他人の選考状況を見て焦ることはない」(☆武蔵)
「人は人。自分は自分」という考え方が、焦りを解消する鍵になりそうだ。
--就活をしていて気づいたことは?
「なんだかんだ男女の差がある」(★名古屋市立)
「語学力を求める企業が結構ある」(★聖心女子)
「他人の情報が有益とは限らない。情報は自分で作るもの」(★お茶の水女子)
--こうしたら就活がうまくいくと思うことは?
「30代から50代の年配の相談相手を作る」(★お茶の水女子)。
社会経験が豊富な大人からのアドバイスは、確かに心強い。
「ウソや知ったかぶりは失敗のもと」(★一橋)など、
等身大の自分で勝負する勇気が必要だ。
◆家庭生活面での変化
--身の回りに起きた一番大きな変化は?
「夕食を食べ終わった後も、居間に残って両親と就活の話をするようになった」(☆早稲田)
「交通費のせいでお金が異常な速度で飛ぶ」(☆慶応)
「1日の移動時間が半端じゃない」(☆自由学園)
--アルバイトは続けている?
「就活にかかる費用の確保のため」(★文化学園)と、
6割程度の人がアルバイトを続けている。
ただ、多くの人が週1日程度の勤務におさえている。
「辞めた」「長期休みをもらった」という回答は、ともに2割程度だった。
http://mainichi.jp/feature/news/20130208dde012070009000c.htmlより
このブログ内のページも参照ください。
http://blog.goo.ne.jp/only-time/e/22a34aeabe8e1ae687a7af4815b3f694