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都市間ツアーバス 格安競争の裏で

2007年05月01日 | ニュース
さきぼと見たNHKスペシャルの番組です。

夜9時、大阪駅から1㎞程離れた民間の駐車場が突如変貌する。およそ40台の超大型バスが頻繁に発着する。

春休みの学生、単身赴任のサラリーマンなど千人を超える乗客が路上にあふれ出す。ここは東京、九州などへ旅立っていく「都市間ツアーバス」のターミナルだ。

2000年に行われたバス業界の規制緩和で高速バス界は大きく変貌した。「ドル箱路線」と呼ばれ、最も激しい競争が繰り広げられる大阪-東京路線。

かつては8000円台だった片道運賃が格安競争により半額以下に減少した。とりわけ成長著しいのが、規制緩和によって参入したバス会社を傘下におさめる旅行会社だ。

徹底したマーケティング戦略、さらにインターネットを駆使し、客の争奪戦を繰り広げる。その一方で、下請けのバス会社は、激しい車体の消耗と安いバス代に苦悩しながら、安全運行の努力を続けている。

規制緩和とともにできた新たな旅行会社が、格安を求める消費者ニーズを捕らえて、法律で定められた最低価格を大きく下回る(半分以下もある)で、バス会社と契約。バス会社は、それでも仕事がなくなるとやっていけなくなるので、請け負う。

しわ寄せは、安全性にかかるのか?下がる給料と過酷な勤務。

一週間に夜行で東京~大阪間を3往復して、やっと一日休み。当然、帰宅は、週一回だけ。昼夜逆転生活で、会社の二段ベットで仮眠する毎日。

これが、規制緩和の結果だ。ここでも、強者による搾取が横行していると見た。

何でも競争原理を導入すれば、結局最後は、淘汰されたところの寡占化が進む。それは、歴史から学ぶことができるのだが、、、

しかし、ちょっと考えれればおかしなことに気づく。規制緩和後にできた旅行会社は、ネット一つでバスの席を売る典型的な「人の褌で相撲をとる会社」なのである。

そんな会社を見切って、自分達で自分達の席を売る会社を立ち上げて対抗は可能ではないか?

過酷過ぎる運行を余儀なくされている中古バスの運行を、止めることなく整備する人たちの苦悩。朝帰ってきて、夜にはまた運行させなければならない。

しかし、みんな給料は下がる一方。つまり、新たなIP企業の儲けた結果なのである。


愚者は、経験に学び、賢者は、歴史に学ぶ。


何とか、バス会社自身が知恵を出し合って、自分達の席を売る会社を興して欲しい。そして、違法なダンピングを要求する旅行会社を淘汰して欲しい。

現在のワーキングプアが、こんな形で進んでいる。利用者の安全と引き換えにして。そして、格安都市間バスを利用するお客もまた、収入の少ない人たち。

そして、驚くべきことに、違法料金で請け負う法的責任は、旅行会社ではなく、バス会社にあるという。需給のバランスが崩れた中で、断れば次の仕事は廻ってこない。つまり断れない状況下に追い込まれてなお、責任は、旅行会社にないという。

この春、格安都市間バス旅行の最大手の会社に、新卒が7人入社した。1200人の中からの7人とのこと。やっぱり何かおかしいと思う。

こんな節操のない規制緩和社会には、そろそろ、さよならしたいとみんな思わないのだろうか?


 ★ 東京~大阪の片道運賃、3800円。全てを物語っている。


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