文化財団主催の戯曲講座を受けてきました。
地元のアマチュア演劇をしている若い人や役者ののタマゴさんたちと一緒。
おととしは講師がガジラの鐘下辰男と超人気演出家の宮田慶子。
鐘下さんは、岸田國士の「紙風船」をテキストに。
劇作家は犯人で、その謎を解く演出家は探偵という喩えが分かりやすかった。
新婚夫婦の一日を描いたこの小作品を恋人同士の二人が初めて夫婦となる(覚悟を決めた)日なのだというとらえ方に、戯曲って面白いもんだなと思った。
それまでは、『ハムレット』と『かもめ』くらいしか読んでいなかったけど、
以後、雑誌掲載の新作も含めてわりと戯曲を読むことが苦にならなくなった私。
宮田さんのテキストは、『かもめ』。戯曲の重層的な構造を分析。
劇中、登場人物は自己紹介などしない。別の人物のセリフからその人間を鮮やかに浮かび上がらせてみせる。それをいかに自然にやってのけるか。チェーホフ以前とチェーホフ以後では、戯曲は明らかに違ってきているのです。
その『かもめ』をテキストにしたかったとマキノさんはしきりに残念がっていた。
で、自身が大好きだという宮本研の『美しきものの伝説』。それこそ伝説化するほどに有名な戯曲だが入手ははなはだ困難。配られたのは、某劇団の上演台本のコピー。
受講生のアマチュア劇団の役者さん達により、ちょっとしたリーディングシアター。
自分の戯曲の良し悪しの基準は「純情」だそう。どんな俗っぽい人間でも、その何かに対して「純情」であることが、こころ惹かれるのだと。巨人の松井の話を引き合いに。
確かに松井から野球を取ったらきっとすごくツマンナイ男だろうなと思うし。
何故、芝居かという問いには、三谷幸喜の「素晴らしい演劇は、素晴らしい映画よりも素晴らしい、ツマラナイ演劇は、ツマラナイ映画よりもツマラナイ。」という言葉を引用。ほんとにそうね。でも、「ツマラナイ芝居を観たあとは、酒がうまい」とも。
確かに最前観たばかりの芝居、ほろ酔い機嫌で遠慮会釈なくこき下ろすのは痛快。
中途半端にいい芝居よりか、ずっと。たとえば、某劇団、某カンパニー・・・。(内緒)
人間は心に思っている本当のことをなかなか言わない。
セリフの裏を読み、さり気ないト書きの仕草から本音を探る。戯曲の面白さって、ちょっと分かりにくいけど、実は推理小説なんかよりずっと面白いのだ。
でも、たまたま見つけてこの「美しきものの伝説」を読んでも、戯曲の面白さは分からなかったろうな。やっぱり好きでスゴクこだわりのあるマキノノゾミの解説で読むからいいのね。つらくても心のおもむくままに、果敢に人生を生きようとした姿勢に、感動しちゃう。戯曲がつくられて上演されたのは1960年代だから、昭和40年前後。
もう歴史のひとコマなんですね。わたしもう生まれてたんだよ。嗚呼。
地元のアマチュア演劇をしている若い人や役者ののタマゴさんたちと一緒。
おととしは講師がガジラの鐘下辰男と超人気演出家の宮田慶子。
鐘下さんは、岸田國士の「紙風船」をテキストに。
劇作家は犯人で、その謎を解く演出家は探偵という喩えが分かりやすかった。
新婚夫婦の一日を描いたこの小作品を恋人同士の二人が初めて夫婦となる(覚悟を決めた)日なのだというとらえ方に、戯曲って面白いもんだなと思った。
それまでは、『ハムレット』と『かもめ』くらいしか読んでいなかったけど、
以後、雑誌掲載の新作も含めてわりと戯曲を読むことが苦にならなくなった私。
宮田さんのテキストは、『かもめ』。戯曲の重層的な構造を分析。
劇中、登場人物は自己紹介などしない。別の人物のセリフからその人間を鮮やかに浮かび上がらせてみせる。それをいかに自然にやってのけるか。チェーホフ以前とチェーホフ以後では、戯曲は明らかに違ってきているのです。
その『かもめ』をテキストにしたかったとマキノさんはしきりに残念がっていた。
で、自身が大好きだという宮本研の『美しきものの伝説』。それこそ伝説化するほどに有名な戯曲だが入手ははなはだ困難。配られたのは、某劇団の上演台本のコピー。
受講生のアマチュア劇団の役者さん達により、ちょっとしたリーディングシアター。
自分の戯曲の良し悪しの基準は「純情」だそう。どんな俗っぽい人間でも、その何かに対して「純情」であることが、こころ惹かれるのだと。巨人の松井の話を引き合いに。
確かに松井から野球を取ったらきっとすごくツマンナイ男だろうなと思うし。
何故、芝居かという問いには、三谷幸喜の「素晴らしい演劇は、素晴らしい映画よりも素晴らしい、ツマラナイ演劇は、ツマラナイ映画よりもツマラナイ。」という言葉を引用。ほんとにそうね。でも、「ツマラナイ芝居を観たあとは、酒がうまい」とも。
確かに最前観たばかりの芝居、ほろ酔い機嫌で遠慮会釈なくこき下ろすのは痛快。
中途半端にいい芝居よりか、ずっと。たとえば、某劇団、某カンパニー・・・。(内緒)
人間は心に思っている本当のことをなかなか言わない。
セリフの裏を読み、さり気ないト書きの仕草から本音を探る。戯曲の面白さって、ちょっと分かりにくいけど、実は推理小説なんかよりずっと面白いのだ。
でも、たまたま見つけてこの「美しきものの伝説」を読んでも、戯曲の面白さは分からなかったろうな。やっぱり好きでスゴクこだわりのあるマキノノゾミの解説で読むからいいのね。つらくても心のおもむくままに、果敢に人生を生きようとした姿勢に、感動しちゃう。戯曲がつくられて上演されたのは1960年代だから、昭和40年前後。
もう歴史のひとコマなんですね。わたしもう生まれてたんだよ。嗚呼。