音ばぁと絵本と

子どもと遊ぼう。子どもと創ろう。音と色とお話

音と遊び、メロディを描く。音楽はもっとおもしろい!

2009-01-27 | れいれいのワークショップ
  Spielhaus(シュピールハウス)がやってくる!

      
  
               『わたしと 小鳥と すずと』

 わたしが両手をひろげても、お空はちっともとべないが、
 とべる小鳥はわたしのように、地面(じべた)をはやくは走れない。

 わたしがからだをゆすっても、きれいな音はでないけど、
 あの鳴るすずはわたしのように、たくさんのうたは知らないよ。

 すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがってみんないい。 

                   (金子みすゞ)


 わたしは、この詩が好きです。
  だれにでも、その人にしかないものがあります。
 無理に偽ることなく、自分らしさを表現できたら、
  とても幸せだと思います。

 また、金子みすゞさんの詩集の始めに、
  与田準一さんがこう言っています。

 「こどもは大人のはじめです。こどもは人間のはじまりです。
  
大人になっていくにしたがって、
   わたし達は、いろいろなことがらを学び
ます。
   ところでどうでしょう、
   子どもの頃しか感じなかった楽しいこと、
  
子どもだったからこそ空想することのできたすばらしいこと、
   それは子ど
もからはじまった自分だったことを
   忘れるのと一緒に忘れがちです。」

   子どもの頃、心ふくらませ、わくわくしたことを、
   子育てをし、子どもと共
にいる今、一緒に楽しめたら
   どんなに楽しいでしょう・・・

  小さい子でもおとなでも、ワクワクする出会いと、
  思いがけない展開を楽しませてくれる
   遊びの魔法使い・・・柴田礼子さんを講師に招き、
  『親と子のクリエイティブ・アンサンブル・ワークショップ』を、
  シュピールハウス御殿場として行っていました。

 
 シュピールハウスでは、音楽と、とことん遊びます !!
  子どもの創造性は、『遊び』の中で中で育つからです。

  子どもが、“音楽”と出会うとき、音符を覚えたり、楽譜を読んだり、
    みんなと同じリズムを打つことから始まるのではなく、
     まず、自分の好きな音、好きなリズム、好きな表現と充分に遊べたら、
     その子にとっての“音楽”は、ずっと変わってくるでしょう。
     また、“音楽”は、歌や楽器で表現するだけでなく、動きや色、形・・・
     様々な方法で表現できます。
     もっと自由で もっと楽しい音楽が、子どもの生活や遊びの中に
     いっぱい あるのです。
  ワークショップの遊びを紹介していきます。子どもと遊んでみてね。
  


§秋を探しにいこう§

2009-01-26 | れいれいのワークショップ
§秋を探しにいこう§

テーマ:『秋の自然とあそぶ』―秋の自然と絵本あそび
ねらい:自分で見つけた秋の自然で、造形あそびや、簡単な音作り、
絵本の登場人物に変身してあそぶなど、さまざまな遊び方ができることを体験する。

《秋とあそぶ》
*秋を探しにいく―拾っていいもの、とっていいものを、理解できるようにする。
*秋を調べてみる―虫メガネでよく見たり、ドラゴンアイを覗いたり、
 集音機で森の音を聞く。
  形、色、模様、匂い、音などに、気がつく。
*秋の妖精―森の中の木や石などに目のシールを貼り、森の妖精をつくる。
 自分のお気に入りをみんなに紹介する。
*絵本「森になったライオン」―絵本を見たり、「森になったライオン」の歌を歌う。
 秋の自然で、森になったライオンのお面を作る。 
 ライオンになり、歌を歌ったり、踊ったりする。

虫メガネや、ドラゴンアイで見ることで、見慣れたものが、おもしろく見えてきたり、集中して見ることで、色や匂いも感じます。
どんぐりを拾うとき、芽のでていないきれいなどんぐりを探していたのに、虫メガネで芽の出たどんぐりを見たら、伸びようとしている力強さに出会ったようで感動しました。
秋の自然を入れたマラカス作りでは、みんなちがう音のマラカスができました。木の実や発破など入れる量によっても、入れるものによっても違います。
音楽の一番最初は、聞き分けることです。
音の違いを感じ、そのおもしろさを感じる。
このことは、いずれピアノなどの楽器を弾くとき、奏法やタッチをどうしたらいいかに、もっとも深く関わっていけるようになり、自分で違いをおもしろがったり、違いを自分で作り出すことにもつながるのです。

§サウンドブロックであそぼう§

2009-01-26 | れいれいのワークショップ

§サウンドブロックであそぼう§

  
テーマ:『小人さんの冬のあそび』―サウンドブロック(音つみき)を使って      ねらい:小人さんが、寒い冬にやる大好きな遊びという設定で、
     サウンドブロックと出会う。 
     サウンドブロックの、長い音と和音の響き、偶然のメロディを
     感じられるようにする。

《小人さんのあそび》
*ストップ&ゴー ―小人さんは、音つみきが大好き。
           この音がなると動き出します。
           音が泊まると止まります。
           音を長く響かせたり、速く叩いたり、
           バチのうしろで叩いたり、音が違うと動きも違う。
*バチあそび―バチをラケット代わりに、風船バドミントンをする。
          バチの使い方を遊びながら覚える。
*形あそび―音つみきの長さを比べたり、組み合わせていろいろな
        形をつくる。 その形で、どんな音楽ができるか叩いてみる。
        全員の音つみきをつなげて、叩いてみる。
*音のキャッチボール―ボール役の人が跳んできたら音を出す。
               いろいろなメロディが生まれる。
*小人さんのダンス―5つの音つみきの演奏に合わせて、
              スカーフを持って踊る。
              

わたしは、サウンドブロックと言う楽器が大好きです。
             まわりの空気を包み込むような透明な響き、誰もが妖精の国の演奏家になれるのです。     この楽器の、面白さは、手で持てる楽器で、いろいろな音の組み合わせができること、組み合わせていろいろな形が作れます。楽器の音だけに集中していくのは、子どもにとってきついものがあります。形あそびで、同じ形でも、人によって、叩き方によって、叩く順によってメロディが違うことに、子どもも気づきます。子どもは、形を変化させて音を聞き、遊びの中で、形の変化と音が直結します。 バチあそびでは、バチの使い方を遊びながら覚えます。利き手でない方でやると意外とむずかしいのです。打楽器は、左右のバランスがとても大切です。左利きの人で右も使える人はすごくバランスがいいのですが、右利きの人は、どうしても左が弱くなります。遊びながら左も使うと、バランスよく叩けるようになります。 5つの音の演奏―サウンドブロックは、どれを選んでも、それなりの不思議な音楽になるのですが、ドレミの世界だけだと、メロディを作ることに気を使ってしまいます。ただ単純に、速いか遅いか、強く叩くか弱く叩くか、その中でも、音そのもの、音の余韻を楽しむと、より面白いものができます。まず、音を楽しみ、自分がメロディを作り出せるんだと感じることは、表現したい気持ちの芽生えであり、自分をプレゼンテーションすることの第一歩になります。


§磁石であそぼう§

2009-01-26 | れいれいのワークショップ

§磁石であそぼう§
テーマ:『ロボット博物館へ行こう』―からだあそび      
ねらい:磁石遊びから、からだを磁石に見立てて遊ぶことで、体の使い方、表現方法の多様さを
体得していく。また、おはなし仕立てにすることで、ドラマ的な要素を盛り込んでいき、体を動かすことの楽しさを実感できるようにする。
体の一部分が、磁石になってくっついたり、NSでくっつくだけでなく、NNやSSで反発しあうなど、動きの面白さを楽しむ。


風船マラカス

2009-01-26 | れいれいのワークショップ

   

  れいれいが、大きな袋から、なにやらあやしい風船を、
  とり出しては、子ども達にポ~ンと投げました。
  バシャン!タプッ
  シャカシャカ
  ドドドド
  シャンシャンシャン

  
「水が入ってる!」
  「つめた~い!」
  「お豆!!」
   「お米!」
  
  風船の中に、秘密のものを入れる風船マラカス。
  ふくらんだ風船が、音響効果を出し、体にもその響きが伝わってくる。
  
子ども達も、好きな色の風船をもらい、
  れいれいの用意してくれた秘密のものを、
  入れては音を聞き、入れては音を聞き、
  自分の気に入った音と響きの風船マラカスを作る。
  
  風船マラカスに、輪ゴムの輪つなぎをつなげ、体のどこかにつける。
  自分が動くと風船はどんな動きをして、どんな音がするだろう?
  空気の入った風船とはちがう感覚、音、重さを楽しむ。

  最後は、指揮人形にあわせて、マラカスアンサンブル 


  れいれいより
  
初めての出会いだったので、コミュニケーション遊びを中心にしました。
  まず、れいれいと慣れ、仲間がいることを感じる。その中で、音を感じる。
  『シュピールハウス』の「シュピール」はドイツ語で、「遊び」を意味します。
  「遊び」は、特に子ども達にとってはとても大事なものです。
  それが、「音楽教育」、「表現教育」と「教育」
の名が付いたとき、教える
  
とか、学習するという方向になってしまいがちです。
  もちろん、ねらいとか目標はあることですが、まず、子どもが、その子の
  スタンスで、その子のテンポで音にかかわり、音を感じ、学習するという
  より、
  「あっ!なんかちがう!」と自分で発見する場になってほ
しいと思います。
  お母さんも一緒に、子ども達のためだけでなく、お母さん自身が、自分
    の感覚をひらいていき、自身が感じていく場になってくれればと思います。
  子どもが音を感じたとき、「あっ!ほんとうだね。」、「おもしろいね。」と、
  子どもと共感していくと、「ママ!こんないい音がするよ。」と教えてくれる
  ようになり、音の感じ方もちがってきます。

  〔大人のためのワークショップ〕
  
親子のワークショップの後、子ども達を預けて、子どもと行ったテーマと
   関連を持たせ、子どもと共にいる大人が創造的に音楽を楽しむための
   ワークショップを設けました。

  ◆振動を感じる◆

  *風船に口をつけて声を出す。

    二人組みで声を出し合う。
   

  ◆風船マラカスで遊ぶ◆

  *どんな音が出せるかな?  振る、たたく、はじく、こする・・・

  *音かさね
   まるくなり、順に音を出し、音を重ねていく。

  *図形楽譜
   一人が風船マラカスで音を出し、一人が長い紙に感じた音を、
   線や形で表していく。

  れいれいより
  風船マラカスの音だけでも、雨の音になったり、誰かが歩いてくる音に
  なったり、物語が作れます。
  身近なもので、いくらでも音作りができるのです。
  それは、楽器で表現するときでも、そこからスタートしていけるわけで、
  楽器(ピアノ、ヴァイオリンなど〉で、どんな創造をするか・・・
  遊んでいく中で、生まれてきます。
  また、それを表現するとき、何が大切かというと、
  たとえば、風船にビー玉を入れて、風船の中でびーだまのぶつかり合う
  音をおもしろい!と感じたとき、「きいて!」と人に伝えたくなる。
  このエネルギーが大切なんです。
  自分がおもしろい!と思ったものを、誰かに伝えるとき、
  すごいエネルギーが出ます。
  自分がおもしろいと思わないものを伝えても、伝わらないのです。


   


§墨であそぼう§

2009-01-21 | れいれいのワークショップ

   

  §墨であそぼう§

 
テーマ:『墨であそぶ』―秘密の地図を作ろう 
  ねらい:墨をつかって、絵を描いたり、それを表現のモチーフにしていく
       ことで、さまざまな画材を自分のものにしていく。
       筆も、葉や枝を使って手作りし、そこから生まれる自然の表現を
       楽しめるようにする。

  《墨であそぼう》
  
1.ウォーミングアップ―白と黒の旗揚げゲーム
            れいれいが黒の折り紙をくばりました。
            れいれいが、「黒あげて」と言ったら黒(表)を、
            「白あげて」と言ったら白(裏)を向けてあげる。
  2.墨と出会う―白黒ゲームでは、黒い折り紙を使いました。
           もう一枚黒い紙を配ります。
           「この黒い紙は どんな匂いがしますか?
            この黒は、折り紙の黒と同じですか?」
  3.筆を作る―「今日は、墨で遊ぼうと思います。いろいろなもので、
            筆も作ってもらおうと思います。いつもとは違ったものが
            描けるかもしれません。」
           竹箸に、芝生、ハーブの小枝や葉、落ち葉、ススキの穂
           針葉樹の葉なで、自分の好きなものをタコ糸でつけ、筆を作る。
           「ホウキみたい」、「ヒゲだ!」、「大きいの作りたい」
           「手作りの筆は、普通の筆とは違う味が出ます。
             偶然性というか、自然そのものの意図しないおもしろさが
             出ます。筆で書くと、上手に書くことを意識してしまいますが、
             もともと書きづらいので、それが味になり、気持ちの上で
             楽に書くことができます。」
  4.墨で絵を描く―半紙に、墨を垂らしたり、自分の作った筆で
             自由に線を描く。
           「みんなの筆の調子をみるように、いろいろ書いてみて
             ください。みんなの書いたものが、秘密の地図にみえる
             ように、線を書いてもいいし、曲線や点を書いてもいいです。」
        
           
           思いついたまま墨で数枚描き、最後に、一色だけ描いた
           ものに色を入れる。
         「金色をハンコのように、どこかに入れるとすてきになるかも
           しれません。青や赤、好きな色をいれてもいいです。」

   

         
    
          全員で、障子紙に順番にリレーのように描いて
          大きな地図を作る。
        「大きい紙にみんなで書いてみようと思います。
          でも、ルールがあります。リレーみたいに、誰かが書いたら
          その続きを、次の人が書きます。動きながら書くと、
          また違ってきます。」
          「大人の人が書いているとき、みんなは、動きに合わせて、
           声を出してみてください。」
   
  5.墨の地図を音で表す―歩いてる線や絵を、好きな音で表現する。(図形楽譜)

        「今年のお正月に、富士山のある森に、ふしぎな地図が
          落ちていました。そこには、暗号のような、意味のわからない
          ものが書いてありました。あるとき、みんなで集まって、音を
          出して、何か見つからないか、試してみました。」

         「だんだん 秘密がわかってきたような・・・・・」
    

   1月のワークショップらしく、『墨で遊ぼう』というテーマで行いました。
     家では、汚れやすいということもあって、小さい子には使いづらいでしょうが、
    ほかの画材と同じように、いろいろ遊べます。
    特に、匂いがあって、絵の具の黒とは違う色です。
    筆を作ることを入れたのですが、手作りの筆の味わいが出てきますし、
    筆だと上手く書かなければという気持ちが、自然の素材の筆では、
    思いがけないものになります。
    イメージとして、秘密の地図のようにと、字にこだわることのないように
    したのですが、出来上がった作品は、子どもが描いたとは思えない
    モダンアートのようにも思えました。
    抽象画に関して言えば、○×のない世界です。
    小さいうちから、この○×のない世界の中で認められる経験をしていくと
    他のことにでも工夫をするようになります。

   

  墨の遊びをした後で、子どもと散歩していたら、
  「ママ、これも筆になるね。」
  といろいろ拾い集めていました。
  どんなものでも筆になります。
  さっそく墨で描いてみました。
  習字を習う前に、墨で遊んでみると面白いです。
  何しろ思いっきり描くので、墨が飛んでひやひやですが…
  できた不思議な絵の 気に入ったところを
  体の形で表してみるとこれまた面白い。
  面白い面白いと言ってる間に絵本ができました。
  絵本『Susuki(ススキ)』を見てね。