zankurou日記

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司馬遼太郎「坂の上の雲秘話」から  1/2 (dutyとイギリス海軍について)

2011-05-11 21:49:39 | 読書

 今の私にとって現在のdutyは何だろう。これについて良く思うことがある。
 
 うちの職場でも、東北に支援に行く人を募った。私も手を挙げたかったが、手持ちの仕事に追われ時間が取れない。それならば私にできる仕事=私のduty workにベストを尽くすこと=支援に向かう同僚を後方から支援できるのではないかと考えたのである。

 ここでdutyを出したのは以前に読んだ「司馬遼太郎が語る日本の 『坂の上の雲』秘話の中に次のような記載があったからである。

>>『トラファルガーの戦いのさなかにネルソン提督は死ぬのですが、そこで「私は私の義務を果たした」という。
 「duty(義務)」は、イギリスでできた概念です。その典型的な例がイギリス海軍でした。イギリス海軍は16世紀に巨大な敵と戦っています。スペインの無敵艦隊です。スペインの方が軍艦は大きいし英雄的なアドミラル(提督)は沢山いた。
 対するイギリス海軍ですが、誰がなっても同じようにやれた。それぐらいイギリス艦隊はシステマティック(組織的)になっていた。当時は通信というものがありません。ですから巨大な敵を破るためには、自分のポジションについての把握と、任務をやり遂げる「duty」の概念が必要になります。英雄的な、冒険的な気分はスペイン人の方が旺盛でしたが、「duty」の概念はスペイン人にはなかった。「duty」の概念に無敵艦隊(スペイン人)は負けたのだろう。』と。
 

 坂の上を通して私が知る日露戦争では、戦争を遂行した政治家も軍人も見事に義務を果たしたといえるだろう。
 ・秋山真之海軍中佐は、日本海海戦の7段構えの戦法を立案し、バルチック艦隊を日本海で発見したとの報を受け、自分の仕事が終わったことを感じたという。そこまでに全精力を注入し、日本を救ったのである。

 ・児玉源太郎は、参謀次長への降格人事を快諾し、日本がロシアに勝つための下地作りをしたという。陸軍・海軍の垣根を取り払い、財界、政界にも影響力を発揮したのである。さすが若い時分に熊本城の攻防戦で、少佐ながらに「児玉少佐は無事なりや」と陸軍本営が心配した傑物の大成した姿だと思う。
 
                                         2へ続く



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