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靴紐の結べない女5

そすお婆さんはあらためて加奈子の顔を見ながら 本当に似ていると思って目を閉じた。
加奈子が待合室の時計を見ると既に仕事の始まる時間まで30分 急がないと遅刻してしまう。

駅員さんもその事が気になりお婆さんのことはこちらで対応します。お客様連絡先だけ教えてくれませんか?何かあれば連絡しますので、お仕事へ行って下さい。

加奈子は責任も感じていたがその日は外せない仕事が待っていたことも有り駅員さんの言葉に甘えることにした。

それではこれが連絡先です、加奈子は小洒落たデザインの名刺を駅員さんに預けお婆さんに丁寧に詫び
お婆さんにも名刺を渡し急ぎ足で改札口へと向かった。

色々ありがとうございます。もう大丈夫です。おばあさんも立ち上がり待合室を出ようとしたところ駅長が缶コーヒーを持って入って来た、娘さんは? お仕事の様でしたので帰って頂きました、ちゃんと連絡先は頂いていますから、おばあさんも大丈夫のようです。  そうか、それでは君は戻りなさい。

ハイ あとはよろしくお願いします。駅員は敬礼をしてホームの方へ歩いて行った。
お婆さん今日は朝から大変でしたね。今から何処へ行かれるんですか?

病院へ行く予定なんですよ。おじいさんの薬を貰いに、今日は早く行っておじいさんを安心させようと早い時間に電車に乗ったために皆さんに迷惑かけてしまって申し訳なかったです。
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