五木寛之 同郷の作家です青春の門以来、彼の作品は読んでいなかったので今回の作品親鸞を読んでいます、1月発売から ようやく上巻を読み終えました平日昼休みに少しづつ読んでいるためなかなか進みません。
お勧め度
★★★
上巻では幼少の親鸞が思いがけず世俗の底辺の住人達と交わり、比叡山での修行を経て六角堂での百日参籠に入る場面までが描かれています。
中学生くらいでも十分読める平易な文章でありながら、描かれる人物達は実に生き生きとしていて大変読応えがあります。得体の知れない怪しげな連中から後白河法皇のタヌキぶりまで、真実を追い求める親鸞の周りでは一癖も二癖もある人間達がうごめいて、物語に厚みを持たせています。
どれほど修行に打ち込もうとも消えない迷いに苦悶しながらも仏の姿を求め続け、その先に何を見出したのか―親鸞が今も人を惹き付けるのは、悟った人だからではなく迷い苦しみ続けた人であったからなのでしょう。...
