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「山地のササ」

このブログを見ると、ササに出会うのが楽しみになります。

シナノザサ(クマイザサ)

2024年10月27日 | シナノザサ(クマイザサ)を観察しよう


シナノザサ(クマイザサ)を観察しよう
                         


中部山岳に広く分布するシナノザサはチマキザサ節の仲間で、一般にクマイザサと言われています。
チマキザサは東北地方から中国地方までの日本海側に広く分布していますが、その姿は余り変化していません。標高の低い場所に生えているからでしょうか。
一方、シナノザサは中部地方の山岳に分布しており、標高1000mあたりから2500m付近まで生えています。
そのため、シナノザサは生育する環境によって姿が大きく変化しています。
稈の長さ、隈のでき方、葉裏の細毛、肩毛など、全く違うササに思えるようなものもあります。

葉の枚数はクマイザサの名が示すように他のササに比べると多く、5~7枚あります。寒い高地や日照時間の少ない場所ほど枚数は少ないようです。
葉の大きさはまちまちですが、30cm以上もある大きな葉を付ける群落もあります。
葉の裏側は細毛や気孔の密度に影響され、チシマザサのように白っぽく見えるものもあります。
肩毛は有るものと無いものがあります。
冬になると葉先から枯れますが、中にはきれいに隈どるササもあります。
風の強い場所では、稈の長さが僅か10cmのものもあります。


<西穂山荘付近>

標高約2400m、開けた尾根筋のため葉の裏の細毛は疎ら

 

<笠ヶ岳 笠新道>

標高約1900m、樹林帯のため葉の裏の細毛はよく発達している

 

<焼岳 新中尾峠付近>

標高約2000m、晩秋であることと開けた登山道脇のため葉の裏の細毛は疎ら

 

種類の異なるササがあるように見える

 

<上高地>

標高約1500m、落葉広葉樹の林床を覆っている 

 

<常念岳 一の沢>

標高約2400m、ハイマツの林床のため葉の裏の細毛は多い

 

標高約2450m、開けた登山道脇のため葉の裏の細毛は疎ら

 

<御嶽山 王滝川自然湖>

葉の枚数が多い

葉の裏の細毛は疎ら

 

<空木岳 池山避難小屋>

標高約1750m、落葉広葉樹の林床を覆い、葉の裏の細毛は多い

 

<恵那山 阿智村側>

中部山岳の南端に位置する恵那山のササもシナノザサだった

 

<浅間山 湯の平>

標高2000mの湯の平はカラマツ林 シナノザサは他の植物と入り混じっている

 

 

<麦草峠 八千穂高原>

八千穂高原のササは興味深い

標高1600m、奇麗な隈模様、葉は七枚ある シナノザサだ 

 

<黒姫山登山口 >

この場所のシナノザサの葉の大きさにビックリ

(人形峠にも大きな葉のチマキザサが生えている)

葉は大きいがシナノザサの仲間には違いない?

 

 

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