バレエ&音楽日記

舞台は一期一会。素敵な舞台にまた出会えますように…。

ABT: Don Quixote, July 30, 2011 追記あり

2011-08-04 02:45:56 | 海外バレエ
三名のお友達と一緒に、ホセに花束とカードを贈りました。開演前に
係の方にお預けしたのですが、なんと、カーテンコールの時に
ステージで、ホセに手渡されました。カーテンコールの時にずっと、
その花束を抱えてくれていたホセの姿に、涙が止まりませんでした。

前週に、コヴァルスキーありがとうって看板が終演後に降りてきたので
期待してしまいましたが、特に演出はなく。
共演のパロマ・ヘレーラからレイが贈られたくらいかしら。
偉大なプリンシパルの、ABTダンサーとして最後の舞台なのに、少し不満が
残りました。
ただ、自分が贈った花束をずっと持っていてくれて、帰りのバスにも
持ち込んでくれていたのを見て、舞台を降りても素敵な方だと思ったのでした。

舞台の感想は、また後で。

・・・・・・

日本、しかも東京ではなく西宮をABTダンサーとしてのラスト・パフォーマンスの
場所として選択したホセ。
当日、メンバー表を確認するまで・・・そして、舞台上に現れるまで
実はドキドキ。
なぜか?前回のABT来日公演の時、大阪での「海賊」公演。
当初、アリ役にはアンヘルが発表されました。ご存じの通り、アンヘルは
怪我で降板。その代役としてホセの名前がコールされていました。でも・・・
当日、フタを開けてみたら舞台上にはエルマン(コルネホ)がいた、と。
なので、ホセが舞台に登場した瞬間、既に胸が熱くなった。
本当に来てくれた!と。

カンパニーとしても、偉大なプリンシパル・ダンサーの花道とすべく
ベストなメンバーを揃えて来たし、何より気合いの入り方が
違ったように思った。

流れの中でスムーズにサポートをこなし、リフトも万全。
いわゆる片手リフトで少し歩いてしまったのはご愛敬?
この人に任せておけば間違いはない、パロマも満面の笑顔で
リフトされていたように見えた。

ワイルドで、大人の男性としてのセクシーさがあって、かつ下品にならない
ノーブルさを持ち合わせている希有な存在。
ドン・キのバジルは彼の持ち味を存分に発揮できる役だと思うし、
この役でフェアウェルを、となったのも納得。
一幕、挨拶代わりの高速ピルエットは、八回転くらい余裕で回っていた。
二幕、ジプシーたちと踊る場面。周囲にいる他の誰よりも回転は
シャープだし、ジャンプした時の足のライン、つま先は美しかった。
酒場の場面、狂言自殺の場面では考え抜かれた仕草できっちりと
笑いを取っていたし、その演技も取ってつけたようなのではなく、
あくまで自然。
三幕、アダージョの時点ですでにホセの瞳には光るものが見えた。
プティパ振付のヴァリエーション。高速ピルエットから減速して
音楽にきっちり合わせてポーズ。

なんと、花売り娘のヴァリエーション・・・どちらだったか?
床の汗に滑って豪快に尻もちをつくというアクシデント。一瞬
ヒヤッとしたものの、すぐさま立ちあがって一安心。
パロマはかっこよくグラン・フェッテを決めてくれた。
そしてコーダ。もう、ここまで来たらホセも涙、観ているこちらも
涙、涙、涙・・・。
最後まで、かっこいいホセ。ありがとう。

エスパーダはコリー君。もう少し垢ぬけたら、と思わなくはないけど、
上背はあるしテクニックも確実。
この舞台の上で、目に見えないバトンが受け渡されたように思えた。
次にABTが来日する時には、彼が主役を踊るのを観られるといいな。


原振付 マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴールスキー
振付改訂 ケヴィン・マッケンジー、スーザン・ジョーンズ
音楽 ルートヴィヒ・ミンクス
編曲 ジャック・エヴァリー
原作 ミゲル・デ・セルバンデス
セット・衣装 サント・ロクァスト
照明 ナターシャ・カッツ

ドン・キホーテ ヴィクター・バービー
サンチョ・パンサ フリオ・ブラガド=ヤング
キトリ パロマ・ヘレーラ Paloma Herrera
バジル ホセ・マニュエル・カレーニョ Jose Manuel Carreno
ガマーシュ クレイグ・サルステイン
ロレンツォ アイザック・スタッパス
メルセデス ヴェロニカ・パールト Veronika Part
エスパーダ コリー・スターンズ Cory Stearns
花売り娘 メラニー・ハムリック、ヒー・セオ
ジプシーのカップル ミスティ・コープランド、アロン・スコット
森の精の女王 ヴェロニカ・パールト
キューピッド サラ・レイン


2011年7月30日(土)17:30開演
アメリカン・バレエ・シアター日本公演
ドン・キホーテ Don Quixote
デイヴィッド・ラマーシュ指揮
ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団

以下、ダメだし。興味ない方はここでストップしてくださいね。























































あー。えーと。
舞台の上で起こる出来事には感動の涙を流したのですが、
オケピットはかなり悲惨。
特に金管!!!
今、ちょうど夏の吹奏楽コンクールの真っ最中ですが、ホルンや
トランペットは全国で金賞を取るレベルの高校生の方が上手いのでは。
猛省&猛練習されたい。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (はじめまして)
2011-08-07 02:03:36
「ホセ」で検索してたどり着きました。
私は東京でしか見ていなくて、でも
関西でこんなステキなファンの方にささえられ、ラストを迎えたと分かり、
嬉しくて書きこみました。
花束をバスの中まで持っていくのを見られるなんて、感激ですよね。
しあわせな時間を過ごされたのですね。
舞台のほうの感想UPも、楽しみにしていますので、
よろしくお願いします。
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こんばんは (odette)
2011-08-08 22:22:20
「はじめまして」様

ホセはもちろんのこと、他のダンサー達も気合いが入って充実した舞台でした。
ありがとう。その言葉しか今は思い浮かびません。
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オケ (aya)
2011-08-12 21:58:47
odetteさま、こんばんは。

えーいろいろあった結果、ABT来日公演は、不参加になってしまいましたが、ホセ・カレーニョのABTのプリンシパルとしてのフェアウェルだった「ドンキ」は、とっても素晴らしかったとの事で、やっぱり行きたかったかな…と、ブログ読ませて頂いてるとちょっと後悔も。

でもその前の週の「こうもり」がとても楽しかったので、満足して終了した7月ではありました。

それにしましても、それなりのお値段がついていた公演なのに、ダンサーたちは素晴らしいパフォーマンスを見せてくれてるのに、そんなへっぽこな演奏だったなんて!!

あーもーバレエの演奏でイイって思う事って稀とは思うんですけど(マラーホフのチャイコフスキーは良かったですね!)、そんなめためたな金管って…

余談ですけど、ABTのガラの映像(DVD)で、フェリのジュリエット(相手役はボッカでバルコニー)を陶酔して見ていたら、もの凄く外したラッパの音がして泣けた事を思い出しました…

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あれは酷かったです (odette)
2011-12-27 20:24:43
ayaさん

お返事が遅れてごめんなさい。Twitterで満足してしまって、なかなかブログに気が回らなくて。

それにしても酷かったですよ~特に金管!マラーホフの時のチャイコフスキーは、
普段から演奏している曲なのでオケにも気合いが入っていたものと思われます。
それに、退団していなければ、ホルン首席のドルソンはけっこう上手いのです。

バレエの伴奏だから~って気を抜かないでほしいですよね。
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