バレエ&音楽日記

舞台は一期一会。素敵な舞台にまた出会えますように…。

デンマーク・ロイヤル・バレエ『ロミオとジュリエット』(5/30兵庫)

2009-05-30 22:33:31 | 海外バレエ
ノイマイヤー振付のR&J、オケが、特に金管の高音部がところどころ破綻してしまっていて残念でした。パートごとに力量差があるので、不協和音が気持ち悪いのなんの…。もっと、バシッと決めてほしいところなのに。

明日は『ナポリ』、このカンパニーの魅力が出るのはむしろそっちだと思うので、ちょっと期待していようと思います。

とりあえずキャストをば…

キャピュレット夫人/ グルロン・ボイエセン
キャピュレット公/ フェルナンド・モラ
ジュリエット/ クリスティーナ・ミシャネック
ロザライン/ ヤオ・ウェイ
ヘレナ/ ルイーズ・エステルゴール
エミーリア/ ジェイミー・クランダール
ティボルト/ ジュリアン・リングダール
乳母/ メテ=イダ・キャク
ピーター/ イェンス・ヨアキム・パレセン

モンタギュー夫人/ マリア・ベルンホルト
モンタギュー公/ エルリング・エリアソン
ロミオ/ ウルリック・ビヤケァー
ベンヴォーリオ/ チャールズ・アナセン
バルタザール/ オリヴィエ・スタロポフ

ローレンス神父/ クリスティアン・ハメケン
マキューシオ/ ティム・マティアキス
パリス伯爵/ グレゴリー・ディーン

一幕では主演の二人が…どうも埋もれてしまっていて、キャラクターがたっていなかった。そんな中、流れるようなステップと優雅なアームスの使い方で気になったのはジュリエットの従姉妹の一人で、どことなく東洋系の顔立ちのダンサー。おそらくヤオ・ウェイだと思います。
あと、この公演で私が一番のBravoをあげたいと思ったのはマキューシオ!つま先がきれいに伸びていて、しかもステップやジャンプの靴音、足音がまったくしないんですもの!ロイヤルでも踊っていたことあるんですね。もしかしたらこのマティアキスが『ナポリ』で主役を踊るかもしれないので、もしそうなら楽しみです。

舞台セットの使い方がいつもながらうまいな、と。ノイマイヤーの初期の作品ですよね、これ。バルコニーが、キャピュレット邸の二階?部分になったり。
ロレンス神父が若々しくてびっくりしました。何かカゴを持っていたので何かと思えば、薬草の勉強をしている人なんですね。その中にジュリエットを眠らせる薬もあった、と。

ラスト、若い二人の悲劇をきっかけに両家が和解する、というエピソードは省かれてましたね。幕切れとしてはすっきりするのかなぁ。ジュリエットもロミオも、第二幕以降はそれらしくてよかった…かな。

ハンブルクのダンサーが踊ったらどんな感じなんだろう?とか。
マクミラン版のR&Jが見たいなー、とか。

今日はとりあえずここまで。明日もう少し書き加えるかもしれないし、このままかもしれません。


ウィーン・フィル@関西予定

2009-05-16 00:06:10 | ひとりごと
兵庫芸文のサイトに、今年のウィーン・フィルの関西での公演について情報が出ていました。
9月23日14時、指揮はズービン・メータ
プログラムは、ハイドンの交響曲第104番「ロンドン」
ショパンのピアノ協奏曲第1番(ラン・ラン)
リヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」(ソロ:シュトイデ)

だそうです。フェスティバルホールで開催されていましたので、閉鎖された今年はどうなるのかと気をもんでいたのですが…芸文ですか。
ザ・シンフォニーホールを希望していたのですが、キャパシティの加減でしょうかね。ダイワが冠についているのですが、招待客とかにチケットを占領されてしまうのは避けてほしい…。
会員先行は5月20日、一般は24日だそうです。

『天使と悪魔(Angels & Demons)』

2009-05-15 22:48:25 | 映画
本日封切られました、ダン・ブラウン原作の『天使と悪魔』をさっそく見てきました。特に誰が好き、とかではなかったのですが、ヴァチカン他のロケ地に興味があったので楽しみにしていました。

邦題の『天使と悪魔』、特に「悪魔」を、日本語でのイメージ通りに考えないほうがいいかな。原題ではDemons、これはジーニアスによると、人に取りついた悪霊、悪魔、鬼という意味の言葉だそうです。さらに、ギリシャ語での原語はDaimonで「人間の運命を割り当てる人、天才・神」とありました。
我々日本人が「悪魔」と聞いてイメージするのはDevilのほうだと思いますが、こっちのほうは神に対する「悪魔」だと。

我らがラングドン教授が、スイスにある研究所から盗まれた反物質による爆発を防ぐべく、そして誘拐された四名の枢機卿を犯行の前に助けだすことを目的にローマの街中を突っ走ります。いやー、街がきれいだったなー。
反物質。これについてはよくわかりません。時間がきたら爆発する。それも、ローマの街ごと吹っ飛んでしまうくらいの威力だそうです。これが、研究所から盗まれた…。ある依頼主からの指示を受けた暗殺者によって。私は、ある人物が犯人だと思ってたのですが、見事に騙されました。依頼主は、お願いあなただけは犯人ではありませんように…っていう心からの祈りもむなしく(笑)、最後の最後に大転換。

一つ言えるのは、教会の中で育ち、篤い信仰を持っているがゆえに…科学は悪だという自らの信念を信じ込みすぎたがゆえに狂気に落ちてしまったということ。
しかし、自らもまた「悪」であるはずの科学の力を利用してしまったということ。
薬品を使うこともまた、科学を使ったということですよね。
そして。パラシュート降下シーンは効果的でした。最も民主的な方法によってまさに独裁者を生み出す。それは神聖なる地位をDemon:悪魔に取りつかれた人に乗っ取られるということになる…ところでした。窮地を救ったのはやはり科学だった、そういうことですね。

映画としては、とにかくものすごいスピードで展開していくので、本来のテーマである宗教と科学、そのあたりに心を留める余裕が少ないかな、と感じました。
美しきヴィットリアの、科学者としての苦悩が描かれていたのでヨシとしましょうか。
これ以降は私自身の独白録です。若干、ネタバレ含みます。映画をご覧になられてから、あるいは原作をお読みになられてから、何か思われた方はコメントを残していただければと思います。









哲学でしか到達しえない何かがある。事象は数字のみによって解き明かされる。
Do you believe God? あなたは神を信じますか…?








私は法学者の卵です。地球上では至る所で、今も、神の名によって弾圧を受けている人々がいます。「神」の名を、都合の悪い思想弾圧に使うべきではありません。

頭では、理屈では決して理解できないもの。それが神。
心は?
やはり、信仰は自己の心にとどめ置くことが正解なのでしょうか。

信仰という悪魔に心を奪われることがありませんように…。

主要キャスト
トム・ハンクス、アイェレット・ゾラー、ユアン・マクレガー、
ステラン・スカルスガルト、ニコライ・リー・コス、アーミン・ミューラー=スタール、他

監督/ ロン・ハワード
脚本/ デヴィッド・コープ、アキヴァ・ゴールズマン
製作/ ブライアン・グレイザー、ロン・ハワード、ジョン・キャリー
原案/ ダン・ブラウン
音楽/ ハンス・ジマー
音楽監督/ ボブ・バダーミ

配給:ソニー、2009年アメリカ

音楽が素晴らしい。特に重厚なコーラスとヴァイオリンが美しい。ソロはジョシュア・ベルだそうです。

ヴィヴィアナが降板

2009-05-12 00:15:09 | Kバレエ・情報
デュランテが怪我で降板、『ジゼル』のタイトルロールは東野泰子さんに変更だそうです。
トップページに「キャスト変更」ってあったから、よもやまたK川さんの怪我かと心配しちゃいました…。ヴィヴィアナが公演中に腹筋?を傷めてしまった模様。ただ、深刻なものではなさそうで静養に努めれば回復は早そうですね。安心です。

私は当初からこの『ジゼル』は見られないこと確定してましたので、一応情報だけ挙げておきます。
なお、地方公演の代役は決定次第発表とのことです。

明日は『マノン』/キーラ素敵だわ~

2009-05-07 18:16:50 | My Favorites
ぜんっぜん、関係ない組み合わせのタイトルですみません。

明日のNHK教育「芸術劇場」は、ロイヤルの『マノン』です。時間までに帰宅できるか微妙なので、ちゃんと録画予約しておかなくては~!

今日はこっちが本題?です。
私はバレエ、オペラの他、映画もたまに見るのですが、日本でいうところの「時代劇」にジャンル分けされそうな歴史物が好きです。宮廷モノはもちろん、宮廷以外でも当時の暮らしぶりを描いたドラマとか。
小説ではブロンテよりもジェイン・オースティン。
で、何が言いたいかっていうと…

キーラ・ナイトレイですよ!

今まで数本見てきましたけど、見事に全部歴史モノ。ふんわりしたロングスカートの衣装がすごく素敵なのね。ゴージャスなドレスもいいけど。
直近の『ある公爵―』、『シルク』、『パイレーツ―』…。逆に、現代物に出演している作品を見たことないです。あれほどの美貌なのですから、できないはずないんですけどね。昔の顔立ちなのかしら?

私はオースティンが好きで、小説のイメージを壊したくなくて『プライドと偏見』は公開された時に見なかったんです。なんかねー、ミスター・ダーシーにふさわしい俳優さんってなかなかいないぞ(笑)。私の中での「英国時代劇アクトレス」キーラがリジーってのも想像つかない?でも、なんか見てみたくなってきました。

ちなみに、私の中での俳優No.1はローレンス・オリヴィエ、女優No.1はA.ヘップバーンです。これはまだまだ変わってません。彼らを忘れてしまうくらいの鮮烈な作品を見せてくれる人、いつ出会えるのでしょうか~。

以上、とりとめもなく書いてみました。

『ある公爵夫人の生涯(The Duchess)』

2009-05-02 09:47:12 | 映画
少し前になりますが、久し振りに映画を見に行きました。
『ある公爵夫人の生涯』(The Duchess)です。原作はアマンダ・フォーマンの小説『Georgiana, Duchess of Devonshire』だそうです。
原作のタイトルにもあるように、Devonshire公爵夫人であるジョージアナが主人公。配給はパラマウントです。2008年イギリス・フランス・イタリア

監督/ ソウル・ディブ
脚本/ ジェフリー・ハッチャー、アンダース・トーマス・ジェンセン、ソウル・ディブ
音楽/ レイチェル・ポートマン
衣装デザイン/ マイケル・オコナー
メイクアップ/ ダニエル・フィリップス
ヘアー/ ジャン・アーチボルド

キャストはキーラ・ナイトレイ、レイフ・ファインズ、
シャーロット・ランプリング、ドミニク・クーパー、ヘイレイ・アトウェル、サイモン・マクバーニー、他

結婚前の二人の描写が、そもそも「結婚」への意識の違いを浮き彫りにしていたと思います。その後の二人のすれ違いを既に暗示、いや明示していたかな、と。
母親から結婚が決まったことを知らされて心を躍らせるジョージアナと、最初から「お世継ぎ」にしか関心のない公爵。しかしまぁ、若く美しい新妻を迎えながら満足できずに他に女を作るなんて…ひどい。いくら公爵だからといって、何もかも意のままになったとして、でも、何が不満?う~ん、男ってわからないな。

ジョージアナが妊娠していて、産気づいた時には「お世継ぎ誕生だ~」ってめちゃ喜んでいたくせに、女の子だとわかって不機嫌になっていました。性別診断なんてその当時はなかったんですから、どちらが産まれるかなんてわからないのに。男しか生まれなくても世の中うまくいかないのに。

夫とのすれ違いの中で、ジョージアナは賭博をしたり選挙の応援演説を買って出たり…ちょうど、国王に議会制を認めさせて二大政党制が動きだしていた時期でしょうか。ちゃんと時代背景とか調べてから見るんだった~、とちょっと後悔。
トーリー党とホイッグ党というのがあって、トーリーというのが王党派。年月を経て今の保守党につながっているはず。対してホイッグは民衆派。自由党と名を変えますが、今は当時の勢力はないですね。それにしても、英国一の公爵がホイッグ党のサポーターだったというのは驚きです。

この映画で、果たして最も伝えたかったことってなんでしょうか?ジョージアナが、多分、初めて愛した人は結婚前からの知人であったチャールズ・グレイなのでしょうが、最終的にはグレイへの思いを断念し、公爵の元へ、というより子供たちの元へと帰りました。僕と一緒に行こう、そう言うグレイにI can't abondane my children.という言葉を残して…。
自分を犠牲にしても親子の絆、そう言うのはたやすいです。でも、それだけじゃない気がする。もちろん、公爵邸に戻るきっかけとなったのは子供たちの存在でしょうが、それだけじゃない。公爵の権力は考えられないくらい強かった。格下の伯爵家のグレイを表舞台から抹殺してしまうくらい、たやすいことだったでしょう。市民に自由を、そう訴えるグレイの言葉、そして「自由はあるかないか」だと語ったジョージアナ。グレイの目指す社会こそ自らの望む社会と考えたなら、その希望を無にすることはできない…。確かに、身を切られる思いだったでしょう。でも、大きな視野で物事を考えることができた人物だったと見ることこそ、この映画の本質だったのかな、と思います。

もちろん、豪華な衣装やスケールの大きなお屋敷、お庭、そしてなんといってもキーラの美しさ。素晴らしかったです。音楽も、ピアノと弦のトリオのエンディング・テーマはそれだけでも涙を誘うものでした。