バレエ&音楽日記

舞台は一期一会。素敵な舞台にまた出会えますように…。

バイエルン国立歌劇場『こうもり』(1986)

2010-01-14 20:55:45 | フランス・オペラ
本日やっと一つの仕事が一段落しまして、帰宅後、『こうもり』をDVDで
楽しみました。ロンドンのNaoko Sさんいわく「地雷」を踏んでしまった
私としては、どうしても見なければならなかったのです!

指揮はカルロス・クライバー、演出はオットー・シェンク。
ロザリンデ:パメラ・コバーン
アイゼンシュタイン:エーベルハルト・ヴェヒター
アデーレ:ジャネット・ペリー
ファルケ博士:ヴォルフガング・ブレンデル
フランク:ベンノ・クッシェ
オルロフスキー公爵:ブリギッテ・ファスベンダー
アルフレード:ヨーゼフ・ホプファーヴィーザー

バイエルン国立管弦楽団&合唱団、バイエルン国立歌劇場バレエ団

ライブ録音されたもので、立錐の余地もなくぎっしりと埋まった客席の華やいだ
光景がまず映し出されます。カメラが一通り客席を回ってピットを映し、
地鳴りのような拍手!マエストロの入場です。これが名高きクライバーなのね。
一通り拍手に応えた後、タクトを一閃…今年のウィーン・フィルのニューイヤーでも
演奏された有名な「序曲」の演奏が始まります。この「序曲」が鳴り始めた
その瞬間からグイグイと引き込まれてしまいました。ライブならではの勢い、
臨場感も十分に感じられましたし、何より常識なんて関係ないとばかりに
突き進んでいくスピード感と、心地よい自在のアゴーギグ。
Bravo!序曲が終わった時点で早くも拍手が!アリエナイ。

第一幕、アイゼンシュタイン邸の一室のセットです。少し暗いかな?でも、
どんどん引き込まれてそんなこと気にならなくなりました。

第二幕は「生活に飽きたロシア人の大富豪」オルロフスキー公爵のお屋敷。
ここで、ファルケ博士の「こうもりの復讐」、華麗に幕開け!ファスベンダーの
男前っぷりが光ります。いやー、素晴らしい。

第三幕のセットは刑務所。日めくりカレンダーがあるのですが、朝、
お酒を飲みながら出勤してきた看守がそれをめくると!
…これはご自身でご覧になられてくださいね。
他にも、酔っ払いの看守がセリフを失念して「あれ、何て言うんだっけ~」
…プロンプターから紙が出されるところをカメラがフォーカス!プロンプターは
客席からは見えないはずですが、ドッと笑いが。「お恥ずかしいところを~」

筋書きはまぁ、とりとめもないもの。ですが、ところどころにピットで一緒に
歌いながら指揮をするマエストロが映るんですよー。これがまた軽やかで、
手の動きが美しくて。まるでご自分の音楽で踊っておられるかのよう。

ほんと、楽しかった。音楽も素晴らしいし、歌手のみなさん演技もお上手。
お腹を抱えて久し振りに大笑いしました。いやー、いいものを見せて
もらいました!

このDVDは、ディアゴスティーニが隔週で出している「DVDオペラ・コレクション」の
第十巻です。少し暗いかな、と思うところもないではないですが、2000円弱で
これは「買い」でしょう!未見の方、ご興味を持たれたらぜひお試しになられて
くださいませ。
ただ、これは「地雷」のようなものですので、これを見たことで今後の人生が
狂わされても責任は取れませんので~悪しからず。

これが、私が踏んでしまった「地雷」です。まずはこちらをお試しに
なっていただいても十分に伝わるかと…。バイエルン国立管&クライバー『こうもり』です。