Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

山岸凉子「テレプシコーラ」第2部 第4巻

2010-07-26 22:32:15 | テレプシコーラ関連



4巻の表紙はスワニルダだそうです。あんまりクラシックの衣装っぽくないですが、六花デザインのイメージなんでしょうか。六花もいつの日かスワニルダを踊る日がくるのかなぁ。


さて、感想なのですが。
毎月ダ・ヴィンチをチェックしているので内容は把握しているのですが、単行本でまとめて読むとまた感想が違ってきます。雑誌掲載時はぐだぐだ間延びした印象だったのに、一気に読むとあら不思議、スローペースといえども着実にストーリーが進行しているのがわかります。

…と、言いたいところですが。

単行本一冊分まとめて読んでも

なんじゃこのぐだぐだスッカスカは!!

と怒りのツッコミを入れたくなりました。

単行本の帯には作中の六花と茜のモノローグから“今は決選を楽しもう”とありましたが、実際のところ4巻は“今は菅野先生のモノローグを楽しもう”と思わないとやってられない内容でした。

しかも!

4巻の最後に六花の「あ あれって あれって…」という、超思わせぶりなセリフを持ってくるとは!!
単行本派でこの後の展開を知らない人が読んだら、ものすごーく期待しちゃうじゃないですか。そして5巻を読んで脱力…いいんですか、山岸さん(と編集部)!こんなあこぎな商売して!!もーう、怒っちゃうぞー!ぷんぷん!!

というわけでいろいろ「なんじゃこりゃ~!?」な4巻でしたが、菅野先生のバレエ講座の隙間に、ちょこっとずつ話が進んだり懐かしのキャラが再登場したりもしたので、以下はその感想を。

・六花の棄権
クラシックの「ジェンツァーノの花祭」の最後で転んで、六花のローザンヌは終了…いえ、この後もいろいろあるんですけどね。なかなか話が進まないもんだから、その「いろいろ」は次巻以降におあずけになってしました。く~ん。しかし4巻だけ見ても、六花は何度も千花ちゃんの名前を呼んでますね。六花、もっとしっかりせい!あーでも来月のダ・ヴィンチでもまた「千花ちゃん!」って叫んじゃうかも?? 

・茜の天国と地獄
六花の風邪の原因(の一部)が茜にあると思うとむかつきますが、あれだけ菅野先生におだてられてたのに落っこちてしまったのは気の毒でもあります。しかし雑誌で読んだ時は気にしてなかったのですが、ロイヤルからの茜へのオファーってのはいわば補欠合格待ちみたいなもので、かなりあやふやなものだったんですねぇ。まあ、それだけ茜も「大地のいるロイヤルへ行きたい」と思ってるってことなのかしら。

・2段ぶち抜きの大地
ヒロインでもないのにかっこよくポーズを決めて「呼びました?」と言って現れた時には「お前ロイヤルで何学んでんだ」と突っ込みを入れてしまいました。大地は決選に出られなかった茜と六花の両方に優しく接してましたが、2人のことをどう思って言うんでしょうね。茜はガンガン大地にアプローチしてたけど、六花はオファーがなかったショックでうじうじしてたからなぁ…なんて言ってたら実はロンドンに年上の彼女がいたりして?(そういう男いるよな)

・思い込みの激しい菅野先生
茜がゴールド!と信じ込んで舞い上がったり、ルードラへの連絡が遅れたりと、これまで築いてきた読者からの信頼ががらがらと崩れた4巻でした。先生、この先に名誉挽回できるチャンスはあるんでしょうか?(初登場時の体型にもどるチャンスも)

・黒のスワニルダ
バレエ漫画というよりバレエの解説漫画になってしまった4巻でしたが、ラスト近くにやっと出てきたローラのスワニルダのおかげで、なんとかバレエ漫画として終わることができました(そういえば4巻の最初は六花のジェンツァーノだった)。ローラの踊る場面は山岸さんも気合いが入っているのか、見ていて引き込まれるものがあります。ローラの踊りを再現したようなスワニルダ、舞台で一度見たいなぁ。


とっても思わせぶりな終わり方をした4巻のおかげで、ここ数日私のブログのアクセス数はウナギのぼり(皆“テレプシコーラ ネタバレ”で検索して来る)ですが、とりあえず今気になるのは5巻はどれくらい話が進んでくれるのかな?ということ。4巻と同じくらいのペースだったら、私も泣いちゃうぞ~。



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