似て非なるもの

人間、30年以上生きているといろいろあります。

いろんなものに出会います。

「何こいつ信じらんねぇ…」と絶句するほど常識がアナザーディメンションな人（人じゃないかも）とか、
マンガに出てくるようなどんぶり飯を一瞬で平らげる人とか、
「オラこんなうめえもん初めて食っただ」と感動するほど美味なものとか。

さかのぼること今から…えーと、10年以上20年未満前。

私は東京で、ある感動的な食べ物に出会いました。

それは、トップスのチョコレートケーキ。薄茶色のチョコレートクリームに包まれた、アレです。
チョコレートケーキと言いつつスポンジがプレーンだということに気づいたのは最近ですが、
初めて食べたときはあまりの美味しさに武者震いがするのぅ！でした。そう、まるで舞台で
泥まんじゅうをむさぼり食っていた北島マヤのように…たとえがおかしい気がする。ま、いっか。

トップスのチョコレートケーキは中にくるみが挟んであるのが特徴ですが、田舎者の私は
柔らかいケーキにアクセントとして歯ごたえのあるナッツが挟んであるのも新鮮で、

「さすが都会のケーキ屋はやることが違うのう」

と激しく感心したものです。その後、某大手チェーンのケーキ屋でバイトするようになって、どの店でも
似たようなことをしていると気がつくのですが（不○家のチョコ生ケーキも美味しいね！）

しかし、東京を離れて地元に帰ってからは、トップスのケーキを口にする機会がなく…
（高松三越でもたまに売ってるけどね☆）

というわけで、今回はそのトップスのチョコレートケーキをイメージして、チョコレートクリームの
ロールケーキを作ってみました。前置きが長くてすいません。

トップスのケーキのスポンジは、普通のスポンジケーキよりもやや固めだった（個人の感想です）気がするので
スポンジ生地にはアーモンドパウダーを加え、通常のものより焼き菓子っぽくて香ばしい生地にしました。

チョコレートクリームは、バレンタイン用に買ってあったミルクチョコレートを牛乳と一緒に鍋で温めて
溶かし、生クリームに混ぜて泡立てました。

ここでクリームを味見。

うーん、思ってたのとなんか違う…

ミルクチョコレートのミルキィな感じと、生クリーム（濃い目）の風味がケンカしちまったみたいです。
ここは控えめにビターかセミスイートを使えばよかったのかな。

中に巻き込むくるみは、電子レンジで軽く加熱して粗く刻みました。この前のバレンタインの時、フライパンで
乾煎りしたら表面が焦げて大変だったのですが、今回電子レンジでやったら中までちゃんと熱が通ってて
なおかつ焦げてなくてベストな仕上がりでした。そうか、前回も電子レンジでやればよかったんだな…。

スポンジ生地にクリームの半量を塗り、くるみを散らして巻き込みます。クリームの量をいつもより
少な目にしたのでうまく巻けるだろう…と思ったけどとじ目からクリームがはみ出したりきつく巻こうとして
生地が折れそうになったりで、いろいろアクシデントが起きてやっぱり平常運転でした。

巻き終わったら一度冷蔵庫で冷やして落ち着かせ、その後外側に残りのクリームを塗りました。

カットしたのがこれ。



なんか違う…大きく違う…

具体的にどこがどう、というのははっきり言えませんが、皮膚感覚でこれがトップスのチョコレートケーキから
だいぶ軌道がずれていることがわかります。

やっぱ、巻いちゃったのがいけなかったんですかね～。普通にスポンジ生地を四角に切って、くるみを挟んで
クリームでデコレーションすればよかったのかなぁ。でも、私の技量ではおそらく、スポンジ生地を
同じ大きさに切りそろえるということができなかったであろうことは容易に推測され…

ま、とりあえず初めて作ったんだからこれでいいかな、と考えることにします。



一個だけ皿に移しました。クリームが少ないので、いつもよりきれいに負けてる気がします。
フルーツとか入ってる時でも、これくらいきれいに巻けるようになるといいのにな…。

味ですが、上に書いたチョコレートクリームのくどさ以外は、予想通りというか期待通りというか、
割と上手くできてました。次に作るときは、ロールにしないでトップスの本物に近い形状のものに
しようと思います。そのほうが雰囲気出るしね！