Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

「平清盛」第8話。

2012-02-27 01:12:23 | 大河ドラマ「平清盛」


みなさんこんばんは。今週も大河ドラマ「悪左府 藤原頼長」の時間がやってまいりました。

…え、先週までとタイトルが違う?いや、あってますよこれで。

ドラマにおける存在感の強弱で主人公を決めるとするならば、今週の主役は頼長以外いなかったじゃあーりませんか。

というか、主役のはずの清盛が空気すぎるのが問題なんですけどね。
あの汚すぎる装束もそろそろ見ているのがつらくなってきたしなぁ。
平安時代の公達として、あの恰好は説得力がなさすぎるんですわ。
立ち居振る舞いだって、漁師の息子の盛国のほうがよっぽど立派だし。
脚本だけでなく、衣装やセットの面でももっとテコ入れしてほしいですね。

で、第8話の感想ですが、主人公が清盛だと思わなければかなり面白かったです。
ケンイチさんはケンイチさんで頑張って(このドラマにおける)清盛という男を演じていましたが、
山本耕史演じる藤原頼長のほうが見た目・思考・発言のすべてにおいて視聴者を納得させられるものが
あったのではないでしょうか。少なくとも私にはそう思えました。

…まあ、ちょっと「この人(頼長)が上司だと嫌だな」って思いましたけどね。細かいし。
私が男だったら、貞操の危機があったかもしれないし。

第8話のあらすじですが、正確なあらすじは公式サイトのこちらでどうぞ。

冒頭。今週も「今日のみどころ」がありましたが、紹介すべき場面が間違っていたので
あまり効果がなかったのではないかと思います。やっぱ第8話のみどころは崇徳帝が義清にかけよって
手を握る場面だろ!もう!詰めが甘いんだよNHK!!

ま、そんな私の叫びはさておき、清盛は社会勉強のために九州は博多へ出かけておりました。
博多の市には大陸の宋からやってきた珍しい品々が並び、活気にあふれています。
新しい物好き、珍しい物好きつまりミーハーな清盛くんは大喜び。市場で宋のお金が取引に使われてるのを
見て、「こんなちっぽけなものが…!」とかなんとか感心することしきり、でした。この時代はまだ
貨幣が使われてなかったんですね。お米とか塩とか布で取引してたんでしょうか。
大陸と日本の文明の差を感じます。宋銭に感動した清盛は「日本も宋みたいにならなくては!」と
短絡思考で鼻息を荒くしてました。中二病いまだ健在だったんですね。盛国の苦労がうかがい知れます。

博多の市で、平氏は大宰府の役人を通さずに宋と密貿易をしていることを知り、驚く清盛くん。
忠盛父ちゃんは密貿易で財をたくわえ、平氏の懐を豊かにしているそうです。そしてその富を使って
貢物をしたり、お寺を作ったりして王家の機嫌を取っているんだとか。忠盛父ちゃん、実直そうに見えて
実は相当したたかです。清盛くんも父ちゃんを見習って、もうちょっとやわらかあたまになってほしいものです。

清盛くんが九州で楽しく過ごしている頃、宮中ではどろどろの昼ドラが真っ盛りでした。
鳥羽上皇の寵愛をほしいままにしている得子様(以下なりちゃん)の権勢は留まるところを知らず、
宮中の庭にはなりちゃんの好きな菊の花が植えられ、菊の花を愛でる宴が行われてました。
「菊の花を浮かべた酒を飲んで不老長寿を祈ろう」と皆に酒をすすめる上皇。不老長寿以前に
目が完全にイっちゃってますけど、大丈夫なんでしょうか。宇宙から電波受信してそうです。

菊の宴なので、誰か菊の歌を詠めと提案する上皇。そこにいた貴族のすすめで、宴を警護していた
佐藤義清が一首披露することになりました。

君がすむ 宿のつぼをば 菊ぞ飾る 仙(ひじり)の宮と いふべかるらむ

微妙なふしまわしで詠まれたこの歌、西行マニア・和歌マニアならともかく、一般の視聴者には
「はぁ?」だったのでは。特に解説もついてなかったし。「今日のみどころ」なんて流すより、
こういうところでなんらかの補足説明を入れたほうが、視聴者にドラマを楽しんでもらえるんじゃ
ないでしょうか。

上皇は義清の歌に喜びますが、その場にいた摂関家の次男、藤原頼長は「院に媚び媚びじゃねーかYO!」と
毒づいていました。冷静そうに見えて、結構KYな人みたいです。そして、その宴で使われていた酒器が
清盛が献上した宋製の磁器だとわかり、なにやらピーンと来た模様。さて、いったい何に気がついたのか…。

ご機嫌斜めの頼長がおうちに帰ると、父の忠実と兄の忠通が待ち構えていました。父親から
「次の辞令でお前は内大臣になるよーん。これからの摂関家を背負ってくのはお前だからネ☆」
と聞き、「それなら私は新世界の神となる!」と宣言する頼長。セリフがうろ覚えなので若干間違ってるかも
しれませんが、大体そんな感じの話をしていました。うん。絶対そう。
あ、あと「腐ったこの国を買い叩く!」とも言ってたね。うん。

さて、上皇の寵愛をなりちゃんに奪われた待賢門院璋子(以下たまちゃん)は、それまで水仙が植えられていた
ところが全部菊に植え替えられてるのを見て、
「水仙が咲いてた時は気にも留めなかったのに、なくなってみるとさびしいわね~」
と、溜息をついていました。水仙イコール鳥羽上皇のことなんでしょうけど、気がつくのが遅いですね。
それを傍で見ている堀河局も、「今頃気づいたのかよ!」とドン引きしていました。きっと。

上皇の前で菊の歌を詠んで、上皇の覚えもめでたくなった義清でしたが、それを面白く思ってない人がいました。
先週から義清に異様な熱視線を送っている崇徳帝です。上皇の宴で義清が歌を詠んだと聞いて、
「あんな男の前で歌を詠まないでよ!歌を詠むのは僕の前でだけにしてよ!!」
「僕と上皇のどっちがいいのさ!!」
と、義清に詰め寄ります。あげく、
「子供のころから僕は“叔父子”と呼ばれて虐げられてきたんだ…ママンがビッチだったせいで」
と、義清の手を取りつつ非常にアンタッチャブルでデンジャーな告白までしてしまいます。それを聞いた義清も
うっかりたまちゃんと白河法皇のあんなことやこんなことを妄想しちゃって、なんだかへんな展開に。
とても日曜8時のNHKとは思えない雰囲気が漂ってました。どこへ向かっているんだ、今年の大河。

主人公以外のパートがあまりにトンデモで面白いので、もうこの先主人公出てこなくてもいいやと思ってましたが、
忘れたころに清盛くんが再登場。兎丸が密輸品を京の市で売りさばいてると聞き、あわてて現場に駆けつけます。
どう考えてもこれはヤバいのですが、たまたまその場に居合わせた高階通憲に
「こんな素晴らしいものがあることを庶民に知らせるのは立派」
だのなんだの言われて、この件は「まあいっか」とスルーされることになってしまいました。おいおいいいのか。
なんかすごく高そうなものもあるやんけ。A型の私にはイージーすぎてついていけません。
つかなんで通憲こんなところにいるんだよ(<それをいっちゃおしまいよ)。

主人公パートにもやもやしてたら、場面は東国にうつりました。東国へ武者修行の旅に出た義朝くんの近況報告です。
都でぶいぶい言わせてる清盛よりももっとワイルドないでたちで弓矢を使い、よゐこの濱口よりも「獲ったどー!」な
生活をしている義朝くん。なんか見た目もやってることも山賊っぽくて、人間離れした生活をしているみたいですが、
都にいる為朝父さんのところには「元気でやってるよー。東国では源氏は人気者だよー」と、ダメダメな為朝父さん
にも見透かされてしまうくらい嘘くさい手紙を送っていました。こんなプリミティブな生活をしていた源氏が、
その後平氏を倒して鎌倉に幕府を開いたわけですから、歴史というのは不思議なものです。
ま、結局源氏は義朝の孫の実朝の代で終わっちゃうんですけどね。

義朝が東国でワイルド&タフな日々を送っている頃、都には熱田神宮の宮司の娘・由良姫が来ていました。
「私と仲良くすれば何かと有利ですよ」と、為朝に自分を売り込む由良姫。「源氏なんて」と言ってた割に、
義朝のことが超気になっていた様子。イケメンは得ですなぁ。もうひとりのイケメン(義清)は、イケメンが
たたって「アッー!」の窮地に立たされているけれど。

で、イケメンじゃないので愉快な仲間と楽しく過ごしている清盛くんはどうしているかというと、頼長に
宋との密貿易がバレて、呼び出しをくらってしまいました。なぜかその場に臨席する通憲。ここまで来ると
座敷童子です。阿部サダヲなのでよけいそう見えます。

頼長は清盛が出した休暇願を調べ、大宰府での宋との貿易の記録を調べ、あとなんか他にもいろいろ調べた
結果、清盛たちが嘘の許可証を作って不法な貿易をしていたことを問い詰めます。この、完璧に証拠を揃えて
相手に反論の余地を奪ってしまう頼長の手法はさすがです。きっと私生活でもこのやり方をあんなこととか
こんなことをするのに活かしてたんでしょうなぁ。あな恐ろしや(※この場合の『あな』は感嘆詞ですよ)。

頼長に何も言い返せない清盛は、「宋を見習ってこの国をもっと良くしようZE!」と苦し紛れなことを
言っちゃいますが、「ちょっと市場の活気を見たくらいで何もかも知った気になるんじゃねーよカスが」と
相手にされません。

頼長の言ってることがいちいちもっともなので、庭先にいる盛国も心配そうに主を見ています。
もしかしたら、主の代わりに頼長への反論を考えていたのかもしれません。盛国ならそれもできそうです。

単細胞な清盛くんはとりあえずハッタリと度胸だけでその場を切り抜けますが、頼長と比べて己がいかに
小さいかを痛感したようではあります。これをきっかけに成長してくれるといいのですが。
そんな清盛くんを励ますために、宋銭で作ったアクセサリーをプレゼントする盛国。ぬかりありません。
きっと清盛くんも惚れ直したことでしょう。上川マジック健在です。結婚しても、相手が男でも。

そんなこんなで散々な目に遭ったというか周囲を散々な目に遭わせた清盛くんですが、嫁の明子さんが
懐妊したと聞いて大喜び。この時代、妊娠&出産は命に係わる一大事なのでそんなに浮かれてもいられない
と思うのですが…。一方、弟の家盛くんは平氏一門のために好きな女の子と別れて親の決めた相手と結婚
するらしいです。兄貴は好き勝手やってるのに自分は…とダークサイドに堕ちないことを祈ります。
叔父さんの忠正君はもうとっくにダークサイドずぶずぶみたいだけどな!!はは!!


来週は義清とたまちゃんの禁断の昼ドラ展開&「卑弥呼さまー!!」みたいな頭の松田翔太登場など
イベントが盛りだくさんの模様です。頼長さまの活躍が楽しみですが、崇徳帝&義清の恋の行方(?)も
気になります。


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