Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

フィギュアスケート世界選手権2018

2018-03-27 20:40:01 | 雑談


先週半ばから日曜日にかけて、フィギュアスケートの世界選手権がイタリアのミラノで行われました。
全種目全選手を見ることはできませんでしたが、地上波放送とフジテレビの動画配信を駆使して、できるだけ見ました。

いつものことですが、オリンピックシーズンの世界選手権は、腫瘍メダリストが欠場したり、ベテラン選手がオリンピックを最後に引退したりしてちょっぴり寂しい空気が漂いがちなのですが(※個人の感想です)、今回はそれよりも若さハツラツ次世代選手まだまだ若いもんには負けへんで30代ベテラン選手の対比が目立って面白かったです。フィギュアスケート選手、特にシングル選手は10代半ばから20代半ばで選手生活を終えてしまう人が多く、特に女子の中には10代のほんの一瞬に輝きを残して去っていく選手もいて、どうしても儚いスポーツのイメージがあるので、これだけ幅広い年齢層の選手が競い合うのを見るのはとても楽しかったです。それと同時に、それぞれのウィークポイントも見られたのですが。

それともうひとつ、オリンピックシーズンは世代交代を感じるシーズンでもあり、特に日本男子シングルは羽生結弦選手の欠場により無良崇人選手が補欠として出場するかと思いきや引退、繰り上げで友野一希選手が出場することになりました。若干19歳、シニア1年目です。正直、無良くんはあともうちょっとだけ現役を続行してくれると期待してたので引退は寂しかったですが、こうやって後輩にチャンスを譲るのも彼らしい、というか日本男子選手の伝統なのだから納得できました。

競技の結果は、女子はオリンピック金メダリストのアリーナ・ザキトワ選手がフリーでまさかの大崩れで、1位はカナダのケイトリン・オズモンド選手でした。オズモンド選手はオリンピックの銅メダリストで、銀メダリストのメドベージェワ選手が欠場してるのですから、順当っちゃ順当ですね。そして2位はなんと樋口選手。ショートでのミスを挽回して、フリーで快心の演技をした結果です。彼女の小さな体からみなぎるパワーは、早朝の寝ぼけまなこの私にも伝わってきました。彼女の強い個性と表現力は、日本女子選手の中でも圧倒的に抜きんでてるなと感じます。3位は日本女子のエース、宮原選手でした。フリーの演技前、彼女は樋口選手の上をいくだろうと予想していたのに、転倒などのミスが響いてしまいました。もし、あの転倒がなければ2人の順位は逆転していたのに…と思うと本人たちの心境は複雑かもしれませんが、宮原選手もまだまだ若いし、そう悔やむことではありませんね。

男子は、宇野選手が怪我が響いて普段の実力が発揮できませんでしたが、フリー最終グループがリンクに突如現れた魔物に荒らされた結果、2位になりました。3位はロシアのミハイル・コリヤダ選手。そして1位は、みなさんご存知(?)私が大ファンのアメリカのネイサン・チェン選手(以下ネイサン)です。やったー。というか、優勝したことよりもショートプログラムでオリンピックの悪夢を払拭できたことのほうが嬉しいです。オリンピックでネイサンは団体も個人もショートプログラムで阿鼻叫喚の大失敗をしていたので、世界選手権でも同じことを繰り返してしまうのではと心配だったのです。おかげで、彼の演技が始まる前は緊張し過ぎて吐きそうになりました。私が。結果、パーフェクトとはいえないまでもオリンピックの悪夢を払拭する演技ができてたのでよかったです。というか、この時点で8割がた満足してました。ショート2位のコリヤダ選手とは僅差だったので逆転される可能性もあったし、優勝できなくても十分だ、と思ってました。

男子フリーの最終グループは、優勝候補たちがミスを連発して自己ベストにはほど遠い得点に終わる中、最終滑走のネイサンもミスを連発するのではとか、それともリスクを回避して無難にまとめて優勝を狙うのか…と思いきや、オリンピックと同じ構成で攻めてきたので驚きました。ショートの後のインタビューでは「4回転6本はリスクを伴うので5本にする」と言ってたのに。つか5本でも多すぎるけど。チャレンジしたのには成功する自信があったからというのもあるでしょうが、今できる精一杯の演技で優勝したいと考えたからでしょう。来シーズンはルールが改定されて、4回転を6本挑戦することはできなくなりそうですから。自己ベストの得点で、フリー歴代2位の得点で優勝しても、いろいろと茶々を入れる人がSNSで散見されましたし。

上にミスを連発と書きましたが、その中でも一番心配なのが中国のボーヤン・ジン選手でした。フリーで何度も転倒し、そのたびに「私のボーヤンが!」と叫びそうになりました。モンペか。四大陸選手権では怪我からの復活をアピールしていたのに。オリンピックにピークを持って行ったせいでしょうか。オリンピックシーズンの世界選手権あるあるではありますが、とても痛ましかったです。ホットケーキ10枚焼いて食べさせたいくらいです。オカンか。

ちなみに最終グループ以外では、私はラトビアのデニス・ヴァシリエフス選手がコーチ込みで大好きなので、演技もキスクラもとても目の保養になって幸せでした。フジテレビは毎日深夜23時55分から5分間、ヴァシリエフス選手とランビエールコーチの映像を流すといいと思います。視聴率2桁行くと思いますよ。少なくとも私は見ます。あと、オリンピック以降マレーシアのジュリアン・ジージェイ・イー選手が気になって仕方なかったので、今回の世界選手権でショートとフリーの両方が見られてよかったです(オリンピックではフリー進出ならず)。地上波放送だと上位選手しか見ることが出来ないけど、動画配信なら全選手見られるからよいですね。それなのになぜエキシビションは配信がなくて地上波放送も散々だったのかは疑問だけどな!現地ミラノのカメラワークが大概だったからといって、許されるもんじゃねーぜ!

気がついたら男子の事ばかり書いてしまってますが、イタリアのカロリーナ・コストナー選手のショートの演技や、イスラエルのいきいき30歳アレクセイ・ビチェンコ選手のいきいき演技、アイスダンスの村元哉中/クリス・リード組の演技など、印象に残る名演技はいっぱいありました。カナダのキーガン・メッシング選手のショートの演技は素晴らしすぎて、スマホで見ながら変な声を出してしまいました。家の中でよかった…。

そして、出場選手の演技の中に、彼らを見守る先輩の気配を感じることができたのもとてもよかったです。宇野選手がショートの冒頭で、得意としている4回転フリップではなくトゥループを跳んだ時は、かつて宇野選手がトリプルアクセル習得に悩んでいた時、先輩の無良選手の「先に4回転トゥループをやれば」というアドバイスがきっかけになって、最終的にトリプルアクセルも飛べるようになったというエピソードを思い出して、「ほら、無良くん、宇野くんが4回転トゥループを跳んでるよ…」と、夜空のお星さまに向かってつぶやきましたし(無良くんはお星さまになってません)
、友野一希選手が初出場で5位になったのを見た時は「無良くん、友野くん5位だよ、よかったねー」と岡山に向かって叫びそうになりましたし…って無良くんのことばっかりやーん!というか、私にとって今回の世界選手権は、無良くんに関するエピソードを通して、フィギュアスケートという競技の在り方を考えるいい機会になりました。出場している選手も、そうでない選手も、現役でも引退してても、競技者として大会とつながっているのだな、と。

余談ですが男子の表彰式で2011年から2018年までの男子優勝者の名前がずらっと表示されたのですが、2011年から3年連続でパトリック・チャン選手(平昌後に引退)の名前がずらっと並んでいるのを見て、やっぱりすごい選手だったんだなぁと今更ながら思いました。その後の4年間が、羽生選手、フェルナンデス選手、フェルナンデス選手、羽生選手の並びになってるのもすごいんですが。選手だけでなく、2人のコーチのブライアン・オーサーも。

今週末は世界選手権の余韻も冷めやらぬ中、大阪までアイスショーを見に行ってきます。オリンピックが始まる前に、ネイサン見たさでチケットを買ったのですが、オリンピックと世界選手権を通して他にも気になる選手がたくさんできたので、とても楽しみです。心配なのは、朝一番のフェリーに乗るために早朝4時に起きなくてはいけないことですが…頑張れ私!負けるな私!エイエイオー!(この熱意を他にも活かせないものか…)

2 コメント

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Unknown (あおむし)
2018-04-01 00:29:19
あー!もう読みながら膝連打しまくりでした。
ネイサンは「大失敗の五輪後の世界選手権優勝」まで込みで真央ちゃんと一緒でしたね。
そして、ボーヤンは某SNSが「壁がよけろよ!」と壁disで埋まっているのが面白かったです。
初代「壁がよけろ」ことパトちゃんの立派な後継者ですね(違う)。
夜23時55分からのヴァシリエフス選手とランビエールコーチの5分番組、私も見ます。毎日。

アイスショーのレポートも楽しみにしてます!

そして、30歳を過ぎてから宝塚にハマった私としては、バレエとフィギュアスケートのお好きなもちきちさんに、ぜひ宝塚も見ていただきたいです。
最初は半笑いで見ていたくせに、今や完全に本気(と書いてマジ)です。
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アイスショーから帰ってきました (もちきち)
2018-04-01 22:25:02
>あおむしさん
こんばんは。コメントありがとうございました。

大阪ではアイスショーを2本見たのですが、どちらも素晴らしかったです。
近いうちにレポート書きますね。

>ネイサンは「大失敗の五輪後の世界選手権優勝」まで込みで真央ちゃんと一緒でしたね。
そうそう。私もそうなることを期待していたのですが、いざ実現すると鳥肌立ちました。さすがにショートで歴代最高得点を取ることまではなぞれなかったけど(汗)

ネイサンがクワド・キングならボーヤンは「Mr.クワド・ルッツ」なので、来季はまた美しいジャンプを見せてほしいですね。そのためならおやついくらでも作るよ!(オカンか)

宝塚は一度見てみたいと思っているのですが、この沼にハマるとえらいことになりそうな気がするのでなかなか踏み込めません…もし銀英伝が再演されるなら、行ってしまうかも??
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