ミーターの大冒険 第五部 オーロラへ 第7話 「 地球 The Earth 」
あらすじ
ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は、まずルート通りにコンポレロンに到達した。次にオーロラへ目指していた。
ところが、コンポレロンから禁断の星オーロラへのルートがわからない。困難に直面した二人(?)であったが、そのとき、突如としてイルミナが「フィードフォアード症候群」に襲われた。ある感応者の精神と繋がる。例の「アール(R)」いわゆる「不死の従僕」の感応の響きであろうか。
イルミナは彼女の精神感応力を稼働して、ヴァジル・デニアドールという人物の心理に入り込めた。そこでオーロラについての情報と故郷星の恒星系の特異性を知る。
しかし、その「航海日誌」は、果たして信用できるのであろうか?
ファー・スター2世号はさらに深宇宙に、銀河潮流に沿って進むが、データの不一致が判明する。ターミナスの図書館と18000年前の航海日誌にない天体が進行方向に存在したのであった。
そのとき、その天体から通信応答を求めて来た。
それは、ガイアの長老ドムからであった。彼の自己紹介は「わたし/わたしたち/ガイア」であった。ミーターはあらかじめおおよそのことは了解していたように質問していった。イルミナの質問がどういう訳か面白い。
126
ミーター ドムさん、その長、つまり不死の従僕さんが、ある過去の時点で、銀河系外恒星系の一つをこの星系に出現させたということでしょう。宇宙の中の銀河系同士は網目状に繋がっていると聞いております。そしてそれが宇宙をこの流れる「宇宙潮流」だとアルカディアから教わりました。俺の推測では、おそらく不死の従僕さんが、ある過去の時点で、アタカナの再発見に関係があるんじゃないでしょうか?
イルミナ まあ、ミーターさんたら、いつ、どうしてそんな宇宙物理学者になっちゃんですか?
ミーターさん、あなたが「ある過去の時点」とおっしゃたことが気になりますね。
ドム ミーターさん、イルミナさん、我が首領の長、ダニール・オリヴォーは、ハリ・セルダンの二つのファウンデーション計画の目的達成のために二つの追加措置の構築を企てました。その一つがガール・ドーニックに担わせた「微細心理歴史学」の構築。そしてガイア計画です。そのガイアを生み出すきっかけとなったのが「地球探索」でした。
ミーター ドムさん、「地球探索」ですって?
ドム そうです。あなた方が「アタカナ」と呼んでいます故郷星の正確な名前が「地球」Earth なのです。そしてそこの恒星Solar は「太陽」Sunと言います。不死の従僕ダニール・オリヴォーは地球に到達し、短い時間で放射能除去を行い、彼の超強力感応でバリアーフィールドを造り、その地点に降り立ち、地球のニフがあった場所の超古代の歴史に焦点を合わせました。
ミーター 「地球」ですか?
その地球の「ニフ」ですか?その場所の土地の名前ですね。
ドム そのように聞いております。
ミーター その言葉の由来はわかりますか?
ドム 伝説でよろしかったら、お伝えいたします。例えば、言い伝えの「ニフ」の由来の一つは、「フニ」の語順を変えたと言われるものです。本来ニフ語は一つの子音と母音の組み合わせで出来ています。或いは母音が一つの場合もあって、文字がおおよそ五十あったそうです。
そしてその2文字を転倒して言葉遊びをする習慣があったそうです。
ですから、「ニフ」は「フニ」から来ているという説です。
イルミナ 大変ややこしい遊びですね!相当文化程度が高度じゃないと、そのような遊びはできませんね。ところで、ドムさん、その「フニ」とはどういう意味ですか?要するに。
ドム ニフのある場所にある一番高い、形の良い山の名前だったそうです。本来の意味は「二つと無い」、或いは「唯一」という意味だとか。ニフの由来についてはまだまだあります。続けましょうか?
ミーター いいえ、結構です。そのデータベースを、ファー・スター2世号に転送してくださればいいです。
イルミナ まあ、ミーターさんったら!