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仏語、英語学習者。アイザック・アシモフのファン。ノース・ホワイトヘッド思想信奉。縄文志向、仏陀志向。

ミーターの大冒険 第四部 コンポレロン 第5話 「放射能」

2022-06-02 15:22:11 | ミーターの大冒険
117ミーターの大冒険 第四部 コンポレロン 第5話 「 放射能?」

あらすじ
 ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は、シンナの軌道上、カルガン以来、初めての惑星探索を果たした。はじめはドローンで、そしていよいよ、ミーターはコンポレロンの地表に到達し、人間社会にも扮装して紛れ込んだ。人間たちは、透明なドームの鋼鉄都市に住みはじめていた。それはトランターの繁栄した時代のような外界の宇宙空間から身を守るような形態であって、ターミナスやその周辺星域の惑星とは異なっていることに二人(?)はいわゆる懐古趣味というような違和感をおぼえた。さらに、コンパーやジスカルド・ハニス、オリンサスの縁故がいないのには何故か落胆したが、ミーターの洞察力はにわかに鋭さを増していく。
 ミーターは、コンポレロンの人々が最古の星の話題に異常な恐怖感を持つのに、あるもう一つの理由があることに思いつく。

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ミーター イルミナ、アルカディアの話しで思い出したことがある。
 それは「放射能」についてのことだ。
 この銀河には、「放射能」という言葉が「暗闇」、「混沌」、「焼け焦げ」または「絶望」、「恐怖」と同義語で使われるってことを知ってたか、イルミナ?
 コンポレロン人が怖がっているのは、最古の星の記憶だ。それは原子力放射能の「恐怖」だ。きっとそうだ。

イルミナ ミーターさん。ここ100年の間、ここ天の川銀河の多くの星が放射能汚染によって住民の生存が脅かされているのわ。
 皮肉にも当初はファウンデーションの科学技術によって数多くの銀河の惑星が潤った。われ先とファウンデーションの科学技術を導入したり、援助を受けた。とくに全エネルギーを原子力に頼っていた星々は、よけいに悲惨になって来ているみたい。原子力発電所の老朽化によって、技術者の不足や維持技術の技能が廃れ、それによって原子力発電所の爆発事故が多発したのよ。その星は放射能漏れで汚染され、その星を遺棄せざるを得なくなり、住民は他の住居可能な星に移住をせざるを得なくなった。
 人類の文明は消滅しかけているのよ。そのことによって多くの星が、どんどんとファウンデーションとの関係を絶って来ているという事実にも表れているわね。そしてこの銀河の暗黒がファウンデーションのせいだと憎悪を抱きはじめたのよ。約100年前まではファウンデーションとの親交星が銀河の三分の一まで増加したのに、今では数える位に減ったんですから。
 
 この問題に抜本的に取り組んだのが、アルカディアさんだったんですから。ミーターさんは彼女のメイン・スタッフだったんですね。それだけでも尊敬いたします。

ミーター いやいや、まだまだそれは解決されているわけではない。というよりはこれからが序の口っていうところだ。お前と俺でその解決の手がかりを見つけ、チャレンジして行かなくてはならない。

イルミナ ということは、ミーターさん、その最古の星、いわゆる「アタカナ」というのは、まさか今では人類住居不可能な星なのかも知れませんね!

ミーター う~ん。そうだとすると、非常に痛恨極まりない。ホントに残念なことだ。
 しかし、もし、そうだとするとその星を見つけたとしても、その地表に降り立つのは困難ということか?その放射能の程度にもよるが、ある程度以上だとすると、ロボットでも数時間内に機能が全部破壊されてしまう。

イルミナ 難問山積みねぇ!

Photo は放射能で焼けただれた地球。ミーターの時代には、悲愴にもその事実も忘却の彼方へ。


ミーターの大冒険 第四部 コンポレロン 第4話 「ジャーナリスト」

2022-06-02 04:48:38 | ミーターの大冒険
116ミーターの大冒険 第四部 コンポレロン 第4話 「ジャーナリスト」

あらすじ
 ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は、シンナの軌道上、カルガン以来、初めての惑星探索を果たした。はじめはドローンで、そしていよいよ、ミーターは地表に到達し、人間社会にも扮装して紛れ込んだ。人間たちは、透明なドームの鋼鉄都市に住みはじめていた。それはトランターの繁栄した時代のような外界の宇宙空間から身を守るような形態であって、ターミナスやその周辺星域の惑星とは異なっていることに二人(?)はいわゆる懐古趣味というような違和感をおぼえた。さらに、コンパーやジスカルド・ハニス、オリンサスの縁故がいないのには何故か落胆したが、ミーターの洞察力はにわかに鋭さを増していく。
 ミーターの鋭い質問に怯えたり、避けたり、拒否するコンポレロンの人々に、あるものの影を感じたのであった。不死の従僕の呪縛が、セッツラー最初の移民惑星コンポレロンに強烈にかかっているのを察知したからであった。
 それに、故郷の星の忌まわしい出来事にも関係があるらしい。
 ミーターは、その人物(?)が、ハリ・セルダンの友人であったとされるチチェッター・ヒューミンたる人物に思い当たった。
 ミーターはイルミナの長いデータ説明にすぐ口を挟んで、問題の中心に切り込んで行く。

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イルミナ ミーターさん、「ジャーナリスト」とはね、一般的に言って、「放送記者」などであって、メディアに社会の時事をレポートしたり、それに主観を加えたライター、その編集をするエディター、などの総称を言うのよ。いつの世でも大衆の側に立って、時代の風潮をよく読み、批判的精神をもって政治全般のあるべき理想を提言もする職業を言うわね。

ミーター アルカディアのお父さん時代に、そのお父さん(トラン・ダレル)博士の極く親友で夜な夜な会のメンバーの一人に、ヴィジ・キャスターのジョウル・ターバーがいた。ずんぐりして唇の厚い、一見して醜男(ぶおとこ)に見えたものだったが、当時ターミナスでは誰でも知っているジャーナリストであった。彼の政府批判は人気があった。
 ジョウル・ターバーの源泉は何処にあったか?アルカディアは知っていたんだ。彼は、なんとあのベイル・チャニスの弟子だったんだ。チャニスがコンポレロンで老後を安楽に過ごした時のね。そして不思議にもジョウル・ターバーの弟子がジスカルド・ハニス。チャニスの孫の。

イルミナ 何か面倒臭い関係ね。こんがらがるわね。じゃあ、もっと簡単にそのマジックの技というシロモノを解いてくださらない!

ミーター まだわからないのか?そのからくりは、全部、あの「不死の従僕」のせいさ。コンポレロンとの深い関係から考えるとだね!
 ハリ時代のチェッター・ヒューミン。彼は、時の宰相、エトー・デマーゼルの仮の姿。ハリ・セルダンを誘導し、影で支えたR ・ダニール・オリヴォーそのもの。
 あらゆるデータから蓋然的に俯瞰すると、おおよそ13000年前に彼は天の川銀河の「歴史消滅」を敢行した。その理由について確固とした理由を突き止めなければならない。

イルミナ まあ!つまるところねぇ、ミーターさん。ここコンポレロンの痕跡を探せば、オーロラに辿り着くっていうことなのね?

ミーター まあ、そんなところだ!「消去の達人」の正体が。そしてコンポレロンからシリウス星系に向かって、その先にオーロラがあると考えるのが妥当だ。そしてその先に目指すアタカナがあると思いたいね。


ミーターの大冒険 第四部 コンポレロン 第3話 「コンポレロンの真相」

2022-06-02 01:39:17 | ミーターの大冒険
ミーターの大冒険 第三部 コンポレロン 第3話 「コンポレロンの真相」

あらすじ
 ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は、シンナの軌道上、カルガン以来、初めての惑星探索を果たした。はじめはドローンで、そしていよいよ、ミーターは地表に到達し、人間社会にも扮装して紛れ込んだ。人間たちは、透明なドームの鋼鉄都市に住みはじめていた。それはトランターの繁栄した時代のような外界の宇宙空間から身を守るような形態であって、ターミナスやその周辺星域の惑星とは異なっていることに二人(?)はいわゆる懐古趣味というような違和感をおぼえた。さらに、コンパーやジスカルド・ハニス、オリンサスの縁故がいないのには何故か落胆したが、ミーターの洞察力はにわかに鋭さを増していく。

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イルミナ ミーターさん、正直言って、この星、植民地惑星連合の最初期の惑星というからして、退化しているとしか思えませんね。なによ、故郷の、最古の星の確実な手がかりが得られるとばかり思っていたのに、残念ね。

 ミーターさん、よ~く思い出してよ。なにかしらあるんじゃない?

ミーター イルミナ、それが、町の住民と接触した限りでは、皆無だ。
 というより、なにやら、それを訊くことが悪いことのように、訊くと、誰でもがビックリした様子で、話題を変えるんだよ。
 途方にくれるばかりだった。
 イルミナ、どうしたらいいか、妙案はないのか?

イルミナ そういうのを逆反応っていうんじゃなかった。タブーって言うことね。このままおめおめと諦めて、どうするんです、名探偵 R 殿!

ミーター 今、「逆反応」って言ったよな?
逆反応か?なるほどねぇ!シャーロック・ホームズばりに展開すればだよ、第1の「逆反応」とは知人・縁故の消失。第2の「逆反応」とやらは、もっとリアルだ。反常識の意識過剰症候群だ。一番も二番も爪痕残している。う~む、怪しい!

イルミナ お見事ね、探偵先生。流石、アルカディア仕込みのシャーロック・ホームズ様。そして天下のジャーナリスト、ジスカルド・ハニスの一番弟子ってことね!ジャーナリズムか!う~む、なるほど、なるほど。

ミーター またもや誉め殺しじゃないのか?実はねぇ、この汚染というか、「最古の星、無関心病」に感染した風潮に反して、「懐疑主義」という少数グループがいて、彼らの主張がね、おおむね、「コンポレロンはセッツラー(植民地運動グループ)の最初の星だったので、ある者の「歴史記録消滅」のバリアーが全銀河で一番強く効いている。」というふうに言っているらしい。

イルミナ じゃあ、ミーターさん、その意図的に操作している犯人というのは、まさか、あの疑惑の、あのまさかの「消去の達人」のあの人(?)!

ミーター そう推測する他ないかも知れない。イルミナ、ハリ・セルダンの当時、彼の友人であったとされるチャッター・ヒューミンたる人物のデータをくれたまえ。

イルミナ 承知!

鏡のなかのSelf

2022-06-02 01:28:57 | 華麗なアスリートたち
ルイス=アリスは鏡の世界で何を見つけるのか
チェスのルールにしたがっていては
意味のない答えを見つけることになってしまうのではないか

人類誕生から伝わってきた尊い託宣
「汝 自身を知れ」
今でもデルフォイの神殿はわれわれの回りの至るところにある

孫子もまた人類の生存には 
敵を知ることと己を知ることが必須の要諦であると説いた

今 コロナに対峙するワレラにとっても
今 戦争の神の託宣を否応なしに受けとめればならないワレラにとっても

真の敵は 
まさに自分自身であるということを学ぶに然り

https://youtu.be/hNehQ8GOin8

yatcha john s. 「鏡のなかの self 」