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仏語、英語学習者。アイザック・アシモフのファン。ノース・ホワイトヘッド思想信奉。縄文志向、仏陀志向。

ミーターの大冒険  第二部  イルミナ  第1話  Into the deep  space 

2022-10-05 19:47:54 | ミーターの大冒険
89第1話Into the deep space
ミーターの大冒険 
第二部 
イルミナ 
第1話 

Into the deep space



あらすじ

 アルカディアが81歳で亡くなった。
 
 ハニスの直感とミーターの柔軟性のある論理思考が冴え渡る。「微細心理歴史学」、「極素輻射体」、「ロボット第零法則」の真実理解までも到達した。後は、オリンサス・ダムの図書館改造とファー・スター号の改造を待つだけ。
 
 ハニスは、いよいよ銀河復興への第一歩が胎動して来たとの予感を感じるのであった。それはドースの盟主の思惑なのであろうか、ハニスに戦慄がはしる。彼は今や、通常人間の世界には許されてない限界点を超えようとしている。
 ハニスは、イオス星でドース・ヴェナビリに会い、続いて、かつて天の川銀河の中央、中心都市、トランターに降り立った。果たして、彼ら(第2ファウンデーション)の感応能力によって、ハニスへの干渉のボーダーラインは、どの地点に設定されたのであろうか?ハニスの記憶はどこまで、どのように保持されるのであろうか?ハニスはアルカディアに続いて、単独人としてのボーダーラインに立っている。
 
 ついにハニスは、第2ファウンデーションの第一発言者に会った。壮大な宇宙史が解き明かされて圧倒される。そこでハニスの探索は終わる。暗示されていた「反ミュール」には遭遇能わず。しかしハニスはこの成功をミーターへの土産としてターミナスに凱旋した。

 ジスカルド・レベントルフ、ダニール・オリヴォー、そしてミーター・マロウ(ダレル)。第零の法則を遵守するロボットたちの活躍を思って、ハニスは、自分の命を、ミーターに捧げる決意をする。それは、第零の法則を信奉する人間を造り出す道に進むことだと悟ったのである。人間が、新しい銀河をつくらねばならないからである。ミーターは、そのハニスの志しを心からありたがるのであった。

 ハニスは第2ファウンデーションが「反ミュール」との共鳴を受容しつつ、銀河の再興の時を予見しているのを確認して来た。あとの課題は、第一ファウンデーション(ターミナス)の方向性だけだ。

 ハニスは政治家を目指す。しかし、これが熾烈な難問になる。政府当局が彼ら3人組に気がつきはじめて来たからだ。
 ハニスが主導する「銀河再生党」はハーラ・ブラノ率いる「ターミナス第一」に惨敗した。ミーターとアルカディアを模したチクタク(単純型ロボット)を駆使して、アルカディアの人気を裏手に使った。

 そこでハニスはミーターからの進言で、イフニアへの遷都案を決意するが、...

 一方、オリンサス・ダムは、持病の心臓病が悪化する。3人組の運命や如何に?

 ハニスは、例のコンパーを図書館の執務室に訪ねた。コンパーが、第2ファウンデーションのスパイであったことに驚愕する。

 コンパーが、アルカディアの館のミーターを訪ねる。コンパーは、ファー・スター2世号を完成させて、ミーターの地球探索の出発を薦める。ミーターは承諾するのであったが、コンパーの態度に一抹の不安を感じるのであった。大枠では、承知するものの、他に何かあるような気配を感じるのであったが、ハニスのことばで、ミーターは旅立ちを決意する。

 ハニスは、彼の主導する「銀河再生党」が非合法化され、イフニアで地下組織として活動を継続することになったことを告げる。

 いよいよミーターは完成されたファー・スター2世号に乗り込むのだったが...

 ハニスはミーターの旅立ちを見送る。彼自らは、ブラノ、コデルたちに対抗する新たな策の実行に移る。「無謬の直感力」の青年と「証古学」を極めているという青年、二人を探し出すことにまず専念する。

 ミーターはファー・スター2世を一気に加速させ、ジャンプを繰り返し、目指す地球(アタカナ)に到達しようとしていた。

 ターミナスから発進したファー・スター2世号にはヴァーチャル・リアリティーの若い女の子が投影され、ミーターに親しく語りかけてきた。ターミナス帝国辞書編纂図書館そのものと自己紹介してきた。彼女は、その図書館のイルミネーショナー(愛称、イルミナ)と自ら言う。
 が、突然の事故が勃発した。

89
ミーター 君って、「帝国辞書編纂図書館」っていう名前じゃ呼びづらいけど、もっと簡単な名前にできないのか?

イルミナ そうですね。ミーターさん。もうこの銀河に帝国なんて存在してないのに、自分でもおかしいと思っていたところなんですね。自分自身はターミナスの地下にいるのに、バーチャルコントロールで可愛い女の子の姿で男の子Rの前に映っているんですから。じゃあ、うんとねえ、わたしのこと、「イルミナ」って呼んでね。
 わたしね、この銀河空間深く、しかもターミナスから離れて自由に翔ぶのが夢だったの。

ミーター イルミナ。君もこの改造スペース・ワゴンの操縦、上手いもんだね。これじゃ、アルカディアの遺言、簡単にクリアできるってもんだね。楽勝!

イルミナ ミーター。そもそもまだ「わたしたち」の目的、目的地、聞いてないんだけど?

ミーター イルミナ。今なんて言った?「わたしたち」?

イルミナ いけない? あなたも一人っていうのも変じゃない?一台っていうのが正しいんじゃないの?
 それに、あなたって、Rの癖に元のボスのアルカディアがいなくて寂しがっているんですからね。

ミーター そうかも。それじゃ、とりあえず、そういうことにしようぜ。目的地は、君のデータからは「アタカナ」星。シリウス星域の「カビレ」の第三惑星。ホントの名前は別にあるらしいんだがね。目的はその星の「再生」を探ること。できるだけやってみたいんだ。なんたってアルカディアの悲願だったからね。

ミーター イルミナ、聞いてるのか?

イルミナ ミーターさん、大変!前方に超新星爆発を起こしてる恒星に近づき過ぎてしまったわ!
 (ことわっておくが、その星は地球から624.5光年離れたオリオン座のベテルギウスであった。この時点ではこの超新星爆発を起こした星の名をミーターは知らない。再度地球に向かう際にわかることとなる。)
 その真っ只中に入ってしまったらしいわ!この船、ガンマ線バーストの直撃で破壊されそうなの!

ミーター さっきの発言、撤回。
 おまえって最低!

yatcha john s.


ミーターの大冒険  エピローグ  第21話  ハニスの運命・ミーターの旅立ち・別動隊

2022-10-05 00:53:02 | ミーターの大冒険
89第21話ハニスの運命・ミーターの旅立ち・別動隊
ミーターの大冒険 
エピローグ 
第21話 
ハニスの運命・ミーターの旅立ち・別動隊

あらすじ

 アルカディアが81歳で亡くなった。
 
 ハニスの直感とミーターの柔軟性のある論理思考が冴え渡る。「微細心理歴史学」、「極素輻射体」、「ロボット第零法則」の真実理解までも到達した。後は、オリンサス・ダムの図書館改造とファー・スター号の改造を待つだけ。
 
 ハニスは、いよいよ銀河復興への第一歩が胎動して来たとの予感を感じるのであった。それはドースの盟主の思惑なのであろうか、ハニスに戦慄がはしる。彼は今や、通常人間の世界には許されてない限界点を超えようとしている。
 ハニスは、イオス星でドース・ヴェナビリに会い、続いて、かつて天の川銀河の中央、中心都市、トランターに降り立った。果たして、彼ら(第2ファウンデーション)の感応能力によって、ハニスへの干渉のボーダーラインは、どの地点に設定されたのであろうか?ハニスの記憶はどこまで、どのように保持されるのであろうか?ハニスはアルカディアに続いて、単独人としてのボーダーラインに立っている。
 
 ついにハニスは、第2ファウンデーションの第一発言者に会った。壮大な宇宙史が解き明かされて圧倒される。そこでハニスの探索は終わる。暗示されていた「反ミュール」には遭遇能わず。しかしハニスはこの成功をミーターへの土産としてターミナスに凱旋した。
 ジスカルド・レベントルフ、ダニール・オリヴォー、そしてミーター・マロウ(ダレル)。第零の法則を遵守するロボットたちの活躍を思って、ハニスは、自分の命を、ミーターに捧げる決意をする。それは、第零の法則を信奉する人間を造り出す道に進むことだと悟ったのである。人間が、新しい銀河をつくらねばならないからである。ミーターは、そのハニスの志しを心からありたがるのであった。
 ハニスは第2ファウンデーションが「反ミュール」との共鳴を受容しつつ、銀河の再興の時を予見しているのを確認して来た。あとの課題は、第一ファウンデーション(ターミナス)の方向性だけだ。
 ハニスは政治家を目指す。しかし、これが熾烈な難問になる。政府当局が彼ら3人組に気がつきはじめて来たからだ。
 ハニスが主導する「銀河再生党」はハーラ・ブラノ率いる「ターミナス第一」に惨敗した。ミーターとアルカディアを模したチクタク(単純型ロボット)を駆使して、アルカディアの人気を裏手に使った。
 そこでハニスはミーターからの進言で、イフニアへの遷都案を決意するが、...
 一方、オリンサス・ダムは、持病の心臓病が悪化する。3人組の運命や如何に?
 ハニスは、例のコンパーを図書館の執務室に訪ねた。コンパーが、第2ファウンデーションのスパイであったことに驚愕する。

 コンパーが、アルカディアの館のミーターを訪ねる。コンパーは、ファー・スター2世号を完成させて、ミーターの地球探索の出発を薦める。ミーターは承諾するのであったが、コンパーの態度に一抹の不安を感じるのであった。大枠では、承知するものの、他に何かあるような気配を感じるのであったが、ハニスのことばで、ミーターは旅立ちを決意する。
 ハニスは、彼の主導する「銀河再生党」が非合法化され、イフニアで地下組織として活動を継続することになったことを告げる。
 いよいよミーターは完成されたファー・スター2世号に乗り込むのだったが...

89
ハニス ミーター君。残念だが一時撤退だ。挽回する策が全部潰された。我が党「銀河再生党」は非合法にされ、旧党員も連行されると通報を受けた。これからイフニア行きの航宙船に密航する。イフニアで地下グループを組織する。今、コンパー君と連絡を取り合っていたところだ。コデルの奴らが俺のアジトを取り囲み、俺はすんでのところで脱出して来たんだよ。

ミーター なんですって!ハニスさん、ほかに何か方法があるのでは?残念で悔しいです。

ハニス コンパー君によれば、君には累は及ばない。それで少しは安心した。ところで ...

 というより、君にはこの場所をしばらくの間、留守にしてもらう。俺の再起が遅れ、君がこの場所に戻って来るのが早かったら、俺の加勢に来てくれてもいい。
 実に、アルカディアと君の悲願を達成出来ないで申し訳ない。
 しかしコンパー君の計らいで、別の策を立てることになった。それはセルダン博士に見習って、敵の裏の裏をかく戦法なんだ。
 俺は、イフニアに潜伏して、ターミナスのコンパー君と連絡を取り合って、それを進める。
 君は、ファー・スター2世号に乗り込んで、別動隊の下準備の旅をしてもらう。そのスペース・ワゴンはターミナス五百年の知恵が詰まった超高性能の航宙船だ。亡きオリンサスさんの置き土産の。

ミーター なんですって?そういうことは、あれですね!

ハニス そうだ。銀河百科辞典編纂図書館の全データの移送が完了し、もう一段階上の機能が加わった。
 もうじきこの館の上にファー・スター2世号が来る。君は完全自動のその船に乗るだけでいい。
 いよいよその時だ。「故郷の星」までひとっ飛びだ。心配するな。

ミーター ハニスさんは僕と一緒に行かないのですか?

ハニス 俺には、やることがある。これもコンパー君の考えだ。「無謬の直感力」の青年を探す。そしてもう一人、「故郷の星」に魅せられた、ほとんど気違い歴史家。彼は「証古学」とやらの亡者らしい。

ミーター 二人の人間?それが別動隊ということなんですね、ハニスさん!!

https://youtu.be/fyrUwHdgLfY

  
yatcha john s.


ミーターの大冒険  エピローグ  第20話  ムン・イ・コンパー

2022-10-04 05:09:11 | ミーターの大冒険
88第20話ムン・イ・コンパー
ミーターの大冒険 
エピローグ 
第20話 
ムン・イ・コンパー

あらすじ

 アルカディアが81歳で亡くなった。
 
 ハニスの直感とミーターの柔軟性のある論理思考が冴え渡る。「微細心理歴史学」、「極素輻射体」、「ロボット第零法則」の真実理解までも到達した。後は、オリンサス・ダムの図書館改造とファー・スター号の改造を待つだけ。
 
 ハニスは、いよいよ銀河復興への第一歩が胎動して来たとの予感を感じるのであった。それはドースの盟主の思惑なのであろうか、ハニスに戦慄がはしる。彼は今や、通常人間の世界には許されてない限界点を超えようとしている。
 ハニスは、イオス星でドース・ヴェナビリに会い、続いて、かつて天の川銀河の中央、中心都市、トランターに降り立った。果たして、彼ら(第2ファウンデーション)の感応能力によって、ハニスへの干渉のボーダーラインは、どの地点に設定されたのであろうか?ハニスの記憶はどこまで、どのように保持されるのであろうか?ハニスはアルカディアに続いて、単独人としてのボーダーラインに立っている。
 
 ついにハニスは、第2ファウンデーションの第一発言者に会った。壮大な宇宙史が解き明かされて圧倒される。そこでハニスの探索は終わる。暗示されていた「反ミュール」には遭遇能わず。しかしハニスはこの成功をミーターへの土産としてターミナスに凱旋した。
 ジスカルド・レベントルフ、ダニール・オリヴォー、そしてミーター・マロウ(ダレル)。第零の法則を遵守するロボットたちの活躍を思って、ハニスは、自分の命を、ミーターに捧げる決意をする。それは、第零の法則を信奉する人間を造り出す道に進むことだと悟ったのである。人間が、新しい銀河をつくらねばならないからである。ミーターは、そのハニスの志しを心からありたがるのであった。
 ハニスは第2ファウンデーションが「反ミュール」との共鳴を受容しつつ、銀河の再興の時を予見しているのを確認して来た。あとの課題は、第一ファウンデーション(ターミナス)の方向性だけだ。
 ハニスは政治家を目指す。しかし、これが熾烈な難問になる。政府当局が彼ら3人組に気がつきはじめて来たからだ。
 ハニスが主導する「銀河再生党」はハーラ・ブラノ率いる「ターミナス第一」に惨敗した。ミーターとアルカディアを模したチクタク(単純型ロボット)を駆使して、アルカディアの人気を裏手に使った。
 そこでハニスはミーターからの進言で、イフニアへの遷都案を決意するが、...
 一方、オリンサス・ダムは、持病の心臓病が悪化する。3人組の運命や如何に?
 ハニスは、例のコンパーを図書館の執務室に訪ねた。コンパーが、第2ファウンデーションのスパイであったことに驚愕する。

 コンパーが、アルカディアの館のミーターを訪ねる。コンパーは、ファー・スター2世号を完成させて、ミーターの地球探索の出発を薦める。ミーターは承諾するのであったが、コンパーの態度に一抹の不安を感じるのであった。大枠では、承知するものの、他に何かあるような気配を感じるのであった。

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コンパー ミーター君、ハニスさんの留守中、ごめん。ぜひ、ラベンダーの館に来たくてね。オリンサスさんのことは残念でした。それから、君をだいぶみくびっていたようで、あやまりたくってね。もう一つ、ターミナスにいる以上、アルカディアの面影に会いたくてね。なにしろ彼女のことはあまり知らないからね。彼女は銀河復興のシンボルであり、彼女の心意気を知ることは、これからの僕らの活動の支えになるに違いないからね。

 もう一つ、オリンサスさんが息を引き取る前に、あなた方へ言伝てをする約束をした。ミーター君に、直接伝えないといけないと思ったからね。君はオリンサスさんによってつくられたと聞いている。
 それから、今銀河図書館のバーチャル機能改造に取り組んでいるのは知っているよね。君をよく知れば、オリンサスさんの手法の参考になると思ってね!
 ハニスさんから聞いている銀河復興の時が近づいてる。銀河復興の糸口は故郷の星に行くことから始まるってね。僕にも、ちょっとだけ力になれるかも知れないと思った。小さい時父から聞いたことを思い出してね。
 まず、それはね、ちょうど銀河の反対側に大きく輝くカノープスやシリウスという恒星のあるシリウス星系のことなんだ。そこに行くのに、シンナックスを経由するのが一番近い。そのシリウス星系にオーロラという故郷の星の候補があるらしい。その他にも、その候補地は数多くある。
 しかし、従来言われているような、ジョーダン、オビジャン、クォミルやラメットという学者の文献では、不明確なんだよ。

ミーター 待って下さいよ。そう藪から棒に言われても、それと、オリンサスさんの伝言となんの関係があるというのですか?オリンサスさんは、その故郷の星がどこにあるか知っていたと言うのですか?知っていたのに、以前は黙っていたというのですか?

コンパー ミーター君、誤解しないで欲しい。僕が知っていたのですよ。それをオリンサスさんに話した。オリンサスさんは、それを君たちに話したかったんだ。でも伝えるのに命がもたなかったんだ。

ミーター あなたが知っている、と言うのですね。
どういう風に。

コンパー シンナックスの先にガイアがある。その向こうにコンポレロンがある。僕の父の故郷。コンポレロンの向こうにあるのが。セーシェル、その先がオーロラ、そしてアルファ。シンナックスの先がシリウス星系だ。
 僕は父から聞いている。人類の故郷は、きっとシリウス星系にあるってね。

ミーター ああ、そういうことなら、アルカディアやハニスさんからも聞いていますよ。

コンパー しかしね、探索の旅に出て行かなくては、何も始まらないのでは?ミーター君。

ミーター そうは言っても、航宙船がない。

コンパー やっと完成したよ。ファー・スター2世号。
 君がコントロールする。探査装置は完璧だ。

ミーター コンパーサん。いつ、どうやって。ハニスさんと一緒にですか?


ミーターの大冒険  エピローグ  第19話  ルイス・ピレンヌの銅像の下で

2022-10-02 23:58:54 | ミーターの大冒険
87第19話ルイス・ピレンヌの銅像の下で
ミーターの大冒険 
エピローグ 
第19話 

ルイス・ピレンヌの銅像の下で


あらすじ

 アルカディアが81歳で亡くなった。
 
 ハニスの直感とミーターの柔軟性のある論理思考が冴え渡る。「微細心理歴史学」、「極素輻射体」、「ロボット第零法則」の真実理解までも到達した。後は、オリンサス・ダムの図書館改造とファー・スター号の改造を待つだけ。
 
 ハニスは、いよいよ銀河復興への第一歩が胎動して来たとの予感を感じるのであった。それはドースの盟主の思惑なのであろうか、ハニスに戦慄がはしる。彼は今や、通常人間の世界には許されてない限界点を超えようとしている。
 ハニスは、イオス星でドース・ヴェナビリに会い、続いて、かつて天の川銀河の中央、中心都市、トランターに降り立った。果たして、彼ら(第2ファウンデーション)の感応能力によって、ハニスへの干渉のボーダーラインは、どの地点に設定されたのであろうか?ハニスの記憶はどこまで、どのように保持されるのであろうか?ハニスはアルカディアに続いて、単独人としてのボーダーラインに立っている。
 
 ついにハニスは、第2ファウンデーションの第一発言者に会った。壮大な宇宙史が解き明かされて圧倒される。そこでハニスの探索は終わる。暗示されていた「反ミュール」には遭遇能わず。しかしハニスはこの成功をミーターへの土産としてターミナスに凱旋した。
 ジスカルド・レベントルフ、ダニール・オリヴォー、そしてミーター・マロウ(ダレル)。第零の法則を遵守するロボットたちの活躍を思って、ハニスは、自分の命を、ミーターに捧げる決意をする。それは、第零の法則を信奉する人間を造り出す道に進むことだと悟ったのである。人間が、新しい銀河をつくらねばならないからである。ミーターは、そのハニスの志しを心からありたがるのであった。
 ハニスは第2ファウンデーションが「反ミュール」との共鳴を受容しつつ、銀河の再興の時を予見しているのを確認して来た。あとの課題は、第一ファウンデーション(ターミナス)の方向性だけだ。
 ハニスは政治家を目指す。しかし、これが熾烈な難問になる。政府当局が彼ら3人組に気がつきはじめて来たからだ。
 ハニスが主導する「銀河再生党」はハーラ・ブラノ率いる「ターミナス第一」に惨敗した。ミーターとアルカディアを模したチクタク(単純型ロボット)を駆使して、アルカディアの人気を裏手に使った。
 そこでハニスはミーターからの進言で、イフニアへの遷都案を決意するが、...
 一方、オリンサス・ダムは、持病の心臓病が悪化する。3人組の運命や如何に?

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(全文 オリンサス・ダムのコンパーを通してのハニス、ミーターへの走り書き)

 ハニス君、残念ながら、私個人では銀河百科辞典編纂図書館のイルミネーショナー化の完成は、諦めらめるしかなくなったようだ。
 昨日持病の心臓発作が悪化した。薬は、もう効かなくなってる。すまんが、アルカディアやミーターとの約束も果たせないようだ。この前の選挙で、「ターミナス第一」の圧勝のせいで、それまで一般図書館利用者を装って、内部システムの改善作業を続けて来たが、それが急に頓挫してしまった。当局の知られるところとなってしまったのだよ。とくに市長の側近のリオノ・コデルは私をアルカディアの身内であると見破ったんだ。当然の如く、彼らの反抗分子は、駆逐される。
 ところが、幸いにも、君も知っている、あのルイス・コンパーの息子が辞典広場のルイス・ピレンヌ博士の銅像の下で倒れていた私を拾いあげて救ってくれた。
 彼は銀河の遥か反対側から最近やって来て、ターミナスとの同盟関係のつてを使って、図書館員として採用されたらしい。
 ところが私の感じでは、彼には妙な一般人にない特殊な能力があって、回りの人たちをコントロールする力があるみたいなんだよ。
 その彼に、私の代わりに、その仕事を完成してもらいたいと申し出たら、驚くことに彼は難なくそれを快諾してくれたのだよ。奇妙な出来事のようにも思うのだがね。
 この手紙が君に届く頃には、もう私はこの地上では息をしていないと思うが、少しだけ、彼の話が、驚きであった理由を君に伝えたいと思うのだが、おそらく直接話が出来ないことを残念に思う。

https://youtu.be/lvwVpe2NGd8

Joaquim António de Aguiar(1792~1874 ポルトガル コインブラ)の像
本文のルイス・ピレンヌのように見えたので、借用させて頂きました。


ミーターの大冒険  エピローグ  第18話   首都移転の策

2022-09-29 21:05:53 | ミーターの大冒険
86第18話首都移転の策
ミーターの大冒険 
エピローグ 
第18話
 
首都移転の策

あらすじ

 アルカディアが81歳で亡くなった。
 
 ハニスの直感とミーターの柔軟性のある論理思考が冴え渡る。「心理歴史学」の権威のハリ・セルダンを唸らせた、地球探査の報告書を携え戻ったガール・ドーニックの真実発見とはなんだったのか?「微細心理歴史学」という真理なのか?ベイタ・ダレルが、ガールの見解を正確に踏襲していた、ということなのか?ミュールの必然性とは?ますます展開が際立って来たようだ。
 そしてその究極的謎の究明には、「極素輻射体」、「ロボット第零法則」の理解までも到達した。
 
 ハニスは、いよいよ銀河復興への第一歩が胎動して来たとの予感を感じるのであった。それはドースの盟主の思惑なのであろうか、ハニスに戦慄がはしる。彼は今や、通常人間の世界には許されてない限界点を超えようとしている。
 ハニスは、イオス星でドース・ヴェナビリに会い、続いて、かつて天の川銀河の中央、中心都市、トランターに降り立った。果たして、彼ら(第2ファウンデーション)の感応能力によって、ハニスへの干渉のボーダーラインは、どの地点に設定されたのであろうか?ハニスの記憶はどこまで、どのように保持されるのであろうか?ハニスはアルカディアに続いて、単独人としてのボーダーラインに立っている。
 
 ついにハニスは、第2ファウンデーションの第一発言者に会った。壮大な宇宙史が解き明かされて圧倒される。そこでハニスの探索は終わる。暗示されていた「反ミュール」には遭遇能わず。しかしハニスはこの成功をミーターへの土産としてターミナスに凱旋した。
 ジスカルド・レベントルフ、ダニール・オリヴォー、そしてミーター・マロウ(ダレル)。第零の法則を遵守するロボットたちの活躍を思って、ハニスは、自分の命を、ミーターに捧げる決意をする。それは、第零の法則を信奉する人間を造り出す道に進むことだと悟ったのである。人間が、新しい銀河をつくらねばならないからである。ミーターは、そのハニスの志しを心からありたがるのであった。
 ハニスは第2ファウンデーションが「反ミュール」との共鳴を受容しつつ、銀河の再興の時を予見しているのを確認して来た。あとの課題は、第一ファウンデーション(ターミナス)の方向性だけだ。
 ハニスは政治家を目指す。しかし、これが熾烈な難問になる。政府当局が彼ら3人組に気がつきはじめて来たからだ。

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ミーター ハニスさん、当選三回目、おめでとうございます!でもだいぶ浮かない顔ですね。
 
ハニス ミーター君、実は喜んではいられない状況なんだよ。我が「銀河再生党」は惨敗した。残るは俺を含めて三人になってしまった。相手の「ターミナス第一」は九割取った。
 俺らが望んだ、銀河復興は頓挫したも同然だ。くやしい限りだ。第二ファンデーションやドースさんには顔向けができない。
 あの鉄面ハーラ・ブラノは恐るべき女傑だ。油断できない。もう少しで第二ファンデーションとの連携が成功しようとした矢先だったというのにな。
 
ハニス 実はハニスさん、あなたがイフニアに遊説中、彼女が突然、ここを訪れて、気色悪く、僕を観察したんです。僕のこと、チクタクとか呼んでいました。僕は「僕にもちゃんと名前がありますよ。R・ミーター・ダリル(マロウ)って言うんです」と返してあげました。

 道理で。彼女はそれ以来、新な戦略で彼女の党を有利にしたんだ。アルカディアさんに似せたチクタクを二万体もターミナス全土の路上に行進させ、あたかも彼女がアルカディアの威光の代理人だと言うように。卑怯な手を使いやがる。
 その実、アルカディアとは真反対な権威主義で独裁者であるにもな。

 銀河復興の担い手の第一ファンデーションがこの様(ざま)では、我らの念願はハッキリ頓挫したというものだ。
 彼女の政策は銀河全域への援助中止ときている。嘆かわしい限りだ。
 ミーター君、彼女をひっくり返す妙案はないのだろうか?

ミーター ハニスさん、そんなに弱気でどうしたんですか。
 う~、妙案ですか?
 え~と、ですね。
 例えば、トランター帝国が衰退したあとは、銀河の中心はネオ・トランターに移り、そのまた後は、カルガンに移りました。そんな具合で、「首都移転」なんてどうでしょう!

ハニス う~、妙案かもしれない。モーブでは銀河の端過ぎる。もっと銀河中央に位置するイフニア星がいいか。俺の勝手知ってる世界だからな。
 ミーター君のアイデア、頂こうとするか。
 これで挽回できるかもな。

イフニアの三連太陽 想像図

#ジスカルド・ハニス♯ミーター・マロウ(ダレル) #自由銀河党♯ターミナス第一♯ハーラ・ブラノ♯チクタク♯イフニア♯ネオ・トランター