…不意に、モン族。
「縄文時代の末期の頃、或いは弥生時代の最初期に稲作農耕営む種族が日本島に、おそらく揚子江の南のあたりから渡来した。この種族の社会は母系的で、この社会では夫婦は別居し、訪婚が行われ、子女は母のもとで成育した。アマテラス日女神を主神とする神話や宗教は、本来はこの種族に固有のものであった。この日女神の弟に乱暴なスサノオという神があり、彼の暴行によって日神は洞窟に隠れる。このために世の中は闇となり妖事が起こる。神々は踊ったり、鶏を鳴かせて、日女神を再び外に誘い出すという有名な神話がある。これは日蝕神話で、中国の苗族(びょうぞく)、東南アジアのアウストロアジア語を話す諸種族に分布している」
以上は、岡正雄=著『異人その他』(言叢社)の中に収められている論文『日本民族の種族史的形成(昭和33年)』からの抄出で、《アウストロアジア系稲作民》に関する記述です。ここには、天皇の祖神であるアマテラスの《天の岩屋戸》と同様の話が、中国の《苗族》にも存在するとあります。この苗族とは、中国南部・タイ北部・ビルマ・ラオス・ベトナムの山地に住む山岳民族で、一般にはミャオ族と呼ばれていますが、彼らは自分たち民族を《モン族》と呼ぶ。そう、映画『グラン・トリノ』(2008/米)に出て来た、あの隣家の民族だ!
■『グラン・トリノ』 (2008年/米) クリント・イーストウッド監督
クリント・イーストウッドは喜寿を迎えて、岡倉天心が『茶の本』(1906年)で唱えた《生の術》を会得したかのようです。『グラン・トリノ』では、彼が今まで描いて来た世界とは明らかに異なった思想的な転換が見られます。暴力の放棄です。「火を火で消せない」とは、ダライ・ラマ法王の言葉ですが、日本国憲法第九条「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」へも通じています…。
「縄文時代の末期の頃、或いは弥生時代の最初期に稲作農耕営む種族が日本島に、おそらく揚子江の南のあたりから渡来した。この種族の社会は母系的で、この社会では夫婦は別居し、訪婚が行われ、子女は母のもとで成育した。アマテラス日女神を主神とする神話や宗教は、本来はこの種族に固有のものであった。この日女神の弟に乱暴なスサノオという神があり、彼の暴行によって日神は洞窟に隠れる。このために世の中は闇となり妖事が起こる。神々は踊ったり、鶏を鳴かせて、日女神を再び外に誘い出すという有名な神話がある。これは日蝕神話で、中国の苗族(びょうぞく)、東南アジアのアウストロアジア語を話す諸種族に分布している」
以上は、岡正雄=著『異人その他』(言叢社)の中に収められている論文『日本民族の種族史的形成(昭和33年)』からの抄出で、《アウストロアジア系稲作民》に関する記述です。ここには、天皇の祖神であるアマテラスの《天の岩屋戸》と同様の話が、中国の《苗族》にも存在するとあります。この苗族とは、中国南部・タイ北部・ビルマ・ラオス・ベトナムの山地に住む山岳民族で、一般にはミャオ族と呼ばれていますが、彼らは自分たち民族を《モン族》と呼ぶ。そう、映画『グラン・トリノ』(2008/米)に出て来た、あの隣家の民族だ!
■『グラン・トリノ』 (2008年/米) クリント・イーストウッド監督
クリント・イーストウッドは喜寿を迎えて、岡倉天心が『茶の本』(1906年)で唱えた《生の術》を会得したかのようです。『グラン・トリノ』では、彼が今まで描いて来た世界とは明らかに異なった思想的な転換が見られます。暴力の放棄です。「火を火で消せない」とは、ダライ・ラマ法王の言葉ですが、日本国憲法第九条「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」へも通じています…。
はじめまして。紀平と申します。
私は現在「映画ベース」という映画のサイトを開発しており、
是非、映画に関心のある方からの映画のレビューや、
サイトをご利用頂いてのご意見やご感想などを頂きたいと思っております。
「映画ベース」
http://kota.lolipop.jp/eigabase/
まだまだ未熟なサイトではありますが、
面白い映画を見つけられる、そして面白い映画を面白いと言えるサイトに
何としてもしていきたいですので、
どうか「映画ベース」にご登録頂き、
ご覧になった映画の評価やレビューを投稿して頂けないでしょうか?
突然の勝手なお願いではありますが、
一度サイトにお越し頂き、ご利用をご検討頂けますと幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。
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// 映画ベース
// http://kota.lolipop.jp/eigabase/
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// 紀平 光太
// kihira@kota.lolipop.jp
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