映画なんて大嫌い!

 ~映画に憑依された狂人による、只々、空虚な拙文です…。 ストーリーなんて糞っ喰らえ!

タワーリング・インフェルノ

2011年05月03日 | 憑映堂雑記
 …不意に、人災。


     ■『タワーリング・インフェルノ』 (1974年/米) ジョン・ギラーミン&アーウィン・アレン共同監督

 久しぶりに『タワーリング・インフェルノ』を見て、案外、スティーヴ・マックィーンの出番が少なかった事に驚かされた。確かに物語だけをなぞれば、設計士役のポール・ニューマンがメインキャストで、消防隊長役のS・マックィーンはサブキャストとなる。映画本編でも、登場している時間はP・ニューマンの方が長かったのではないか…。ところが見終わった後、S・マックィーンの存在感だけが圧倒的に際立った印象を齎している。驚く事に、この印象だけは、初めてこの作品を見た30年前と全く変わっていない。
 マーティン・バルサム、フレッド・アステア、ジェニファー・ジョーンズは死に体。ウィリアム・ホールデン、ロバート・ボーンは役得。フェイ・ダナウェイ、ロバート・ワグナー、スーザン・ブレイクリーは論外。リチャード・チェンバレンは拾い物。O・J・シンプソンは有罪…(?)。俳優陣からは映画の香りがプンプンと匂い立ってはいたものの、それが全く活かされていなかった事に唖然としながら、こんなにも不出来な作品であったのかと30年の時を経た今、改めて己の見る眼の幼さに赤面すると同時に拍子抜けもした。

 この作品は確かに不出来ではある。しかしながら福島第一原発事故のような予め想定された人災へ、警鐘を鳴らす目的があった事を鑑みれば、例えば『利潤と安全性』といった類の小論文の題材くらいには、今以って積極的に貢献できそうである。敢えてその為に制作された啓発のドラマだと思えば、それはそれでどんなにか贅沢に思える事か。そんな慰め方もあろう…。


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