
これは良いわ。ホワイトビールは好きなのでね。しかし一番搾りの良さはスポイルされてる印象。ブランドネームがでかいから肖ってるんでしょうけどね。
一番搾りが発売された当初、独特の香りと味わいに「好みと合わないなぁ」と感じたものでした。当時、キリンと言えば王道のラガービールを売り続けた果てに、それを前面に打ち出してもきました。ずっとこの国のNo1ブランドだったのにアサヒのスーパードライにその座を奪われ、起死回生の一手として発売したのが一番搾りだったと思います。その動向を横目に特別好まない私でしたが、義父がそれを愛飲してまして。酒にそんな拘りのない人だったのに、これだけは気に入って呑んでたんですよね。必然付き合うと呑むことになって、だんだん馴染んできました。今でも時折思い出しては口実に開けるのが一番搾り。当時色々言われたとは思いますが、結局消費者が認めて今に至るんですよね。永く続いてくれているのは嬉しい事です。
あの後第一次地ビールのムーブメントがあったり、今や様々なビールが季節ごとに生み出される事になりました。後に「アサヒビールの技術者は素晴らしいな」と思うくらい個人的なスマッシュヒットが多かったのも印象に残ってますが、そういう流れの元祖ってスーパードライだったのかもしれませんね。その流れ中で歴史に楔を打ち込む老舗ブランドの新しい銘柄。麦酒史に名を刻み続いているというのはこの国の呑み手の成長を表す事でもあると思いますからね。更に微笑ましい。