江州音頭発祥の地である八日市に「東近江江州音頭会館」(東近江市八日市金屋2丁目)が8月30日、旧八日市保健センター(八日市図書館前)にオープンし、記念式典に参加した関係者約50人は拠点施設の誕生を祝った。
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江州音頭会館は、もう一つの発祥の地・豊郷町にはあり、さらに後進の育成や普及を図るため、以前から八日市における拠点施設を求める声があった。
式典では、東近江江州音頭普及愛好会を代表して三代目真鍮家文好さんが「県内はもとより全国に発祥の地としてアピールし、市の発展に寄与したい」と抱負を述べた。
来賓の小椋正清市長は「魂を注入して後世に伝えることに価値がある。市もしっかり支援するので頑張って欲しい」、西崎彰市議会議長「伝統芸能は市民の手で残すことが大事。世界へ発信されることを望む」、小寺裕雄衆院議員は「開設を契機に江州音頭が広がれば」、高村潔商工会議所会頭は「地域の振興、観光に寄与されることを期待する」、冨田正敏観光協会副会長(滋賀報知新聞社代表取締役)は「会館は継承・普及の石垣的存在。小さいながらも大きな礎になってほしい」とそれぞれ期待を込めた。
この後の実演では、節やお囃子がなく物語を語る浪曲のような舞台芸である「座敷音頭」や、太鼓や鉦(かね)のお囃子と共に節をつけて歌う「棚(櫓)音頭」が披露され、
「ヨイト ヨーイヤマッカ ドッコイサーノセー」の掛け声が響き渡った。
式典は感染予防のため最小限の規模で行われ、音頭の実演はユーチューブやフェイスブックでインターネット配信している。
東近江江州音頭会館
(東近江市八日市金屋2丁目)(旧八日市保健センター)
・開館日: 土・日・祝日の10:00~16:00。入場無料。
・開館日: 土・日・祝日の10:00~16:00。入場無料。
・電話: 050―5801―1169
会館では、音頭取りによる実演や昭和の懐かしい映像記録を見ることができ、踊り手のゆかたの試着も体験できる。
なお、江州音頭とは、幕末の頃、八日市金屋の西澤寅吉(初代櫻川大龍)が、歌の一種である祭文に念仏踊り、歌念仏などを取り入れながら音頭に仕立て、同じ八日市金屋の奥村久左衛門(初代真鍮家好文)の協力を得て完成させたのが江州八日市祭文音頭。これが、各地に広まるにつれて江州音頭として大成した。
<滋賀報知新聞より>