四半世紀にわたって近江鉄道を取材している鉄道フォトライターの辻良樹さん(53)=東近江市佐野町=が12月12日、1948年に休止された旧八日市鉄道の新八日市−御園間の廃線跡をたどるツアーを開く。
近江鉄道線の存続のあり方が議論される中、「簡単に廃線にするのはもったいないという教訓になる」と参加を呼び掛けている。ツアーは、東近江市観光協会主催の企画「ちいさなたびいち」の一環。「軍都の廃線跡“謎解き”散歩」と銘打ち、11月24日にも催された。
辻さんによると同区間は、戦中に近江鉄道と合併した「旧八日市鉄道」が、1930年10月に開業させた。同社は永源寺の近くまで路線の敷設免許を有していたが、資金難などで、当時の陸軍八日市飛行場があった「飛行場駅」までの開通にとどまり、開業後に防諜(ぼうちょう)対策で「御園駅」に改称されたという。
当時の記録では、開業当初こそ飛行場駅から永源寺方面への紅葉狩りが案内され、旅客営業もあったとみられるが、軍用鉄道としての側面が大きく、写真もあまり残っていないという。
ツアーは、現在の新八日市駅から始まり、八日市中野駅があった八日市郵便局周辺、川合寺駅があった東本町の交差点付近、御園駅があった札の辻二丁目の住宅街までの約3kmを2時間ほどかけて歩き、辻さんが時代背景などを解説する。
廃線跡付近は現在、チェーンの飲食店が営業していたり、住宅街を貫く遊歩道が整備されていたりと、住民の生活を支えている。辻さんは「今、ここに鉄道が走っていたら、かなりの利用価値があると思う。鉄道を将来に生かす方向へ考えることが、地域の人口増加にもつながるのでは」と話した。
「軍都の廃線跡“謎解き”散歩」
開催日時: 12月12日(日)10:30 - 13:00
集合場所: 近江鉄道新八日市駅(東近江市八日市清水2丁目10)
行程: 新八日市駅→八日市中野駅(八日市郵便局周辺)→川合寺駅(東本町の交差点付近)→御園駅(札の辻二丁目の住宅街)まで約3km2時間
定員: 5名
参加費: 5000円
ツアーへの申し込み: 原則12月5日まで。(https://chiisanatabiichi.jp/event/32)
問い合わせ: 東近江市観光協会: 0748(29)3920
定員: 5名
参加費: 5000円
ツアーへの申し込み: 原則12月5日まで。(https://chiisanatabiichi.jp/event/32)
問い合わせ: 東近江市観光協会: 0748(29)3920
<中日新聞より>