心に刻んで

雨が降っていた

よりにも寄ってこんな日に

そう、天を恨んだ

最後のグランドに立つ

子供たちの頬には

雨が打ち付けていた



誰もが緊張した面持ちで練習に臨んでいた

いつものように

声をかけることができなかった


プレイボール

主審の声がかかる


また、さらに

緊張感が高まった


新宿後攻

初回

危なげなく無得点で抑える

その裏

相手の硬さもあり1点先制


その裏

相手も一点とり同点


その後

両投手が好投

味方のファインプレーもあり

お互い得点版には

0


6回裏

ヒットから

新宿1点追加

2対1


そして

最終回

新宿、この回抑えれば勝利


気づけば雨が止んでいた


そう、それは一つのエラーから

もし、これが

普通のグランドコンディションなら

球はイレギュラーしなかったかもしれない


かもしれない


7回表終了時

5対2

逆転されていた


新宿最後の攻撃

最後のバッターが空を切った瞬間

歓喜に満ちた顔でグランドに駆け寄る

相手チーム

の陰で

その場に立ちすくむ子供たち


集合の声がかかり

挨拶をしてこちらに振り向いた頬には

涙が落ちていた


こんな瞬間なんかこなければいい


いつも笑いあって

泥だらけで頑張る子供たちが

今日は

顔を真っ赤にして

くしゃくしゃな顔で泣いていた


終わったことを告げていた


試合中

時が止まればいいと思った

大好きなみんなのプレーがずっと見ていたい

ずっと一緒にいたい

そう思った

けど、

そうはいかなかった


当分気持ちの整理がつかないよ

だって

大好きなみんななんだもん


伝えるべき感情が

言葉として出てこない


ただ、

今日の試合

心に刻んだよ


この試合を