人口83万の堺市で市長選挙が告示された。大阪第二の大都市。現職市長と大阪維新の会の元府議の対決。「大阪都」構想の是非が問われる。すでに大阪市の住民投票で決着済みだが大阪維新の会は「争点化」を回避する作戦で挑んでいる。いわく「停滞か、成長か」。古い手法だが、受けを狙っている。市議会第一党の地位を占め、全国動員しているという。ネット上には特設ホームページを設け、嘘も方便と言わんばかりのキャンペーンをしている。
ただひとつ、あれっと思ったことを記す。堺と言えば近頃、仁徳陵古墳(伝)など「百舌鳥・古市古墳群」の世界文化遺産登録決定で話題になった歴史と文化のまちである。中世には「自由・自治都市」を形成した。戦後は臨海部の工業地帯造成やニュータウン造成など大激変したが文化の香りは息づいている。ところが大阪維新のチラシは歴史や文化に悪しざまな姿勢なのだ。「古墳だけでは観光客は呼び込めない」。古い古いと言わんばかりに。
ぼくには堺と言えば一茶のことが浮かぶ。31歳で西国の旅修行をはじめた小林一茶は、河内や堺の天皇陵などを訪れた。堺では17歳も年長の俳人風講堂喜齊宅(堺区)に泊り「日毎両吟し」、茶人・利休や紹鴎の墓所がある南宗寺もお詣りした。堺区の臨江寺には、喜齊筆といわれる芭蕉の句碑「口切にさかひの庭ぞなつかしき」がある。昔から先人は旧蹟を訊ねる旅をしている。歴史遺産を悪しざまに言うもんやない。いまも自治体の長には歴史と文化をだいじにする姿勢が問われるぞ。ふと思った。昼は、ざるそば。
三国の方違に幸あり時計草 昇龍子
コメント一覧(10/1 コメント投稿終了予定)

ノーやん

fm
最新の画像もっと見る
最近の「インポート」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事