実は、まち案内の「通勤路」なんです。伊敷の自宅から、国道3号を市街地へ向かうバスで出勤。目的地の天文館よりうんと手前の新上橋バス停で下車します。心と体の準備を兼ねてしばらく歩くためです。
新上橋バス停からは、すぐ3号を離れて細い道に入るルートと、しばらく3号に沿って歩いてから左折する2つのルートの計3通りがあります。その日の気分によって使い分けています。
1番目のルートは、いきなり上り坂になります。右手に「塩官」という珍しい名前の表札がかかった家があります。何と読むんだろうといつも思います。風格のある古い家です。上りきると、マンションに挟まれた道を右折、そしてすぐ左折します。
2番目のルートは、寿司店の角から3号と別れて左折。ゆるやかな上りをまっすぐ進みます。右手に木造2階建ての、味のある製粉工場があります。こんな町工場がこんな場所に、と思わせる意外性があります。昼時に通りかかると、従業員同士、作業着についた粉をはたき合う光景が見られます。
1番目と2番目のルートが合流する左手に、センスの良い庭と木造平屋がある大きな屋敷があります。以前、華道の師匠が住んでいた家。陶板で作られた玄関の表札がすてきです。婦人はもうなくなったのですが、表札はそのままです。日当たりのよさそうな広い縁側の向こうの座敷で、先生は花を教えていたのでしょうか。
3番目のルートは、国道3号から左折すると、左手にホテルミカド、右手に平田公園が現れます。マンション建設に伴い、城山下、照国神社奥手のホテル群がなくなった今、このホテルは、この種のホテルとして市内最古参では。平田公園はこの間まで桜が見事でした。
合流した1番目と2番目のルートは、故山之口安秀市長宅あたりから右折。すぐ左折すると、小高い道のため右手の景色が開けます。さらに進むと、右側に三育小学校があり、元気な子供たちの声が聞こえてきます。
突き当たりに金光教の教会があり、地神、水神様がこちらに背を向けています。そこで右折、すぐ左折。また突き当たりを右折と、あみだくじをたどるような道は楽しいものです。
やがて3番目のルートと合流。照国神社前へ向かいます。この向かい方にもいくつかルートがあるのですが、その一つに東川酒店前を抜けるルートがあります。知り合いの主人がたまたま店先に立っていることがあり、あいさつを交わします。その息子・隆太郎さんは、今をときめく「かごしま探検の会」の代表。面白いこのあたりで育ったから、こんな人が生まれたのでは、と想像させます。
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たつ
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