おすすめの道４ 上之原への坂道

鹿児島は坂の多い街でもあります。昭和３０年代から郊外の高台に次々大型団地が造成されて、そこと旧市街地を結ぶ坂道が出現しました。
比較的古い坂道に、おすすめの道はあります。

その一つが、下竜尾町と西坂元町を結ぶ坂道。「南洲坂」とでも名づけましょうか。沿線に西郷隆盛たちが眠る南洲墓地があるからです。
坂道の起点は、以前、市電・上町線が通っていた通り、立野馬場（たてのんばぁ）です。坂の入り口右側に道路銘碑が立っています。

坂を上り始めてすぐ現れる右筋の角に居酒屋「ロッキー」があります。ＭＢＣタレント野口たくおさんのお父さんが営んでいます。その筋をたどれば、般若院小路（はんにゃいんしゅっ）を経て南洲神社入り口に至りますが、この筋の話はまた後日。

ロッキーを右に見て、坂はだんだん急勾配になります。やがて左に南風病院の駐車場、右に南洲墓地入り口が現れ
ます。
このあたりから坂はさらに険しくなり、まっすぐに上る道はまるでスキーのジャンプ台みたい。マニュアル車だったら、ギアをセカンドにシフトダウンしなければならないでしょう。もし対向車が下ってきたら、道も狭いため、いったんローに落とさないといけないかもしれません。

上りきって少し左にカーブすると、右手に上之原水源地が見えてきます。春は桜の名所です。水源地内には上竜尾町と結ぶ小さな人道トンネルの入り口があります。トンネルはその先にもう１本あり、やがて県道吉田線と合流します。

さて坂道は、水源地を右に見下ろしながら右へ左へと緩やかにカーブしながら、さらに上っていきます。左右にしゃれたマンションが建ち並ぶ中を進み、西坂元町バス停を経て峠に達します。峠からは前方と右手に上之原団地が広がって見えます。

急坂が多くて、歩くにはしんどい道ですが、振り返れば桜島が励ましてくれます。