ここ数年、母のお気に入りで、
入院中もベッドの傍らに
離さず置いていた革バッグを
母の棺に入れてあげようと思い立ち、
中身を出してみた。
昔、のり屋がプレゼントした
リンゴ型の革ポーチには眉墨と口紅。
入院時に兄がプレゼントした、
トランジスタラジオ。
手鏡、懐中電灯、折りたたみ虫メガネ、
入れ歯安定剤、スウォッチの腕時計…
それらの間にクッション材のごとく、
ふりかけふりかけふりかけふりかけ…
これでもかと、
ふりかけが出てきた
病食のお粥が、
ふりかけなしには食べられなかった母、
口に合うふりかけを求めて、
兄とのり屋に、やたらとふりかけを
リクエストしていたから。
バラになった小袋をまとめたら、
ジップロックにいっぱい。
さらに未開封のセットが1袋。
ふりかけがわらわら、
泣きながら笑笑
当分、ふりかけは買わなくていいぞ、と。
ふりかけの塩っ気でお粥を食べようと努力なさっていたのが伝わってきます。
お口に合うふりかけを求めて、のり屋さんたちに頼んでいらしたのですね。。。
美味しいふりかけに出会えたかなぁ。。。
元気な頃は、ふりかけなんぞ見向きもしなかった母が、ふりかけに執着した最期でした。
今頃、大好きだった祖父(母の父)の焼いた天然酵母パンでも食べてるかも。
母は手放しのファザコンでした。笑。
(のり屋も祖父が大好きなので、グランドファザコンか?笑)