私は18歳で就職し、それからは収入を得るようになってからは休暇をとって全国を旅しました。「知って見て感じる」それがいつの間にか好奇心になり、最初の木曽路から始まり一番南は沖縄八重山の島々まで、良くテレビなどの旅番組に出てくる場所はほとんど行ったと思います。
旅に出るようになってからは、その頃は旅先の記録するようにフィルムのカメラで写真を撮っていました。
20歳の頃に初めて北海道に来ました。でも、飛行機で千歳空港に降りてそのままバスで札幌市内へ移動しました。札幌に滞在してみて感じたことは「リトル東京」とも呼ばれていましたが、東京と変わらずの都会だなと感じていました。ところが、列車で網走まで移動してみると今までにない北海道の大きさを感じることになるのです。東京で暮らしている自分には「何もなく広い」と言うイメージが先行してしまいました。全国を旅してみて、北海道の風景の雄大さに圧倒されたのです。その「何もなく広い」という言葉は都会慣れした自分からその基準で思わず出てしまった言葉です。
そして、網走から知床五湖へ向かいました。天気に恵まれて五湖の全て(当時は全て見れた)を散策したときに、雄大な知床連山を見て自分の存在があまりにも小さく感じる程の美しさから、身体に電気が走るような衝撃的感動を覚えました。その次に同様な感動をしたのは摩周湖です。霧の摩周湖と言われほど山上湖で霧の日が多いのですが、こちらも快晴で透き通る青い湖面に自分が吸い込まれるような美しさに感動しました。よく言う「神の存在を感じる」場面でした。
北海道「北の大地」はどこにいっても自然の大きさと豊かさを感じる場所です。そのころの自分は今に比べて純粋な気持ち(笑)だったかもしれませんが、自分の旅経験や日常生活からの概念を変えてしまうほどの衝撃でした。「何もない」でなく「ここには自然の豊かさと恵みがある」そして、ここに住み人たちはその恩恵を受けて生活している。こうして私は北海道が大好きになり何度も通うようになりました。
(続く)