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法 水 道~The Road to NORIMIZU

映画・演劇についての戯言。ブログ引っ越しの際、一部文字化けや画像の不具合が出ております旨、ご了解ください。

『熱海殺人事件』

2016-01-07 22:56:00 | 演劇道
『熱海殺人事件』
THE ATAMI MURDER CASE



【豊橋公演】
2016年1月6日(水)・7日(木)
穂の国とよはし件p劇場PLAT
S席:9,000円 A席:7,000円 B席:5,000円

作:つかこうへい  演出:いのうえひでのり
音響:山本能久  照明:原田保  美術:池田ともゆき
衣裳:伊賀大介  ヘアメイク:宮内宏明
舞台監督/演出助手:篠崎彰宏  舞台監督:芳谷研

出演:
風間杜夫(部長刑事・木村伝兵衛)
平田満(新任刑事・熊田留吉)
愛原実花(婦人警官・片桐ハナ子)
中尾明慶(犯人・大山金太郎)

ここは警視庁捜査一課。電話に向かってがなり立てている木村伝兵衛部長刑事の元に、富山から新任の刑事がやってきた。その名も熊田留吉。部長刑事は婦人警官の片桐ハナ子に世話を焼かれつつ殺しの事件を捜査中だ。熱海で発見された女工の死体は、どうやら工員の大山金太郎により絞め殺されたようだ。動機は? 足取りは? 捜査一課による金太郎の取り調べが始まる…。【パンフレットより】

つかこうへいさんの岸田國士戯曲賞受賞作を伝説のキャストで再演。
本作の演出によりいのうえひでのりさんが紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。

しかし2016年になって風間杜夫さん&平田満さんのコンビで『熱海殺人事件』を観ることができようとは思いもよらなかったな。しかもつかさんの愛娘・愛原実花さんまで出演とは。
劇団☆新感線の旗揚げも『熱海殺人事件』で4年ほどつか作品ばかりを上演していただけあって、いのうえさんの感慨も一入といったところであろう。

大音量の「白鳥の湖」とともに幕が上がり、ピンスャbトを浴びた風間杜夫さん。
そこへやってくる平田満さん。もうこれだけで心鷲づかみ。
33年前の若かった頃のようにはいかない部分もあるだろうけど、やはりこのコンビは最強。ネット上では台詞が聞き取れないという意見も目にしたが、これぐらいのスピードならつかさん自身が演出した舞台に比べればまだ聞き取りやすい方。
『熱海~』はこれまでも違うバージョンで観たことはあったけど、改めて色褪せない傑作だと認識。ここでこう来るか!?の連続で、これまでの演劇とまったく違う作劇で初演当時の衝撃はいかばかりかと思ってしまう。
新年早早、圧涛Iな熱量にあてられた2時間であった。

愛原実花さんは初めて舞台を見たけど、手足ながっ!
『娘に語る祖国』のみな子ちゃんが立派に成長して…ともはや親戚のおじさん状態。


ナイロン100℃『消失』

2015-12-26 23:11:00 | 演劇道
NYLON100℃ 43rd SESSION
『消失』

The disappearance



2015年12月5日(土)~27日(日)
本多劇場
全席指定:6,900円

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
舞台美術:島次郎  照明:関口裕二(balance,inc.DESIGN)
音響:水越佳一(モックサウンド)  映像:上田大樹(INSTANT wife)
衣装:小原敏博  ヘアメイク:宮内宏明(Ms.factory)
演出助手:和田剛志  舞台監督:宇佐美雅人
出演:
大倉孝二(チャズ・フォルティー)
みのすけ(スタンリー・フォルティー)
三宅弘城(ドーネン)
犬山イヌコ(ホワイト・スワンレイク)
松永玲子(エミリア・ネハムキン)
八嶋智人(ジャック・リント)
池谷のぶえ(ビビの母親・声の出演)

クリスマスの夜、パーティーの計画を練る兄チャズと弟スタンリー。しかし、楽しい一夜になるはずが、ちょっとした誤算からその計画はもろくも崩れ去ってしまう。スタンリーが想いを寄せるスワンレイク、謎のヤミ医者ドーネン、兄弟の部屋を間借りしたいと言うネハムキン、ガスの点検に来たと言うジャック。兄弟の家に集まった彼らの抱えていた「秘密」が彼らの心を離れた時、そこから生まれてくる全ての感情が彼らを破滅へと導いていく。破滅の先に彼らが見たものとは?【公式サイトより】

2004年末に上演された作品をオリジナルキャストで再演。

今後2年ほどナイロン100℃の本公演がなく、映像化もしないとのことで、激戦必至の中、3時間並んで当日券キャンセル待ちにて無事鑑賞。

どこの国なのかどの時代なのかは不明ながら、そこかしこに漂う終末感。
冒頭からスタンには何か秘密があることが示唆されるが、3幕にいたってアンドロイドであることが明らかになり、本物のスタンは幼い頃、チャズのせいで転落死していたことが分かる。
人は生きていくうちに色色なものを得ては失っていく。チャズの場合、スタンを失った後、その喪失を埋めるかのようにスタンのアンドロイドと暮していたわけだが、それは自分のせいでスタンが死んでしまったという罪悪感を消したかったからではなかったのか。
そう考えると、チャズが最後、自死を選ぶという行動にも納得が行く。

ケラさんの演出も冴え渡る。物語はすべて兄弟の住む家の一階部分のみで展開するのだが、映像や照明、音響によってまったく違ったイメージとなるのが凄い。
また、家のあちこちに異変が起きたり(ガスのスイッチを捻ると蛇口から水が出たり、ライトを点けるとトースターからパンが飛び出したり)、ドーネンが徐徐に物忘れが激しくなり、体にも異変が起きたりするなども示唆的。
単純に笑えた泣けたではない、形容のしがたい感情とともに劇場を去ることになったが、これこそがケラ演劇の真骨頂。苦労して観に行った甲斐があった。


『茨姫』

2015-08-14 22:48:00 | 演劇道
第14回AAF戯曲賞受賞作
愛知県件p劇場 ミニセレ
『茨姫』

IBARA-HIME



2015年8月13日(金)~15日(日)
愛知県件p劇場小ホール
一般前売:3,000円  一般当日:3,500円

作:水都サリホ  演出:三浦基[地点]
舞台美術:長田佳代子  照明:藤原康弘  音響:加藤久直
宣伝写真・美術:松本久木  制作:小森あや、田嶋結菜
プロダクションマネージャー:世古口善徳(愛知県件p劇場)
制作統括:山本麦子(愛知県件p劇場)
出演:
田中祐気(男・小野)
安部聡子(女・薔子)
小河原康二(医者/少年探偵団・井上)
小林洋平(看護師/少年探偵団・小林)
石田大(父/少年探偵団・野呂)
窪田史恵(母)
河野早紀(女子高生/宇宙飛行士)
眠り続ける女、水族館の魚、タイに行く男…。夢と現実が交錯する中、命の終わりが近づく。【愛知県件p劇場公式サイトより】

第14回AAF戯曲賞受賞作を地点の三浦基さんが演出。

本文作成中。


『FUN HOME』

2015-08-08 21:36:00 | 演劇道
『FUN HOME』



2015年8月8日(土)
サークル・イン・ザ・スクエア劇場
オーケストラ席:160ドル  オーケストラ席J-K列:119ドル
オーケストラ席G-H列:75ドル

作曲:ジャニーン・テソリ  台本・歌詞:リサ・クロン
演出:サム・ゴールド
原作:アリソン・ベクデル
振付:ダニー・メフォード
舞台美術・衣裳:デイヴィッド・ジン  照明:ベン・スタントン
音響:カイ・ハラダ  オーケストラ:ジョン・クランシー
音楽監督:クリス・フェンウィック

出演:
ベス・マローン(アリソン)
エミリー・スケッグズ(大学時代のアリソン)
シドニー・ルーカス(少女時代のアリソン)
マイケル・セルヴェリス(父ブルース・ベクデル)
ジュディ・クーン(母ヘレン・ベクデル)
オスカー・ウィリアムズ(弟クリスティアン・ベクデル)
ゼル・スティール・モロウ(弟ジョン・ベクデル)
ロベルタ・コリンドレス(アリソンの恋人ジョーン)
ジョエル・ペレス(ロイ/マーク/ピート/ボビー・ジェレミー)

本年度トニー賞ミュージカル部門作品賞、脚本賞、オリジナル楽曲賞、主演男優賞、演出賞受賞作品。

本文作成中。


劇団キャラメルボックス『時をかける少女』

2015-07-30 23:33:00 | 演劇道
キャラメルボックス30th vol.3
『時をかける少女』




【東京公演】
2015年7月28日(火)~8月9日(日)
サンシャイン劇場
平日ステージ S席:7,000円  A席:5,500円
土日ステージ 全席指定:7,000円

原作:筒井康隆『時をかける少女』角川文庫
脚本:成井豊  演出:成井豊+真柴あずき
美術:伊藤保恵  照明:佐藤公穂  音響:早川毅
振付:川崎悦子(BEATNIK STUDIO)  スタイリスト:花谷律子
ヘアメイク:武井優子  小道具:高庄優子
舞台監督:矢島健(太郎屋)、村岡晋

出演:
木村玲衣(尾道マナツ)
池岡亮介(柱エ輝彦)
坂口理恵(芳山和子)
近江谷太朗(和子の同級生・神石雄三)
大内厚雄(研究所員・世羅研二)
鍜治本大樹(同・江田島明)
三浦剛(マナツの父・尾道洋一)
前田綾(マナツの母・尾道直美)
左東広之(和子の母・芳山八郎)
西川浩幸(三奈の父・柱エ幸夫)
岡田さつき(三奈の母・柱エ良子)
金城あさみ(マナツの幼馴染・柱エ三奈)
毛塚陽介(廿日市弘)
関根翔太(深町清)

尾道マナツは高校2年の女の子。札幌で両親と暮らしている。8月、東京に住む伯母が病気で唐黷スと聞き、看病のために東京へ行く。幼馴染の三奈やその兄・輝彦と再会を懐かしむマナツ。伯母の芳山和子は、輝彦も通う大学で薬学の研究をしていた。マナツは伯母に付き添って大学へ。その時、研究室で爆発事故が発生。目が覚めると、マナツと輝彦は一日前にいた。二人は事故のせいで、タイムリープしたのだ。マナツの話を聞いた和子は、自分の高校時代を思い出す。32年前、和子は何度もタイムリープした。彼女にその能力をもたらしたのは、ケンという名の少年だった……。【公式サイトより一部修正】

ご存知、筒井康隆さんのジュブナイルを舞台化。

これまで何度も映像化されてきた本作だが、舞台化は初めて。
原作の32年後を舞台にしており、アニメ版同様、芳山和子はヒロインの叔母として登場。

成井さんだけあって原作を踏襲しながらも綺麗にまとめてある。
まとめてはあるのだが、あまりこの作品の持つ切なさは伝わってこなかったかな…。
タイムリープのシーンでは逆戻しのような演出で、これはこれで悪くない。

主演の木村玲衣さんは劇団員としては最年少主演なんだとか。
フレッシュさはあったが、もう少し惹きつけるものが欲しかった。
元劇団員の近江谷太朗さんもいい感じ。