プリシラ物語

☆☆☆

諭吉に会いたい

2004-12-27 23:18:52 | Weblog
目の前に諭吉が落ちている。拾ってくれ、と叫んでいる。なんでこんな大事な時に私は仕事なんてしているのだろう。かなり忙しい・・・。諭吉はまだ、叫んでいる。「プリシラよ・・・お前に抱かれたい・・・」そう、叫びながら・・・。てんてこ舞い状態の私は社長を探す。レジの前でイスに座って伝票を・・・イヤ、イヤ、ウトウトしているんだ!「社長っ!!諭吉が落ちてますっ。拾って下さいっ」私は叫んだ。『諭吉』という響きで社長は表の通りにスッ飛んで行った。しかし・・・・タッチの差で青年2人組みに拾われてしまった・・・。私は泣いた。心の中で号泣した。そうだよな~~世の中そんなに甘くないよな~~。なんとなく、損した気分の私は、かなり落ち込んだ。諭吉を落してしまった人はもっと落ち込んでいるのだろうけど、この世の終わりかと思う位に私は落ち込んだ・・・。諭吉よ・・・サラバ。夕方、店の前を掃いていた。キラリッと光るものが目の中に飛び込んできた。「ひゃくえんだ~~!」社長に報告すると「おっ、またかっ!!今日は金運がいいね!!」と忘れかけていた事を思い出させ、さらに、好きな物を買え、と言ってくれた。100円では何も買えない、と訴えて社長から20円を貰い、缶コーヒーを買うことにした。「100円かぁ~0が2個足りないんだよなぁ~~世の中甘くないかぁ~~」と小さく呟きながらホロ苦い缶コーヒーを一気するプリシラだった・・・。ほんのりとくやし涙の味がした・・・。
コメント (2)
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