晴れときどき風

ノンキな主婦が時に風に吹かれながら送る平凡な毎日。

「ナイフ」 辛いな。

2007年01月29日 16時07分23秒 | 趣味
一昨日の夕方から急に具合が悪くなりました。
昨日、幸いに日曜だったので家事は夫に任せて一日寝ておりました。
寝て、は眠って、で、人間ってこんなに眠れるものなのかとビックリするくらい。

おかげで今日はすっかり良くなりました。
風邪だったのかしら。

今日は読みかけだった重松清著「ナイフ」読了。
5篇からなっていて坪田譲冶文学賞受賞作品。

これは・・・辛いね。
「いじめ」と「家族」について書いてあるのですが、その闘いぶりが辛い。

先の見えないいじめに毅然と耐える少女や、潰瘍を患う少年。
その親や幼友達。

特に「ナイフ」のいじめられている少年の父親の心境を思うと辛すぎる。
人よりずっと小さく生まれたために臆病な少年時代を送りコンプレックスを持っている父親が、やはり小さく生まれた息子のいじめを知る。
オモチャのようなナイフを買い求め、何度も使い方を練習し、ポケットに忍ばせ子供を守ろうと決意する。

そして、親に知られまいとする子供の心のプライド・いじらしさ。
それは元子供の私にもよく分かる。
私も学校で嫌な事があったとき程、家では明るくいい子だった覚えがあるから。

なにか救いのないようでいて、何も解決はしていないような気もして、でもなんとなく爽やかな読後感があるのは、不思議。
それは主人公が出来る事を頑張っていたり、いじめを通して親と子が向き合えたり、歩み寄ったり。
解決、ではなくても良い方向への変化が起きているから、かな。