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弁当箱の中身

もう弁当は作っていませんが、日々の事、料理、旅行について適当に記事にします。15年のブランクを経て投稿を再開しました。

救命講習(3/3)

2008年09月16日 | 防災
AEDを使った救命講習には
普通救命講習と、試験付きの普通救命講習があり
私が受講したのは、試験付きの方で
最後に簡単な試験を受けることで
「自動体外式除細動器業務従事者」
という資格が得られ、認定証が発行されます。
(写真のもの)

本来、一般の人が反復してAEDを使うことは
いけないらしいのですが
(一日に、二度AEDを使用するとか)
この資格によって、繰り返し使うことも
認められるらしいです。
しかしAEDを使うような現場など
頻繁にないですし、経験もしたくないです。
そうは言っても資格の問題以前に
やはり一度は使い方を実践してみないと
いくら音声に従うだけの機械であっても
初めてで使うのは、難しいと感じました。
まして緊急事態の状況下で
生身の人間を相手にするのですから・・・。

ちなみに緊急時に、善意で行った救急処置においては
その処置に過失があったとしても
責任は問わない、という事になっています。
処置の甲斐なく、相手が亡くなった場合はもちろん
先の記事で書いたように、心臓マッサージ中に
肋骨が折れても、その責任は問われないと考えられています。
外国では、そのことが法律で保障されているようですが
国内では法律としての定めは無く
総務省の通達レベルなので、法的根拠は無いのですが
過去においても、責任が問われたことはありません。

心肺蘇生は、傷病者が心肺停止から蘇生しない限り
医師か救急隊員が到着して交代するまで
諦めずに継続する必要があります。
救急車が到着して救急隊員から
「ご苦労様!交代します」
と言ってくれるまで、止めてはいけません。
しかし救急隊員が来るまで、少なくとも6分以上あり
現場によってはもっとかかるでしょう。
その間、ずっと心臓マッサージを行うのは
かなり大変で、重労働です。
心臓マッサージだけでも、交代できれば
すごく助かります。
そのため、すでに倒れた人に誰かが取り付いて
救命処置を試みている場合でも
もう自分の出る幕はない、と知らん振りしないで
一言申し出てあげれば、必ず助けになるはずです。

救命処置では、心配蘇生以外にも
やることは多々あり、人手は必要です。
119番通報、AEDを取りに行く
心臓マッサージの補佐、止血処置・・・など。
また処置をスムーズに行うためにも
周辺の安全確認や、スペース確保も必要です。
例えば、相手が女性だった場合
AEDを使用するために、上半身をはだける時
興味本位で覗いたりするバカも居るでしょう。
こうした野次馬を遠ざける手助けも必要です。
仮に自分が救命処置を開始した後も
居合わせた人に、どんどん指示を出して
協力を求めて下さい。
周りの人だって、好きで見物したいわけではなく
なにかできることがあれば
協力したいと、思っているはずですから。

何よりも一番の基本は
人命救助が最優先、ということです。
それはすべてに優先します。
救助さえ叶えば、あなたの多少の手際の悪さなど
すべて帳消しにした上で
絶大なる感謝を受けることは、間違いありません。

救命講習は消防署や防災センターなどで
定期的に行われています。
消防署のホームページや
電話などで、問い合わせすると良いでしょう。

救命講習(2/3)

2008年09月16日 | 防災
救命処置をめぐる状況は、昨今大きく変わっています。
最近よく耳にするキーワードが「AED」です。
AEDは医療機器ではありますが
日本では数年前から、一般の人の使用が
認められるようになりました。
これによって救命された事例が
時々ニュースにも紹介されるので
効果のほどは、聞いたこともあるでしょう。
今回の私の目的も、AEDを使ってみたかった
というのが、一番の動機です。

また国内の救急法のガイドラインは
2005年に、世界基準に改められています。
よって以前の救命処置とは違う点もあります。

救命講習は、消防署などで頻繁に行われており
私は6月の日曜日、近所の消防署で受講しました。
時間は3~4時間、受講料は1400円ですが
同じ市内の市民は、市役所から助成があるそうで
私はお金を払いませんでした。
消防署のホームページにある、連絡先に電話をいれて
予約するだけです。

私が参加したときは、私含めて4名だけ。
普段はもっと多いそうですが
おかげで時間に余裕があるということで
心肺蘇生やAEDの実習を2回ずつできました。
私以外の方は、市内の企業の方でしたが
他にも町内会などという単位でも受講しているようです。
講師は、消防署員ではなく
東京救急協会から派遣された人が行いましたが
今回講師をされた方は、元救急隊員だったそうです。

さて救命処置の方法を、ここで細かく書いても
判らないので、自分なりに気づいた点だけ記します。
知りたい人は、講習を受けて下さい。

<人工呼吸>
人工呼吸については、マウスピースというものがあり
これを必ず用いることとされています。
人工呼吸用のマウスピースが無い場合や
吐しゃ物、口からの出血がある場合は
人工呼吸をしてはならないそうです。
20年前の講習では、ハンカチやティシュを挟むだけでしたが
今では感染症予防の観点で
相手との接触に注意が払われています。
マウスピースが無い場合や、やりたくなければ
無理に人工呼吸の処置は必要とせず
心臓マッサージだけでよい、とされています。
但し気道確保は、絶対に必要です。

<心臓マッサージ>
胸の真ん中(乳頭のラインの真中)に
両手を使って、真上から毎分100回のペースで強く押す・・・
というのは昔からの方法です。
昔は、押す場所を間違えると肋骨を折るので注意・・・
と習ったのですが
今回の講習では、骨の柔らかい若い人はともかく
骨の硬い年寄りの場合、肋骨は折れるのは当たり前なので
肋骨は折れてもかまわない、と教えられました。
肋骨を折らないような、弱い心臓マッサージでは
効果が無いので、折れるのにかまわず
強く押しても良いそうです。
相手の骨が折れたりしたら、ちょっと引いてしまいそうですが
骨折は、後で手当てできます。
まずは心臓を動かすことが重要と言うことです。

ところで脈を測る、というのは出てきませんでした。
以前は、脈のある人には心臓マッサージをしてはいけない
とされたように思いましたが、今は違うようです。
人の生死を確認する、基本的な行為のように思いますが
一秒を争う救命処置の場では、脈を測ることよりも
何より、蘇生処置のほうが優先されると言うことです。
蘇生している人に、心臓マッサージを施せば
本人が苦しくて反応するので、その反応を見て
マッサージを止めればいい、ということのようです。

また明らかに蘇生の反応が見られるか
救急隊員に引き継ぐまでは
絶対に心肺蘇生を止めていけません。
あなたは医師ではないのですから
“もうだめだ!”などと勝手に諦め
人の死を宣告することはできないのです。

<AED>
AEDとは、「自動体外式除細動機」といいます。
“自動で(心臓の)細動を除く機械”と言うことです。
実は、私も勘違いしていたのですが
AEDは止まった心臓を、再起動する機械ではありません。
心室細動や無脈性心室頻拍という
心臓が正常な脈を打てずに「細動」と言う状態のときに
心拍を取り戻すための機械です。
(参考:心停止(Wikipedia)

では完全に心臓が止まっていたら効果が無いの?
・・・はい、その通りです。
そのため、心配蘇生では心臓マッサージが不可欠であり
AEDは除細動に対してのみ、効果を発揮します。
心臓マッサージをする機械ではありません。

AEDは、除細動が必要かを自動で判断し
必要な場合、音声案内されますので
「ヒューッ」という充電音の後
点灯した赤いボタンを押せば
電気ショックを与えられます。
AEDが電気ショックを与えるとき以外は
心肺蘇生は、継続しなければなりません。
勘違いしてはいけないのは、AEDが
「除細動の必要なし」とメッセージ出しても
それで蘇生したわけではなく
心臓がまったく止まっている可能性もあるわけで
心肺蘇生は継続しなければなりません。
また正常な人にAEDをつけたとしても
誤って電気ショックを与えたりすることはありません。

基本は音声ガイドに従えばいいし
パッドをどこに張ればいいかも
パッドに図示してあるので、操作は簡単です。
しかし目の前で人が倒れている状況では
気が動転して、早とちりしたり
音声ガイドが聞き取れない可能性もあります。
機械に苦手意識のある人だと、なおさらでしょう。
しかし目の前で最愛の肉親が倒れており、AEDもあるのに
“え~、私機械が苦手なのよ~・・・”
と言って、誰も助けてくれなかったら
あなたはその状況を許容できますか?
やはり一度は実物を見て
練習をしてみる必要性を感じました。

<止血>
昔、保健体育の授業で、いくつかの止血法を
学んだ経験のある人も多いのではないでしょうか?
しかし現在の救命法においては
圧迫止血法のみを、教えています。
これは、まずは心肺蘇生が優先されることと
下手な止血法は、組織を破壊する恐れがあるからです。
圧迫止血法は、傷口をハンカチやタオルで
強く圧迫するだけです。
この際、一度抑えたタオルは外さない事。
タオルが血で染まったら、交換するのではなく
そのタオルの上から、別のタオルを被せて押さえます。
この際、やはり感染症の恐れがあるので
素手で触ることは、避ける必要があります。
手袋か、ビニール袋などを介して押さえ
血液との直接接触を避けなければなりません。


<続く・・・>

救命講習(1/3)

2008年09月16日 | 防災
秋葉原で起こった殺傷事件は
悲惨な事件に慣れてしまった感のある昨今においても
大変ショックな事件でした。
その残虐性はもちろん、ニュースよりも早くネットで流れる
現場の映像にも驚かされます。

ところであの事件では、多くの居合わせた人たちが
被害者に対して、懸命の救命処置をしたことが
ニュースやネットの映像でも映し出されました。
中には非番の医療関係者もいたようですが
多くは、通りすがりの素人だったはずです。
残念ながら、救命できなかった被害者もいましたが
一方で何人かは、あの場のすばやい処置で
命が救われた、もしくはより重症を免れた人もいたはずで
その功についても、私たちは忘れてはいけないでしょう。

ではあなたが
その現場に居合わせたらどうしますか?

あの現場では、数百人の通行人がいました。
興味本位で写真を撮っていただけのバカはともかく
助けたい気持ちがあっても
“自分は経験が無い。心得のある人が助けるから・・・”
と尻込みした人も多かったことでしょう。
それを非難するつもりもありませんし
私もそうしたかもしれません。
しかし、もしも自分の周りに人がおらず
助けられるのが自分だけだったら?
おろおろして、何も出来ずに佇んでいるのも
忸怩たる思いがあるのではないですか?

今回のような事件に遭遇せずとも
交通事故やスポーツなどをしていて
急に家族や同僚、仲間が倒れた・・・
などという状況は、日常でも起きえます。
すぐに119番通報をするでしょう。
しかし救急車の現着時間は
比較的早いと言われる東京でも、6分程度はかかります。
心肺停止状態での救命率は
3分経過すると50%以下になり
救急車が来ると思われる6分後には
ほとんど0%に近くなってしまいます。
仮に、救命できても重い後遺症の可能性が
高くなってしまいます。

<カーラーの救命曲線>


通りがかりの人や会社の上司が倒れても
知らん振りできるかもしれませんが
自分の家族や子供が倒れたら
のんびり救急車を待っていられますか?

では何が必要なのでしょうか?
救急車が来るまでの間に
心臓を動かし、呼吸を戻せれば
救命できる可能性は飛躍的に向上します。
心肺回復までの時間が短いほど
救命率と救命後の後遺症の可能性が低くなります。
そして病院でもないところで
真っ先に心肺回復のための処置をできる人は
医者でも救急隊員でもなく、現場に居合わせた市民で
我々ということになります。

これが一般の人が救命法を知ることが
重要といわれる所以です。

私も運転免許をとってすぐの頃
自動車メーカー主催の、救命講習に参加した事があります。
かれこれ20年以上前です。
幸い、一度もそれを使う経験はしていないものの
さすがに20年も経ってしまえば忘れてしまいますので
再度講習を受けてみたい、とかねがね思っていましたし
AEDなるものにも興味があります。
通り魔事件に触発されたわけでもないですが
近所の消防署の救命講習に申し込んで受講した
・・・というのが、次の記事の内容です。

今回は3回に分けての記事となります。

<続く・・・>

帰宅支援バッグ

2008年06月02日 | 防災
過去の記事の通り、うちでは防災用品を揃えています。
しかし家に備えた防災用品では
家に居るときか、家に帰ってからしか使えません。
不幸にも、出先で災害に遭うこともありえます。

最近、都市部における直下型大地震において
大量の帰宅困難者が生じる可能性が指摘されています。
例えば私の場合、居住地の日野市と
通勤地の渋谷区初台とでは
距離にして約30km離れています。
日野-初台間は、甲州街道で結ばれており
渡河点も多摩川だけなので、一見避難に容易そうですが
大きな地震では、建物の倒壊や火災に加え
道路にあふれる避難者や放置車両で
徒歩ですら、まともに通行できない可能性が高くなります。
(大地震が起きると、東京およびその周辺の幹線道は
 すべての一般車両の通行が規制されますので
 車はもちろん、バイクの通行も許可されません)
先日の研究機関が発表した震災想定では
帰宅困難者は都内だけで390万人とも言われています。
都心から郊外に向かう幹線は
帰宅しようとする人であふれかえり
混雑のひどいところでは、1平方メートルあたり
6人という、想定数字が出ています。
これは歩ける状態とはいえず
立っているだけでも、苦痛を伴います。

本来であれば、勤務地近くの避難所に
身を寄せるのがベターなのでしょうが
ただでさえ、住民にも不足しがちな都市部の避難所において
周辺の就労者、通学者、買い物の人
さらに、不通となった交通機関から溢れた人も加われば
郊外の自宅で被災するよりも
かなり深刻な状態が発生するのは、明らかでしょう。
またよほど危機管理が進んだ企業でもない限り
従業員のための備蓄も用意していません。
(電気・ガス、通信などインフラ系の企業では
 業務を復旧、維持する活動を行うために
 備蓄を蓄えているところもあるようですが
 こうした会社では、帰宅することなど許されず
 復旧のため、業務を継続するこおtが要求されます)
各言う、私の会社でもこうした備えは皆無です。

以前から、東海地震において
被災して、途中停車した新幹線の乗客に対する支援を
いったい誰が行うのか?(JR?自治体?)
という点は、問題にはなっていたのですが
都市部での、通勤者、通学者、買い物客、観光客
通りがかりの者・・・などへの対策はあいまいにされていました。
しかし具体的に数字を算出してみて
尋常ならざる帰宅困難者数が表面に出てきてしまったので
それに対する対策を、早急に打つ必要が出ています。
しかし残念ながら、十分な対策の目処は立っていません。

・・・ということで、やはりわが身は自分で守らねばならぬ
というわけで、かねてから会社にも置いておかねば
と思っていた防災用品を揃えてみました。

といっても特別なものは備える必要もありません。
また会社に置いておくものなので
あまり仰々しくない、最小限のものにしたいところです。
私がいつも利用している、防災用品の販売サイトでは
帰宅支援バッグなるものを販売しています。
詳細はこちら
別にこのセットでなくても揃う物ですけど
今回、これを1セット買ってみました。

水と乾パン、トイレに軍手・・・など
ウェストバッグとセットになっています。
最小必要限度のセットです。
あとは人それぞれに思いで
過不足を加減して備えるのがよいでしょう。

例えば私の場合は・・・
 ・携帯トイレを3枚追加
 ・浄水ストロー追加
 ・常備薬(下痢止め、頭痛薬)を追加
 ・ウェストポーチではなく、背負えるバッグに変更
 ・ハンカチ、ティッシュ追加
 ・帰宅支援マップ追加
   (これはいつも通勤かばんに入っています)

・・・としています。
バッグは、ウェストバッグを会社に持っていこうと思いましたが
持って行くときに、かさばることと
背広やコートを着ている状態では
ウェストバッグは装着し難そうだったので
ナイロン製で、たたむこともできる
小型のリュックに変更しました。
(よって写真のものではありません)
また女性の場合なら、トイレを増やすことをお勧めします。

これでたとえ仕事中であっても
いざとなれば、自分で好きなように逃げることが可能。
好きでもない同僚や上司と、行動を共にする必要もありません。
(備品を同僚と分かち合うほど、お人よしでもないので)
仮に、数十キロ離れた我が家に帰るとしても
手ぶらで帰るよりは、ずっと心強いでしょう。

季節も曜日も時間も選ばない地震は
会社に居るときも、来るかもしれません。
そしていざというとき、地域の防災支援はもちろん
会社も同僚も当てにはなりません。
そんな時に備え、たとえ飴やお菓子でもよいので
机の中に常時忍ばせておくと
いざというときに、役に立つかもしれません。
(“常時”というのが大事で、いざというときに
 食べきっていて何もない、ということがないように)

ご参考
八都市県防災 危機管理委員会 帰宅支援情報