川井マコト先生読切ストーリー漫画 『はためきしんぱしー』感想
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今月の「まんがタイムきららフォワード」4月号にて、川井マコト先生の読切ストーリー漫画 がゲスト掲載された。
川井マコト先生の作品と言えば、「人の悔しいや楽しいという感情」を丁寧に描いていた『にじげんめのうた』や、「食事がつなぐ家族や友達との絆」を軸に人と人のつながりが織り成す幸せを描いた『幸腹グラフィティ』が有名ですが、そのどちらもが「人間の感情の揺らぎ」をメインテーマに据えられています。川井マコト先生にとってこのテーマはとても重要な意味を持っているのだと思いますね。
さて、今回の読切作品も「感情」をテーマにした物語。死神見習いの主人公・若葉が死神に昇格するために課された試験は、「個人的な感情」を抱かずに一人の少女を観察するというものだった。
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めっちゃ食べてるな!若葉ちゃんが事あるごとに何かを食べていて、実にかわいい。そう、そう。食いしん坊キャラというのはもうね、最高のステータスですよ。七つの大罪に「暴食」が含まれているのが理解できないね。食いしん坊ヒロインのかわいさよ...。
とまぁ、それは置いといて観察対象の少女・平カンナちゃんもなかなかどうして魅力的なおんなのこじゃないですか。明るくて優しくて裏表がなくて、食いしん坊な若葉ちゃんのためにイカ焼きを買ってきてくれたり、お祭りに誘ってくれたり...。そんな少女の事を若葉ちゃんは初め「めんどくさくない人間」で「好都合な存在」と評するのだった。
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しかし、ある日いつになく、落ち込むカンナちゃんの姿を見た若葉ちゃんが抱くのは「励ましの言葉を掛ける?」「訳を聞く?」という「感情」だった。さすがは川井先生。めったくそ、ニヤニヤさせられてしまうってものです。
大切な相手への想い。そんな「感情」の前では人間も死神も境界線なんてない。自然と湧きあがる「感情」を認めたくなくて振り払うように自分へと言い訳を言い聞かせる若葉ちゃんの感情の揺らぎ方がもう最高に素晴らしい。どうでもいいことならこんなに考えたりしない。モノローグ一つとっても川井先生のストーリー作りにはグッと惹きこまれてしまう。
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この感情に名前を付けるなら何と呼ぶんだろう...?それを、人はヤキモチと呼ぶ。カンナちゃんには「落ち込んだ時ちゃんと相談出来る友人」がいる。そして、それは自分ではない。実に切ない青春の痛みです。
人間を「めんどくさいものである」と感じてきた若葉ちゃんに「めんどくさい」感情が湧き出してきます。導入からすると王道展開ですよね。でも、それが熱くて切なくて最高に萌えるし、燃えるのです。おんなのこのヤキモチの破壊力ときたらニヤニヤが止まらない...!
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ここに来てようやく若葉ちゃんが自分の「感情」を受け入れました。カンナちゃんはいい子で、大切な友達なんだと・・・。関所に留めコントロールしておいたはずの感情が溢れだして、何度も「いい子だな」とカンナちゃんの笑顔を思い出す若葉ちゃんがいじらしくて最高に人間らしいじゃないですか。
お餅が焼いた分だけ膨らんでいくのと同じように、ヤキモチも妬いた分だけ愛が膨らんでいくもの。「感情」ってのはいつだってめんどくさいものです。人を想えばこそ、人にも想ってほしい。「好き」と「好きになってほしい」はいつだって隣り合わせだし、誰だって「一番大切な人」の「一番大切な人になりたい」んです。
こんなめんどくさくてコントロール出来ない感情があるからこそ想いあえるし、痛みも悲しみも楽しみも理解しあえる。感情がなければ人はきっと幸せになんてなれないんです。どんなにお金があったってどんなに物事が上手くいってたって「感情」がなければ「幸せ」なんて感じない。当たり前です。モノが幸せを運んでくるわけじゃない。自分の「感情」があって、初めてそこに「幸せ」が生まれるんだから。
最後は大切で好きだというお互いの想いを理解しあう2人が実にグッと来ましたね。試験には不合格だったけれど、きっと若葉ちゃんにとって合格するよりも大切な感情を手に入れることが出来た...。という締め方が非常に上手いなと。赤面する若葉ちゃんが最高にかわいいかったし、またいつか続きが描かれる日が来るといいなぁ...。『はためきしんぱしー』、川井マコト先生の心情描写の丁寧さが際立つお話で最高でした。
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人間と死神の物語
今月の「まんがタイムきららフォワード」4月号にて、川井マコト先生の読切ストーリー漫画 がゲスト掲載された。
川井マコト先生の作品と言えば、「人の悔しいや楽しいという感情」を丁寧に描いていた『にじげんめのうた』や、「食事がつなぐ家族や友達との絆」を軸に人と人のつながりが織り成す幸せを描いた『幸腹グラフィティ』が有名ですが、そのどちらもが「人間の感情の揺らぎ」をメインテーマに据えられています。川井マコト先生にとってこのテーマはとても重要な意味を持っているのだと思いますね。
さて、今回の読切作品も「感情」をテーマにした物語。死神見習いの主人公・若葉が死神に昇格するために課された試験は、「個人的な感情」を抱かずに一人の少女を観察するというものだった。
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観察対象
めっちゃ食べてるな!若葉ちゃんが事あるごとに何かを食べていて、実にかわいい。そう、そう。食いしん坊キャラというのはもうね、最高のステータスですよ。七つの大罪に「暴食」が含まれているのが理解できないね。食いしん坊ヒロインのかわいさよ...。
とまぁ、それは置いといて観察対象の少女・平カンナちゃんもなかなかどうして魅力的なおんなのこじゃないですか。明るくて優しくて裏表がなくて、食いしん坊な若葉ちゃんのためにイカ焼きを買ってきてくれたり、お祭りに誘ってくれたり...。そんな少女の事を若葉ちゃんは初め「めんどくさくない人間」で「好都合な存在」と評するのだった。
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どうすればいいの?
しかし、ある日いつになく、落ち込むカンナちゃんの姿を見た若葉ちゃんが抱くのは「励ましの言葉を掛ける?」「訳を聞く?」という「感情」だった。さすがは川井先生。めったくそ、ニヤニヤさせられてしまうってものです。
大切な相手への想い。そんな「感情」の前では人間も死神も境界線なんてない。自然と湧きあがる「感情」を認めたくなくて振り払うように自分へと言い訳を言い聞かせる若葉ちゃんの感情の揺らぎ方がもう最高に素晴らしい。どうでもいいことならこんなに考えたりしない。モノローグ一つとっても川井先生のストーリー作りにはグッと惹きこまれてしまう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/6a/69547f444644ac839c5651d3f3f260b3.jpg)
この気持ちは・・・
この感情に名前を付けるなら何と呼ぶんだろう...?それを、人はヤキモチと呼ぶ。カンナちゃんには「落ち込んだ時ちゃんと相談出来る友人」がいる。そして、それは自分ではない。実に切ない青春の痛みです。
人間を「めんどくさいものである」と感じてきた若葉ちゃんに「めんどくさい」感情が湧き出してきます。導入からすると王道展開ですよね。でも、それが熱くて切なくて最高に萌えるし、燃えるのです。おんなのこのヤキモチの破壊力ときたらニヤニヤが止まらない...!
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膨らむ気持ち
ここに来てようやく若葉ちゃんが自分の「感情」を受け入れました。カンナちゃんはいい子で、大切な友達なんだと・・・。関所に留めコントロールしておいたはずの感情が溢れだして、何度も「いい子だな」とカンナちゃんの笑顔を思い出す若葉ちゃんがいじらしくて最高に人間らしいじゃないですか。
お餅が焼いた分だけ膨らんでいくのと同じように、ヤキモチも妬いた分だけ愛が膨らんでいくもの。「感情」ってのはいつだってめんどくさいものです。人を想えばこそ、人にも想ってほしい。「好き」と「好きになってほしい」はいつだって隣り合わせだし、誰だって「一番大切な人」の「一番大切な人になりたい」んです。
こんなめんどくさくてコントロール出来ない感情があるからこそ想いあえるし、痛みも悲しみも楽しみも理解しあえる。感情がなければ人はきっと幸せになんてなれないんです。どんなにお金があったってどんなに物事が上手くいってたって「感情」がなければ「幸せ」なんて感じない。当たり前です。モノが幸せを運んでくるわけじゃない。自分の「感情」があって、初めてそこに「幸せ」が生まれるんだから。
最後は大切で好きだというお互いの想いを理解しあう2人が実にグッと来ましたね。試験には不合格だったけれど、きっと若葉ちゃんにとって合格するよりも大切な感情を手に入れることが出来た...。という締め方が非常に上手いなと。赤面する若葉ちゃんが最高にかわいいかったし、またいつか続きが描かれる日が来るといいなぁ...。『はためきしんぱしー』、川井マコト先生の心情描写の丁寧さが際立つお話で最高でした。
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