佐野さんがサイトに
今回の地震について
詩を書いていた。
それを「希望」と名づけよう
街が揺れた夜、
君はひとり無断で、
市営プールに潜りこみ、
身体を水に浸した
そして暗がりの中、
瞑想した
人は時に、光に水に、
雨に風に、感謝し、
人は時に、光に水に、
雨に風に、屈服する
この闇の向こうに
震えるのは
誰か、嘆きの声
同胞の不在は
確かに不可解だ
それはそうだ
しかしどうだろう
君は偽善の涙など
流さないと誓ってくれ
決まりきったお悔やみ
など無用だと言ってくれ
夜が明けて、そこに
いつもどおりの
太陽が照り、
草木は首をもたげ、
鳥たちは空を往く
あぁ、美しくも
残酷なクリシェ!
一方で、
君の身体の細胞
ひとつひとつに
染みいる光はどうだ
傷だらけではあるが
依然雄々しい
その筋肉はどうだ
そうさ、君は同胞の
不在を気にかけて
いるんだろうが、
たとえば、
偶然にも生き残った
君の生を
讃えてみてはどうだ?
たとえば、
生き残ったことへの
幸運を噛みしめて
みてはどうだ?
不謹慎だとわめく
偽善者を後に残し
君が光を放つことで、
友を弔うんだ
それを「希望」と
名づけていいんだよ
余震は続く
今回の地震について
詩を書いていた。
それを「希望」と名づけよう
街が揺れた夜、
君はひとり無断で、
市営プールに潜りこみ、
身体を水に浸した
そして暗がりの中、
瞑想した
人は時に、光に水に、
雨に風に、感謝し、
人は時に、光に水に、
雨に風に、屈服する
この闇の向こうに
震えるのは
誰か、嘆きの声
同胞の不在は
確かに不可解だ
それはそうだ
しかしどうだろう
君は偽善の涙など
流さないと誓ってくれ
決まりきったお悔やみ
など無用だと言ってくれ
夜が明けて、そこに
いつもどおりの
太陽が照り、
草木は首をもたげ、
鳥たちは空を往く
あぁ、美しくも
残酷なクリシェ!
一方で、
君の身体の細胞
ひとつひとつに
染みいる光はどうだ
傷だらけではあるが
依然雄々しい
その筋肉はどうだ
そうさ、君は同胞の
不在を気にかけて
いるんだろうが、
たとえば、
偶然にも生き残った
君の生を
讃えてみてはどうだ?
たとえば、
生き残ったことへの
幸運を噛みしめて
みてはどうだ?
不謹慎だとわめく
偽善者を後に残し
君が光を放つことで、
友を弔うんだ
それを「希望」と
名づけていいんだよ
余震は続く