オレは頑張らない。（笑）

先日、ミュージシャン同士の新年会にお呼ばれした。珍しい組み合わせで、15年ぶりくらいに会う人も居て、とても楽しかった。皆、第一線で働いている人達である。

アラフィフが集まって話してみると、皆んな今も何かと闘いながら頑張ってるんだなぁ…というのがヒシヒシと伝わって来る。凄い。

なんだか自分だけ山籠りの陶芸家みたいな気持ちになった。江古田の山(そんなの無いけど)から下山して久々に人里に来た…みたいな。（笑）

皆んなこんなに頑張ってるのに俺も頑張らなきゃ！…と思わなきゃいけないのかもだけど、随分前に頑張るのを辞め、完全にマイペースで活動する様になって、オレは頑張らない！というのが、ここまで自分の中で揺るぎなくなっている事に驚いて、今これを書いている。

自分がなにかと不運だという事はこのブログでも沢山書いてきた。若い頃から40代半ばまで本当に頑張って闘いながら突っ走って来た。でも、裏目に出る事ばかりで、それに腹が立って、人生の殆どを怒りながら生活していた。ここぞという時に仕事の話が頓挫するのは当たり前、病気になって死にかけたり、事故に巻き込まれたり、身近な人と揉めたり、他人に裏切られたり。

まぁ、そんな事も大した事ないや…と思える様になったのは、頑張り過ぎて、それに対する見返りを期待する事を辞めてからだ。頑張らない事で楽になったし、何にも期待しなくなると、たまに良い事が有るととても嬉しい。頑張りと結果が比例すれば、気持ちも良いのは分かっているが、人生決してそうではない。

新年会で旧友や初めましての同輩とお話しして、他人に自分の生き方を押し付けようとは思わないし、他人の事として楽しく話は聞けるし、オトナっていいな！と本当に思えた。まぁ、ここに至るまで、やはり闘って頑張った経緯がないと辿り付けないのだろうけど。

頑張らないと言っても、怠けるわけじゃなく、本当にやりたい事や、自分に求められた事に対しては、その場その場で一生懸命頑張るのだけど、仕事が欲しいからとか、有名になりたいからとかで、無理して自分に嘘をつく事はしないって事になるかな。無理して頑張りはしないけど、やりたい事、やるべき事だけ頑張った時に、出来なかった事が出来る様になった時の喜びは筆舌に尽くしがたい。そこに見返りは必要無い。だから、嫌なものは嫌だとハッキリ言うし、必要無いものはバッサリ切り捨てられる。

新年会に集まった同輩の皆んなも、形は違えど、実は同じなのかも知れない。この歳になると面倒くさい！と感じる事が多くて媚び諂いも出来なくなる。この歳まで、頑張って生きて来たんだ、好きにやらせてくれよ！って気持ちは誰にでも有る筈。（笑）

若い頃の様に頑張らないと言いつつ、「若い時の様にトンガって居たい！」と言う気持ちは僕は強い。ただ、ここ最近、そのトンガリ方がクール・ジャズに偏ってるので、やっとオトナになって丸くなったと勘違いされる事が多いのだけど…。（笑）

都会の人混みの中で、何かに怒り、闘い続ける事がカッティング・エッジな音楽に結びつくというイメージが一般的だけど、江古田の山(そんなものは実在しない・その2)に籠って他人と比較したりされたりも無く、自分の価値観だけで、自分のアートを磨きたいと思うのだけど、それが実現するのか？というのが専らの興味の中心だ。よって、SNSの他人の活躍や評価に殆ど興味が持てないのである。SNSは「宣伝しなきゃ！」って時の様な情報発信時に振り返るよなもんだし。もう、世の中の方も他人の情報には、かなり飽きてんじゃないのかな。

て事で、オレはそこそこで、頑張らないで楽しく生きてます。