Saxophonist 宮地スグル公式ブログ

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ダブルリップ奏法の方法論

2024年04月15日 01時18分04秒 | instruments

サックスのアンブッシュアを唇を両方巻く「ダブルリップ」に変えて3ヶ月が経ちました。色々問題点は有るものの漸く慣れては来た所です。

そこで、備忘録も兼ねてそのコツを書き記しておこうと思います。ネットでも色々検索して研究はしましたが、今一つこれと言った具体的な方法論は見つけられませんでした。同じ様に悩んでる方の参考になればと思います。但し、あくまで僕の個人的な方法論なので、これだけが正しいとは思ってません。人それぞれ骨格など異なりますので、参考程度にして頂き、自分に合ったやり方を見つけて貰いたいと思います。

本当に苦労の連続で、顎関節症でなければとっくに諦めてシングルに戻してたと思います(今でも戻せるなら戻したいw 身体のトラブルさえなければシングルで良いと思います)。過去にトライしてた時期が有ったので、上唇が痛いのは一週間ほどで治りました。しかし、楽器が揺れて安定しない為、腕に負担が掛かってた様で酷い肩凝りに見舞われました。50肩の様な症状です。これを修正する為に力学的な研究を行いました。

シングルの時は、右膝にサックスを乗せ、サムレストに乗せた左親指を前に押し出す事で、マウスピースが斜め上に上がろうとするのを、上前歯で押さえ付ける事で、サックスをしっかり固定させる事が出来ます。右親指はサムフックに差し込むだけなので、無駄な力が掛からず、両手共にフィンガリングがスムーズです。

一方、ダブルの場合は歯で押さえ付ける事が出来ない為、左親指を前に押し出す事が出来ません。なんせ噛むと上唇を痛めてしまうので。


この場合、重力を利用するしかありません。楽器がその重さで下がろうとするのに対して、リードを下から支えてやる感じ。つまり、下唇にサックスをぶら下げてるイメージです。噛まない為、顎の力は使いません。特に高音域はある程度リードに圧力を掛ける必要が有りますが、噛めない為、背伸びをする感じで身体を上方向に起こす事でリードに圧力を掛けます。その圧力の加減が今までの「噛む」という行為と全く異なるので、力の加減が難しいのです。

前回挫折した時はフラジオ(アルティシモ)が出せなくなったのが原因でしたが、今回はこの力学を理解する事でフラジオも可能になりました。ただ、もう少し柔らかい音が出せる様になる為更なる研究が必要ですが…

フラジオでディミニッシュ・スケールを吹いています。この辺りの音域がWarne Marshの様に柔らかく滑らかに、そっと吹ける様になる事が現在の目標です。

あと、楽器が歯で固定出来ず不安定な為、タイムがフワフワしがちなので、どうビート感を出すかというのも今後の課題です。やはりStan Getzの様なキビキビしたビート感に憧れます。ただ、MarshやBrew Mooreの様なある程度のフワフワ感も捨てがたいので、こういうダブルリップ系のテナーマンを毎日聴いて研究しています。YouTubeで彼等の動画を観るのも大変参考になります。

腕の負担を減らすべく指を立てたりもしましたが、今度は肩の別の筋を痛めてしまいました。今は寝かせていますし、その方がやはり操作性は良さそうです。相変わらずC♯など指が完全解放となる音が入っているフレーズは楽器が最も不安定になる為難しく感じますが、その分以前より丁寧に練習する様になったので怪我の功名かも知れません。あとはピッチの問題など、問題は山積しています。


現在使用しているマウスピース「ブリルハート・トナリン」の材質が脆く、シングルで吹いてたら小さなクラックが入ったのに始まり、その後、顎関節症で顎に力が入り過ぎていた事に気付き、ダブルリップに導かれる様な流れで現在に至ります。今後少しでもサックスを長く吹いて行く為にも身体に負担の少ない奏法の研究は必要だと思っています。顎関節症も少しずつ良くなって来ています。

また挫折するかも知れませんが(笑)、また新たに何か分かったら書いて行くと思います。


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