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Let's Get Lost / Chet Baker

2008年09月13日 05時21分37秒 | jazz
チェット・ベイカーのドキュメンタリー映画「Let's Get Lost」を見た。ずっと見れなかった映画の一つ。

晩年のチェットはシワクチャで、いったいいくつなんだろう?と思っていたら、撮影当時は57歳。マイケル・ブレッカーが亡くなった年齢と同じだ。とても、そんな若さには見えない。若き日の映像もふんだんに使われているが、ご存知の通り、ジェームス・ディーン並みの美男子ぶりである。

何故、ミュージシャンは破滅型が多いのだろう。オンナとクルマにウツツをぬかし、ドラッグ浸けの人生。何度も家庭を崩壊させ、詐欺まがいの事を繰り返し、周りからウソツキと呼ばれる。これが「典型的」と言われるジャズ・ミュージシャンの姿だ。みんな、こういう姿に憧れ、真似はするけど真実はそこには無い。現在では、こんなミュージシャンは殆どいない。

ジャズ好きの若者との会話で、リー・モーガンが妻に撃たれて死んだ事を「アノ話って本当なの?」と冗談交じりに聞かれた時に見せたチェットの寂しげな表情が真実の様な気がする。

インタビューの中で「オレの真実を撮りたければ、オレの痛みを撮れ。」と言うシーンがある。撮影時もドラッグで相当苦しんでたようだ。その一年後、彼が謎の転落事故で亡くなった事を伝えるテロップが流れ映画はエンディングに向う。若き日のチェットが主演した映画の美しい歌声とキスシーンで、この映画も終わる。

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2 コメント

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お久しぶりです (こてつ)
2008-09-21 22:09:57
覚えてますかあ?
この映画、高校2年の夏に部活の仲間と
道頓堀のヒッカケ橋のところにあったビルの
6階くらいで見ました。

何か背中に重さを感じる明るさと
吐き出しようのない暗さを持った映画ですよねー。

オープンカーで遊ぶシーンでは、
2人で「えーなー、えーなー。」って言うてました。

でも、終わって会場を出た途端に急な嘔吐が来て、
すごく記憶に残った映画なんです。
(汚い話で、すんません)
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おぅ、久しぶり!! (SGURU)
2008-09-22 13:30:54
もちろん覚えてるよぉ。

そうだねぇ。同業者的には、様々な経験が脳に記憶され、それが音となって自然に滲み出てくるプロセスはよく分かるし、そのために無軌道な行動を繰り返す人間が多いのも実感しています。

「バード」という映画でチャーリー・パーカーが、ドラッグをやろうとしているレッド・ロドニーを必死で止めるシーンが有ったけど、経験した者にしか分からない身につまされたものを感じます。チェットにも同じ様なメッセージが有る様な気がします。

人の何倍ものハプニングを猛スピードで経験して、疲れて、寂しくなってるような。「人生は多くに人にとっては退屈なもの」と言い切るチェットの言葉の裏側には後悔などの複雑な想いもたくさんあるのだと思います。

その想いをモロに受け止めてしまって吐き気がしたのかな?(笑)
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