東鳴子温泉の開湯は鎌倉時代とも奈良時代以前ともいわれており、非常に歴史ある温泉だ。江戸時代 (恐らく後期) になると伊達家の御殿湯も置かれ、江戸時代最後の仙台藩藩主慶邦が訪れた記録が残る。
高友旅館には混浴の大浴場のほか、女性用、男性用、宿泊者限定の風呂など、いくつかの浴室がある。男性が立ち寄りで入浴できるのは、大浴場とひょうたん風呂という浴室で、それぞれ離れており、幾重も古びた廊下を折れての行くのは迷路のようだ。
まず入浴したのはひょうたん風呂。2 面に窓を広くとった明るい浴室に、ひょうたん型にくびれた湯舟のあるこじんまりとした浴室だ。黄褐色の源泉が、加水、加温、消毒なしでかけ流されていた。アブラ臭、アンモニア臭のある個性的な湯であった。
次に、大浴場。大浴場には黒湯とプール風呂という 2 つの湯舟がある。黒湯は、ひょうたん風呂よりさらに強いアブラ臭がした。クレゾール臭もあり、アブラ味、藻屑状の湯の花も感知できたが、泡付きはなかった。プール風呂は、白濁しており、高友の代名詞たる黒湯の陰に隠れてしまっているのか空いており、終始、独泉状態であった。
(2015 年 11 月)
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<再訪>
まず前回好印象であったひょうたん風呂へ。藻屑状の湯の花、アブラ臭、アブラ味、泡付きあり。前回の記録を見るとアンモニア臭とあったが、これは感じなかった。熱めで、長湯はできなかった。同じ源泉を使用したラムネ風呂という女性専用の浴室は、水面が 2 cm ほどの泡で覆われていたらしい。
プール風呂は、白濁しており、国見温泉を薄くしたような味がした 。
(2017 年 11 月)
◆源泉情報◆
源泉名:玉の湯 (ひょうたん風呂に使用)
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩泉
泉温:49.3℃
成分:pH6.5、溶存物質 1191.4 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。
ナトリウムイオン | 234.3 (83.52) | 炭酸水素イオン | 659.2 (88.82) |
カルシウムイオン | 13.5 (5.49) | メタケイ酸 | 188.4 |
アンモニウムイオン | 5.0 (2.30) | 遊離二酸化炭素 | 360.3 |
分析日:2009 年 11 月 10 日
源泉名:幸ノ湯 (黒湯に使用)
泉質:含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉
泉温:57.8℃
成分:pH6.7、溶存物質 2490.2 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。
ナトリウムイオン | 518.9 (85.30) | 炭酸水素イオン | 1430.0 (81.02) |
カルシウムイオン | 33.4 (6.31) | 塩化物イオン | 141.1 (13.76) |
アンモニウムイオン | 6.1 (1.29) | 硫酸イオン | 60.0 (4.32) |
メタケイ酸 | 228.1 | 遊離二酸化炭素 | 385.3 |
分析日:2009 年 11 月 10 日
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