いわき湯本温泉の歴史は長く、開湯は奈良時代とも伝わる古湯だが、明治期に入ると石炭の採掘により湯脈が破壊され、一度は枯れている。現在の源泉は、炭鉱跡からさらにボーリングしてくみ上げているものである。
美風の宿 (はるかぜと読ますらしい) は旅館やホテルが密集する湯本駅の北西エリアからは少し離れた位置にあり、周辺には温泉街らしさはない。内湯と露天とがあり、内湯は信楽の狸の酒徳利から、露天は竜頭の湯口から源泉が注がれていた。内湯の湯口の方が私好みであるのだが、鮮度は露天の方がよく、硫黄臭、ゴム臭、硫黄味、塩味の湯であった。宿泊での利用であったが、日帰り入浴を積極的に受け付けているようで、チェックイン時には利用者が多いため湯がなまっていたが、深夜にはしゃきっとするような熱い湯に浸かることができた。
(2020 年 2 月)
※お気に入り度は湯使いや浴室の設えによるもので、客室や食事は評価対象外としています。
◆源泉情報◆
源泉名:常磐湯本温泉湯本温泉源泉
泉質:ナトリウム-塩化物泉
湧出量:5270 l/min
泉温:58.3℃
成分:pH8.0、溶存物質 1831 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。
ナトリウムイオン | 544.4 (84.72) | 塩化物イオン | 648.8 (65.99) |
カルシウムイオン | 75.8 (13.54) | 硫酸イオン | 309.6 (23.24) |
メタケイ酸 | 54.2 | 硫化水素イオン | 7.2 (0.79) |
メタホウ酸 | 21.1 | チオ硫酸イオン | 4.7 (0.30) |
遊離二酸化炭素 | 6.1 | 炭酸水素イオン | 146.5 (8.6) |
分析日:2018 年 6 月 6 日
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