韓国平和ツアーに参加して
「憲法9条の会・西区」主催の韓国平和ツアー3日間の旅(8月29日~31日)に参加しました。韓国事情に詳しい事務局長の佐野彰義氏が中心になって計画されたツアーでしたが、私にとって中国や旧ソ連には旅行しましたが、韓国は隣国でありながら未だだったので、いい機会になりました。
「事前に少しでもその国の歴史を把握して」との思いは案の定、今回も皆無のままでの出発でしたが、何と初日の8月29日は「韓国併合」からちょうど100年目の日でした。高校時代の授業で歴史の教師が熱っぽく話したのを思い出しました。
『小早川加藤小西が世にあらば今宵の月をいかに見るらむ』第3代朝鮮統監として、韓国併合を強行し、初代朝鮮総督となった寺内正毅が「観光併合」の祝宴で月を眺めながら詠んだ歌です。朝鮮侵略の目的を果たせなかった豊臣秀吉の侵略戦争を頭に描きながら、派遣された3人の武将は「韓国併合」をどう見るだろうか、おそらくよくやったと思ってくれるだろうと。
「韓国併合」は、秀吉の朝鮮侵略戦争の延長であり、「韓国を併合し之を帝国の版図の一部となすは・・・帝国百年の長計なり」明治政府が当初から意識的に追求してきた大目標でした。
初日ソウル仁川空港着。東洋一長い仁川大橋。天安市の「独立記念館」。
二日目は朝鮮王朝を代表する最高の宮殿といわれている「景福宮」。日清戦争のとき李朝宮廷は清国の間で中立を守ろうとしますが、日本は宮廷を軍隊で包囲して無理矢理日本側につかせます。その戦争のあと、国王高宗の妃 閔妃が日本の強圧的な従属化政策に反対する立場を取るので「邪魔者は消せ」と反日の中心である閔妃を殺害した宮殿もありました。
光化門などいくつもの門があり、景福宮全体の広大さに驚きましたが、閔妃が暗殺された宮殿は奥の方にあり、他の派手な建物に比してガイドの説明がないと判らないくらい寂しい建物で、部屋の中から我々に何かを訴えているようでした。日本軍等のあまりにもむごい仕打ちの想像がそう感じさせるのでしょうか。
北岳山を背景にした大統領府・青瓦台が、現在の韓国の勢いを象徴しているかのように、どっしりと落ち着いた建物に見えました。
夜の漢江遊覧は、上流に架かっている長い橋まで遡るとその橋から七色の一斉放水がライトアップされ、缶ビールを飲みながらの納涼で暑さを忘れさせてくれました。また岸辺には高層のマンションが連なって天高くライトアップされ、韓国経済の勢いを見せつけられました。
三日目最終日は「ナヌムの家」と西大門刑務所。「ナヌムの家」では、若々しいボランティア女子学生による、日本軍が犯した過ちを告発しながら歴史を正しく見つめる迫力ある説明に感銘しました。
また、お二人のハルモニにお会いしてお話を聞きました。耐えがたい生活を余儀なくされた人生の苦痛の歩みは、お顔に刻まれて降りましたが、加害者の犯罪は許さない気概とともに時には笑顔を見せ楽天的なお話をしていただき、気分が少し和らぎました。
最後に、日本は明治以来戦争を繰り返し、アジアと世界にそして国民に計り知れない悲惨を与えてきました。特に隣の国、韓国との関係の歴史がどのように進んできたのか、正確に理解することは、友好を深め戦争のない平和な未来を考えるとき、不可欠な要件だと思います。そういう意味で今回の旅行は、韓国と日本の歴史を理解する上で、第一歩となりました。ありがとうございました。