とある肉屋のブログ

黒毛和牛の純血統 神戸ビーフ!

但馬牛について

2023-03-26 | グルメ

「但馬牛」と聞いて、ピン!と来る人は、和牛グルメな方の中でも、かなりコアな知識を持っておられる方です。

「但馬牛」というのは、兵庫県の北部、但馬地方に起源している牛です。古くは平安時代の初期の書物に記述があり、農耕用の家畜として役割をしてきました。但馬地方は山間が多く、小柄な但馬の牛は、耕作や輸送の機動性、運動性の面からも重宝されていました。

そんな但馬の牛の大きな転機となったのが、幕末から明治時代にかけて、異国の食文化が日本に入ってきたことです。神戸で提供した「但馬牛」を提供したところ、神戸で食べれるビーフ「Kobe Beef」として、瞬く間に異国人に広まり、但馬の牛は食肉として重宝されるようになりました。

ところが、そんな但馬の牛は、需要が追い付かず、また、「Kobe Beef」と銘打てば牛肉なら売れるという時勢にのまれ、多品種との交配が横行され、純血の但馬牛は絶滅しかかりました。しかし、奇跡的に多品種との交配を免れた4頭が残っていました。そして、この4頭の純血を守るため、日本で初めて「牛籍台帳」が整備され、由緒正しい但馬牛の血統は守られました。

現在では、但馬牛は兵庫県と県下の農家により、血統管理、生産、育成がされ、兵庫県下全域で育成されたものだけを「但馬牛」と呼んでいます。そしてその中でも、肉の断面、脂肪の付き具合を評価して、基準を超えたものだけを「神戸牛」「神戸ビーフ」「神戸肉」他、と呼称してよいとなっています。

ちなみに、和牛には、黒毛和種、褐毛和種、日本短各種、無角和種の4品種があり、代表的なものとしては

黒毛和種は神戸牛、松坂牛、近江牛他、

褐毛和種は土佐あかうし、くももとあかうし他、

日本短各種は、いわて短角牛、えりも短角牛他、

などがあります。

実は・・・、但馬牛のすごいところは、黒毛和種の99%に但馬の牛の血が入っているんです! 但馬牛の肉質は、農耕用で培われた筋肉質な肉質の間に、脂肪も貯めることが出来る肉質なため、一般によくみる黒毛和牛独特の綺麗な”サシ”ができます。だからお肉が柔らかく、とろけるような食感が生まれているのです!

血統面からみれば、但馬牛は、サンデーサイレンスやノーザンダンサーより、凄い存在なんです。そして、この大事な純血を兵庫県が守って生まれたのが、「但馬牛」であり、「神戸牛」「神戸ビーフ」「神戸肉」なのです。



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