とある肉屋のブログ

黒毛和牛の純血統 神戸ビーフ!

私たちのお店のある場所

2023-04-12 | グルメ

私たちのお店は兵庫県神戸市にあります。神戸市と言えば三宮が中心ですが、私たちのお店は神戸の市街地の西にあり、お隣は明石市に接している垂水区というところにあります。

垂水区の語源となっているのは・・・・・、

「垂水」というのは「垂れ水」-「滝」ということで、東垂水から塩屋へ続く道路の北側に、水の滴りが絶えることがなかったところが、昭和になっても4か所(駒捨の滝、琵琶の滝、恩地(おんぢ)の滝、白滝)あったとされています。今では跡形もありませんが、この滝が地名の由来になったものと推測されます。(神戸市HPより抜粋)

と、言われており、ちょうど、東垂水から塩屋に続く滝の茶屋というところにお店はあります。滝の茶屋という地名もなんとなくイメージがつきそうな地名ですね(笑) こちらも・・・・・、

かつて、東垂水から塩屋にかけて、水の滴りが絶えることがなかった滝があったことから、旅びとの多くは、ここでノドの渇きをいやすことを楽しみにし、明治時代までは船の飲料水に汲まれていたのです。この滝の所に茶屋があって、古山陽道をたどる人達が、淡路島を見ながら一休みしたのでしょう。(神戸市HPより抜粋)

と、言われています。どちらも、少し古い時代までは名残が残っていたようですが、今は宅地開発が進んだため、滝も見ようと思えばかろうじて見れる状態で、風情は残っていないです。今は景色が変わり、明石海峡大橋が見れます(笑)

ちなみに、この写真の眼下に広がる市街地が垂水区です! この市街地の中に、私たちの精肉店と焼肉店が2つあります。さて、どこか分かりますでしょうか?(笑)


お店の”味”の基準

2023-04-06 | グルメ

肉のセリでは売り手と買い手、商品や流通量など、いろいろな価値により相場が形成されます。A5ランク!と言っても、その時々により、手に入るものが違ってきますので、ここが肉職人の腕の見せどころ、勝負どころです(笑)

「神戸牛」「神戸ビーフ」は「但馬牛」の中から認定されたブランドということは、他記事で簡単に記載をしているので、よろしければ、そちらもご覧ください。

さて、当店の「神戸牛」「神戸ビーフ」の”味”ですが、A5ランクのものを扱っています。神戸ビーフの等級がわかる図を下に掲載します。

A5といっても細かくランクがあります。ざっくり統計的には、右に行くほど価格も上がるという傾向です。そして、流通量は写真の中あたりを頂点に山型になるというイメージです。No12のような肉はなかなか出回らないというのが現状です。農家の方もここを目指して飼育をされているので、このクラスが出てくると、いろいろと盛り上がります。ですので、店としてもできるだけ、高いランクのものを手に入れたいところです。

一方、サシが綺麗にたくさん入った肉は素晴らしいという反面、近年の敬遠される傾向もあります。原因は何とも言えませんが、健康志向であったり、食の傾向であったり・・・。ですので、昔のようにサシが綺麗にたくさん入った肉が好まれる時代ではなくなってきたと、神戸の同業者の間では認識しているところが多いようです。”サシがきつくない”ということはランクが下のものが買われる傾向になるということです。意外に思うかもしれませんが、実はA4ランクのものがA5ランクより高額でセリ落とされることがあるのです。完全に同業者だけしかしらない内輪ネタになりますが・・・(笑)

ですので、肉を買い付けているお店によって、その店のこだわりがあり、買い付ける肉も違ってくるのです。元々、「但馬牛」が肉質的にサシが入りやすいという特徴があるので、ランクを落としたとしてもそれほど健康志向に沿っているかというと、そうでもないと言われればそうなのですが、業者も消費者志向を意識してセリに臨んでいます。当店の肉職人の社長は、そういったことを踏まえて、No9~No10を狙ってセリに臨んでいます。やっぱりサシが多い肉は「脂から出る美味しさ」「柔らかさ」「綺麗な模様」が魅力ですし、その脂をどこまで減らせれるか、を自分の舌で積み重ねた経験から近年の傾向に合わせて選んでいます。

でもやっぱり、個人的には「サシの入りまくった神戸ビーフを取り扱って欲しいなぁ」と思ったりします。そして、「それを一度、いっ~ぱい食べて欲しいなぁ」という願望です。多分食べると「2度と食べたくない」と思う可能性は高いと思いますが・・・(笑) 「美味しかった、また食べたい」と思ってもらうには、やっぱり、脂は敬遠しがちになっちゃいますね。

 


神戸牛・神戸ビーフの基準

2023-04-02 | グルメ

「神戸牛」「神戸ビーフ」って、よく聞くけど、よく分からないと思う人は沢山いると思います。関西に住んでいる人は、ブランド牛のステーキとイメージすると思います。実際に、鉄板焼きステーキで提供しているお店が多いです。

でも、関西以外の人は、神戸ビーフ?!なんか聞いたことあるなぁという感じかなと思います。神戸ビーフがなぜブランド牛かというのは、別の記事で触れていますので、そちらをご覧いただくとして、ここでは、神戸ビーフの基準について、少し書きたいと思います。

神戸ビーフは「神戸ビーフ」「神戸牛」「神戸肉」という名称で商標登録されています。そして、これら「神戸~」の素になっている牛は但馬牛です。実は但馬牛も「但馬ビーフ」「但馬牛」と商標登録されています。では何が違うのか?? 基準は文章で定義されていますが、読んでもイメージしにくいです。ですので、比較的分かりやすいイメージ図がありますので下図に掲載します。

この図は「神戸肉流通推進協議会」というところの一部抜粋です。そしてこの協議会が神戸ビーフの基準を定めており、ホームページにアクセスすると、他にもいろいろと情報が載っています。つまり、但馬牛、神戸ビーフか否かは、この協議会が決定しているのです。そして、基準は図のようなイメージで決まっています。

ご覧になって神戸ビーフのイメージが少しでも伝わりましたでしょうか? 神戸ビーフってよく分からないなぁという要因は、この仕組みが見えないことかもしれません。神戸ビーフかどうかが決まるのは、実際の肉の断面を見て認定されてるんです。また、神戸ビーフはこの協議会の認定を通して流通しているので、調べれば真贋が分かります。

ちなみに、A5ランクの但馬牛でも、神戸ビーフにならずに但馬牛のまま、出荷されるケースがあります。やっぱり地元の但馬では、「神戸~」より「但馬~」で広めたいですからね。自分もその気持ちがよ~く分かります(笑) それに但馬の牛は黒毛和牛の祖とも言えますから。