とある肉屋のブログ

黒毛和牛の純血統 神戸ビーフ!

神戸牛について

2023-03-24 | グルメ

「神戸牛」「神戸ビーフ」「神戸肉」等、神戸を冠した肉の呼び方はいくつかあり、それを聞かれた方も少なからず、おられるかと思います。なんとなく高級ブランド牛かな、という感じかと思います。

実は、それら名称で呼ばれている牛の品種は、存在しません。厳密に言うと、兵庫県のもう一つのブランド牛「但馬牛」が、「神戸牛」「神戸ビーフ」「神戸肉」なのです。但馬牛は兵庫県下で育てられた「純血」の牛で、その中からセリの前に鑑定をして、一定基準を超えた個体だけが、ブランド名として「神戸~」として認定されているのです。

ではなぜ、「神戸~」という名称をつけたのかというと・・・。

江戸時代の末期、神戸は農村と漁村しかありませんでした。そこへ当時、黒船の来週により江戸幕府は通商のため開港を迫られることになり、神戸に港を作ることになりました。港の開港と合わせて、神戸にはたくさんの異国人が移り住んできました。その異国人の食文化を提供するため、兵庫県北部但馬地方で農耕用として買われていた牛を出したところ、その美味しさに衝撃を受けた人たちが、神戸で食べれる牛肉を「Kobe Beef」と呼ぶようになり、「神戸ビーフ」というブランドが誕生しました。

ただ、当時、「Kobe Beef」という名がつけば、「牛肉が売れる」という状況になったため、但馬の牛はあちこちで交配がされ、瞬く間に、たくさん「Kobe Beef」が出回りました。そして、多品種との交配が進み、本来の肉質は落ち、明治時代に入り、純血の但馬の牛は絶滅してしまいました。・・・・・と、思われたのですが、わずかに数頭、奇跡的に交配を免れた純血の但馬牛が残っていました。兵庫県と農家は、この純血を守るため、すぐに、日本で初めて「牛籍台帳」を作り、但馬の牛の純血を守るため他品種との交配を避け、現在に至るまで、大事に血統を守り、育成をしてきました。

今では、生産、育成が管理され、兵庫県下で育てられた純血の但馬の牛を「但馬牛」、但馬牛の中でも一定基準を超えたものだけを「神戸~」というブランド名を冠してよいという基準が定められています。「神戸牛」は育成段階では、「但馬牛」になるか「神戸~」になるか、分からないんです。

つまり、「神戸~」というのは、~牛という牛の品種と違って、血統と品質ブランドなんです。

ちなみに「Kobe Beef」というのは、世界でも通用するブランドです。

「神戸~」という呼称がいくつかありますが、それらの呼称は認定を受けなければ、使うことが出来ません。この基準を評価して決めているのが「神戸肉流通推進協議会」というところで、ここを通して流通されたものだけが本物の「神戸~」でなんです。



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