とある肉屋のブログ

黒毛和牛の純血統 神戸ビーフ!

意外な兵庫県産

2023-03-29 | グルメ

兵庫県?? 「はて、どこら辺にあったかな」と思われる方は案外多いかもしれません。兵庫県出身の人は、「兵庫県出身です」という人が少ないから、かもしれません。市の名前であったり、旧国名であったりと、自分の出身地域を指すことが多いと思います。で、そのあとに兵庫県と続く感じかなと思います。理由は明確には分かりませんが、たぶん、旧国名で5つの国が合併してできた県なので、出身地域を特定するために旧国名を強調して使っていたものが、いつしか、子、孫、ひ孫、その子や孫へと受け継がれて、今は何の認識もなく、使っているのだと思います。

そんな兵庫県ですが、意外なものが兵庫県産にもあります。そう、それが「肉用牛」なのです。神戸や姫路に代表される観光都市、阪神、瀬戸内にまたがる工業地帯のイメージが強いですが、意外に農業も頑張っているんです。農業にもいろいろありますが、肉屋ですので目線は「牛」になりますが・・・。

下表は政府統計資料をまとめたものになります。数字が並んでいるだけで頭が痛くなりますので、じっくり見られたい方は、後ほど、じっくりとご覧ください。

まず、兵庫県は肉用牛の飼育頭数が全国11位なんです! はい、微妙ですが・・・。上位の都道府県のシェアが圧倒的ですので勝てません・・・、ですが、意外に「畜産」もしているのはお分かりいただけるかと思います。そしてこの仔達が「神戸牛」「神戸ビーフ」「但馬牛」「淡路牛」「三田牛」となっていきます。流通量からみると逆に、希少価値が高いといえるかもしれません。

次に、肥育用牛と育成牛の比率です。この統計調査での定義は大まかに分けると、年齢が1歳以上かどうかです。肥育用牛の比率がやや高いのは、一般的に20ヶ月で出荷され始めるのに対して、出荷の大半を占める「神戸牛」「神戸ビーフ」「但馬牛」のブランド基準が28ヶ月以上とされているためだと思います。数字からある程度、県内で生まれた仔牛を県内で育てているというのが、お分かりいただけると思います。

つまり、文字だけだとイメージが湧きにくいので、ちょっと、下の数字を眺めて、「神戸牛」「神戸ビーフ」の希少性と、兵庫県産・兵庫県ブランドなんだということを感じて欲しかったわけです。

ちなみに、「神戸牛」「神戸ビーフ」にも、多少、出身地認識はあります(笑)

表 都道府県別肉用牛の飼育頭数

参考 「令和4年度政府統計調査 全国農業地域・都道府県別飼養戸数・頭数」参照

※ 肥育用牛・・・1歳以上 育成牛・・・1歳未満 詳細は省く


但馬牛について

2023-03-26 | グルメ

「但馬牛」と聞いて、ピン!と来る人は、和牛グルメな方の中でも、かなりコアな知識を持っておられる方です。

「但馬牛」というのは、兵庫県の北部、但馬地方に起源している牛です。古くは平安時代の初期の書物に記述があり、農耕用の家畜として役割をしてきました。但馬地方は山間が多く、小柄な但馬の牛は、耕作や輸送の機動性、運動性の面からも重宝されていました。

そんな但馬の牛の大きな転機となったのが、幕末から明治時代にかけて、異国の食文化が日本に入ってきたことです。神戸で提供した「但馬牛」を提供したところ、神戸で食べれるビーフ「Kobe Beef」として、瞬く間に異国人に広まり、但馬の牛は食肉として重宝されるようになりました。

ところが、そんな但馬の牛は、需要が追い付かず、また、「Kobe Beef」と銘打てば牛肉なら売れるという時勢にのまれ、多品種との交配が横行され、純血の但馬牛は絶滅しかかりました。しかし、奇跡的に多品種との交配を免れた4頭が残っていました。そして、この4頭の純血を守るため、日本で初めて「牛籍台帳」が整備され、由緒正しい但馬牛の血統は守られました。

現在では、但馬牛は兵庫県と県下の農家により、血統管理、生産、育成がされ、兵庫県下全域で育成されたものだけを「但馬牛」と呼んでいます。そしてその中でも、肉の断面、脂肪の付き具合を評価して、基準を超えたものだけを「神戸牛」「神戸ビーフ」「神戸肉」他、と呼称してよいとなっています。

ちなみに、和牛には、黒毛和種、褐毛和種、日本短各種、無角和種の4品種があり、代表的なものとしては

黒毛和種は神戸牛、松坂牛、近江牛他、

褐毛和種は土佐あかうし、くももとあかうし他、

日本短各種は、いわて短角牛、えりも短角牛他、

などがあります。

実は・・・、但馬牛のすごいところは、黒毛和種の99%に但馬の牛の血が入っているんです! 但馬牛の肉質は、農耕用で培われた筋肉質な肉質の間に、脂肪も貯めることが出来る肉質なため、一般によくみる黒毛和牛独特の綺麗な”サシ”ができます。だからお肉が柔らかく、とろけるような食感が生まれているのです!

血統面からみれば、但馬牛は、サンデーサイレンスやノーザンダンサーより、凄い存在なんです。そして、この大事な純血を兵庫県が守って生まれたのが、「但馬牛」であり、「神戸牛」「神戸ビーフ」「神戸肉」なのです。


神戸牛について

2023-03-24 | グルメ

「神戸牛」「神戸ビーフ」「神戸肉」等、神戸を冠した肉の呼び方はいくつかあり、それを聞かれた方も少なからず、おられるかと思います。なんとなく高級ブランド牛かな、という感じかと思います。

実は、それら名称で呼ばれている牛の品種は、存在しません。厳密に言うと、兵庫県のもう一つのブランド牛「但馬牛」が、「神戸牛」「神戸ビーフ」「神戸肉」なのです。但馬牛は兵庫県下で育てられた「純血」の牛で、その中からセリの前に鑑定をして、一定基準を超えた個体だけが、ブランド名として「神戸~」として認定されているのです。

ではなぜ、「神戸~」という名称をつけたのかというと・・・。

江戸時代の末期、神戸は農村と漁村しかありませんでした。そこへ当時、黒船の来週により江戸幕府は通商のため開港を迫られることになり、神戸に港を作ることになりました。港の開港と合わせて、神戸にはたくさんの異国人が移り住んできました。その異国人の食文化を提供するため、兵庫県北部但馬地方で農耕用として買われていた牛を出したところ、その美味しさに衝撃を受けた人たちが、神戸で食べれる牛肉を「Kobe Beef」と呼ぶようになり、「神戸ビーフ」というブランドが誕生しました。

ただ、当時、「Kobe Beef」という名がつけば、「牛肉が売れる」という状況になったため、但馬の牛はあちこちで交配がされ、瞬く間に、たくさん「Kobe Beef」が出回りました。そして、多品種との交配が進み、本来の肉質は落ち、明治時代に入り、純血の但馬の牛は絶滅してしまいました。・・・・・と、思われたのですが、わずかに数頭、奇跡的に交配を免れた純血の但馬牛が残っていました。兵庫県と農家は、この純血を守るため、すぐに、日本で初めて「牛籍台帳」を作り、但馬の牛の純血を守るため他品種との交配を避け、現在に至るまで、大事に血統を守り、育成をしてきました。

今では、生産、育成が管理され、兵庫県下で育てられた純血の但馬の牛を「但馬牛」、但馬牛の中でも一定基準を超えたものだけを「神戸~」というブランド名を冠してよいという基準が定められています。「神戸牛」は育成段階では、「但馬牛」になるか「神戸~」になるか、分からないんです。

つまり、「神戸~」というのは、~牛という牛の品種と違って、血統と品質ブランドなんです。

ちなみに「Kobe Beef」というのは、世界でも通用するブランドです。

「神戸~」という呼称がいくつかありますが、それらの呼称は認定を受けなければ、使うことが出来ません。この基準を評価して決めているのが「神戸肉流通推進協議会」というところで、ここを通して流通されたものだけが本物の「神戸~」でなんです。


西村家・西村ミートショップについて

2023-03-23 | グルメ

昭和の高度経済成長期、神戸でも郊外でのニュータウン建設が進むころ、垂水区の滝の茶屋というところで私共の肉屋が誕生しました。

その後、焼肉店への事業も展開をして、平成時代に会社として法人化をして、株式会社西村家を設立しました。事業としては、肉屋を継続した精肉卸し・販売事業と、焼肉店を営む飲食店事業をする会社でした。

令和に入って、肉屋の事業を分社化して株式会社西村ミートショップを立ち上げ、神戸市内で焼肉店3店舗を運営する株式会社西村家と並んで、現在に至っています。

お店の理念としては、ブランド和牛である「神戸ビーフ」「神戸牛」を、地元の人でも手が届くような価格にして食べてもらいたい」という思いで、神戸であるセリ市場への買い付けに行き、牛の1頭買いをしております。

精肉店では、ご希望に応じて、部位のご指定やカットもいたしております。通販サイトでは、定番商品として部位の中から選んだものを、ステーキ、焼肉、スライスにカットして、ご用意をしております。

肉職人が目利きしたこだわりの神戸ビーフを、ぜひ西村ミートショップでご賞味くださいませ。


神戸牛の商品をアップしました!

2023-03-19 | グルメ

当店で扱っている神戸牛を「マルシェ」へ出品しました。

店頭では量り売りですが、ネット販売はパッケージ価格となってます。

地元精肉店ならでは 「神戸牛一頭買い」のお肉をぜひご賞味下さい。

 

公式サイトもご覧ください!

https://kobe-nishimuraya.jp/

※公式サイトと他サイトで価格が違います。

 価格は運賃・手数料により設定しております。