認知症・草の根ネットワーク

私たちは、多くの人と仲間になって、つなぎあって、認知症ご本人とご家族が真ん中にいる地域づくりを進めています。

誰かのために

2014-02-16 13:26:44 | その他
   守恒SOSネットワーク会議の第2回 捜索模擬訓練に参加しました。

        

        
        TVカメラも。

        
        警察のかたも。

        
        野球部のみなさん。開始前に、先生の指導を受けています。


   ★中学1年生、星和台コースの5人のみなさんに付いて行きました。

        
        徘徊捜索訓練中のカードをぶら下げて。

        
        ローソンにも寄りました。


   たくさんの方々に「このような方を見かけませんでしたか?」と。
        

        

        

        
        公園にも。

        
        下に坂のあるちょっと危険そうなところも。

        

        

        
        サッカー遊びをしていた小学生にも。
        小学生たちも「何しよると?」と興味津々。
        良い意識付けになったようです。

   ご近所の方々からの声。
   「うれしいねぇ。子どもたちが参加してくれて。」
   「素晴らしい。かっこいいねぇ。このような企画そのものが嬉しい。」
   などなど。

   そして彼らは「見つけることは出来なかったが、めっちゃ、楽しかった!」と。

        

   最後は手づくりのカレーと豚汁をいただきました。

   2/15(土)9:30から12:00くらいまで
   校区全体が一つのエリア
   一般チームとGPSチーム

                                 取材:長野


   


第5回 認知症・北九州大会のお知らせ

2014-02-09 11:42:12 | その他
   第5回 認知症・北九州大会
     「知って、知らせて、つなげよう! ~知っとお? オレンジプラン

   ---- “あなたも地域もひとごとじゃない”

   日 時:平成26年6月20日(金)18時15分~

   場 所:ウエルとばた大ホール  (18時開場)

   参加費:500円

   主 催/認知症大会実行委員会  事務局/認知症・草の根ネットワーク
   共 催/北九州市 (予定)

   ----

   昨年厚生労働省から発表された認知症高齢者数は、全国で462万人。
   予備軍の400万人を含めると900万人近いという大変な数字です。
   また政令指定都市の中で最も高齢化が進んでいる北九州市の人口に当てはめてみると、
   およそ3万8000人の認知症、3万5000人の予備軍ということになります。

   明日あなたが発症するかもしれない!もはや「待ったなし」!一刻も早い対応が迫られて
   いる状況です。

   さて、そういった中でオレンジプラン(認知症施策推進5か年計画)が昨年から動き出し
   ています。
   名前を聞くことも少ないし、どんなものなのか分からないというのが多くの方の現状だと
   思います。

   オレンジプランの中には、介護家族の負担の問題、在宅介護、認知症ケアパス、早期発見
   早期治療、認知症初期集中支援チーム、認知症地域支援推進員、認知症サポーターの役割、
   認知症カフェ・・いろいろなテーマが掲げられています。

   今回の認知症・北九州大会では、オレンジプランを取り上げます。
   さあ、一緒に学びましょう。

     ----
     平成20年に採択した大会宣言。
     「認知症・草の根ネットワーク」の前身である、認知症大会世話人会が、「認知症の人
     とご家族が真ん中にいる地域づくり」に思いを馳せて草案を練りました。
     時を経て「認知症の人にやさしいまちは、誰にとっても住みよいまち」だということを
     実感しています。
     
     第1回認知症・北九州大会 大会宣言



居場所づくりの調査から

2014-02-09 11:15:42 | その他
   居場所づくりの調査から(田代 久美枝)

   2011年3月11日の東日本大震災を機に、絆の回復が叫ばれ始めた。
   「自分の家庭」「自分の老後」「自分の健康」・・自分の願いにしか関心を持たないことが
   当たり前の社会。

   「自分の老後の安全・安心カード」を自分で作ることは果たして可能なのか?8~9割の人
   が地域に関心を持たず、自分の暮らしが地域に支えられている自覚を持たないまま、
   「崩壊する地域」の危機が出現している。

   しかも北九州市は、政令指定都市中最も高齢化が進んでおり、当然ながら認知症の人の数も最も多い。
   地域には単身世帯や二人世帯が増え、見守りや外出支援、食事の提供などを必要とする人が増えて
   いる中、閉じこもりや孤独死が大きな社会問題になっている。
   こういった「社会的な死」に陥る前に、地域の中で「居場所と出番」を作っていくことが重要だろう。

   生きがいや幸福感のある暮らしを構築するべく、地域を改めて見ると、高齢化、自治会の
   加入率低下、若い人と子どもの減少、商業施設の撤退による買い物困難、地域役員の高齢化、
   そして何より多くの住民の無関心に悩んでいる。

   地域の課題として、
   ①現在多い「してもらう福祉」をどう変えていくのか(受動的な高齢者)
   ②自ら動く人たちをどう創るのか(マンパワーの充実)
   ③組織や仕組みは変えられる、変えてもいいと考えてもらうにはどうすればいいか
   ④民主的な運営を大事にすることを自覚してもらうにはどうすればいいか

   2025年まで時間はもうあまり無い。
   北九州に住む私たちは「人口90万、高齢者が多い」という条件をプラスにする知恵を
   出さなければならない。

   実際地域では(当事者が自覚していなくても)知恵の芽はたくさん存在する。
   それを後押し(評価)し、育て、他の地域に伝えるのは「公」の役目であろうと思う。
   認められることで地域は自信を持ち、自ら育つちからも身につくはず。

   まずは地域の人たちがどんな社会状況の中にいるかを「知る」こと、第2に自らの強みを
   「知ること」、弱みは強みに変えられることを「知る」こと、そして何より、こんな地域が
   ほしいということを「考える」ことが必要ではないかと思う。

   今地域の崩壊を食い止め、支え合う地域を作ろう、地域を何とかしようと「居場所」・・
   人が暮らしの場面で絆を作っていく場所づくりを始めた人たちがいる。
   本来非常にインフォーマルなものであり、自然発生的なものであった「居場所」を意図的に
   作っていかなければならないところに現代の大きな課題がある。

   「居場所」とは何だろうか。
   さわやか福祉財団の堀田力氏はこう言っている。
     「居場所は人と人が交わるところである。そこで自分が客としてではなく、主体的に人と
     交わることにより、生きる意欲(自助の力)を高めるとともに、人との絆が生まれ、
     それが様々な形の助け合い(共助)に発展する。そこに居場所の意義がある。」

   生きる意欲を高めるためには人との絆が必要であり、そのためには、絆を結べる「場」の設定
   が重要だ。

   居場所づくりの基本には「命を守る仕組み」を据えなければならない。
   例えば閉じこもりや孤独死の防止、災害時における要支援者問題、認知症による行方不明の
   防止などである。

   命を守る仕組みを作るためには市民一人一人がどこかで、誰かと、顔の見える関係性を確保
   しないといけない。
   (アレ!あの人、近頃見ないけど、どうしている?)この関係性をつくるのに一番適している
   のが「居場所」ではないか。

   しかし、今までの居場所づくりでは一人の人の最終章まで寄り添うことが出来ないことが多い。
   (個人的な緩やかなつながりなので、その良さも大いにあるが、一人の人のターミナルを担う
   のは少々荷が重い)自由で柔軟なインフォーマルな居場所の良さを壊さずに、継続的で心強い
   フォーマルな安心のバックアップ体制を組み込めないか、私たちは緊急にこれを作り出して
   いくことが迫られている。

   地域での付き合いの小さなつまずきー面倒くさい、なぜしなければならないの?私がしなくても
   誰かがやってくれる、といった疑問や心情を乗り越えることは、小さな問題と見えて実は非常に
   難しく重要な課題だ。

   「誰か」ではなく、「あなた」の参加がこれからの社会を維持していける唯一の方法であること
   「何もできないと思っているあなたにもできることはあり、それが集まった時に大きなチカラ
   になる」ことを一人一人に理解してもらうことこそ、居場所づくりのメインテーマではない
   だろうか?

   高齢者は多いが、ゆったり、ゆっくり、心優しく穏やかで、生き生き。排除ではなく受容。
   -これを次世代に地域文化として残せたらと思う。

   在宅での最終場面でも医療や介護サービスなどの専門性の高いバックアップとターミナルの
   支え方が保障されれば、それまでは自分・家族・地域で頑張れる。

   「ご近所パワー」全開!




認知症・草の根ネットワークのSOSネットワーク構築へのあゆみ

2014-02-09 10:57:29 | その他
   認知症・草の根ネットワークのSOSネットワーク構築へのあゆみ
                              事務局  中村真理子 
  
   私たちは平成19年5月に、認知症・草の根ネットワーク世話人会として活動を始めました。
   28名の理事会構成メンバーは、医師・薬剤師・保健師・ケアマネージャー・介護事業所関係者・
   市民活動家です。

   平成20年から北九州市と共催で「認知症・北九州大会」を開催しています。一貫した
   テーマは「つなぐ・つながる」で、毎回いろいろなジャンルから課題が発信されています。

   第1回大会で採択した大会宣言は「認知症ご本人とご家族を真ん中にした地域づくり・仕組み
   づくり」を謳ったもので、活動の指針としてずっと大切にしています。

   ご本人やご家族の思い、介護事業所で働く人への理解を目的に「きらりと光る一言」を
   第2集まで発行しました。
   この活動は、現在首都圏にも広がっています。
   第3回大会からは私たちが事務局を務め、実行委員会形式で運営しています。
   認知症大会実行委員会を開催するたびに、介護事業所・医療分野・地域で今課題になって
   いる様々な話を伺い、共有してきました。
   まさに「目からウロコ」で、多分野がつながる大切さを実感すると同時に、「手をつないだら
   見えた隙間」が浮き彫りになりました。

   平成23年度は多くの課題をつきつけられてのスタートでした。
   3月11日に東日本大震災が発生。当初なかなかマスコミでも取り上げられない、非常時の認知症の
   人たちを心配しました。5月2日には、小倉南区の田中紀行(たなかとしゆき)さんが行方不明
   になり、発生から3年目になる今も発見されていません。

   こうした中、平成23年6月に開催した総会で「認知症の人の徘徊・行方不明を一人も出さない
   ネットワークづくりをしていこう」という緊急提案が満場一致で採択され、私たちはSOSネットワーク
   の構築に向けてのあゆみを始めました。

   第4回大会で、SOSの情報配信を受ける協力者を募集しました。
   私たちは、いつでも、どこでも、不明者の情報を受けたら携帯しているWIFI対応のパソコンから
   メール配信ができます。現在草の根ネットワーク関係者、認知症大会実行委員、協力者等120名
   程の方々にメール配信を行っています。

   先日もオープンしたばかりの事業所で不明者が出て、連絡を受け、メール配信をしました。
   「どこかに頼れる場所があることが、不明者が出て不安と心細さでいっぱいのときとても心強い」
   と言って頂きました。

   北九州認知症サポーターメールの協力配信も行っています。
   NPO関係者が情報交換に利用している「つながりネット」というグループメールにも配信して
   います。

   地域でもSOSネットワーク構築の動きがありました。
   小倉南区の守恒校区が「守恒SOSネットワーク会議」を立ち上げ、25年3月に市内で初めて
   地域で「捜索模擬訓練」を行いました。

   認知症・草の根ネットワークは、行政のお力を頂きながら学習会の企画と講師派遣、模擬訓練の
   準備をお手伝いしました。

  「認知症の理解」、「SOSネットワーク構築に取り組む理由」、「模擬訓練の準備、振り返り」について、
   藤原洋子さん、野村美代子さん、田代久美枝さん、東京からお招きした永田久美子さん、大牟田の
   大谷るみ子さんに講演頂きました。

   守恒校区には、平成17年から「もりつネット」と呼ばれている25年1月からは24時間対応
   の携帯メール配信システムがあり、校区住民を中心に約900名が登録しています。
   不明情報を受信したら「まず、今自分のいる周りに不明者がいないか確認して下さい。」
   とお願いしています。

   しかし校区内だけで不明情報の配信開始からわずか10か月間に7件も配信するとは予想して
   いませんでした。
   内訳は認知症高齢者4件、特別支援学校児童と卒業生2件、MCIが疑われる方1件です。
   幸いなことに皆さん無事に帰宅されました。メールの受信者は「身近で不明が起きている」ことを
   実感したはずです。

   守恒校区は高齢化率16.4%(平成22年度国勢調査)。高齢化率の高い地域では、もっと
   多くの不明者が出ているかもしれません。

   「捜索模擬訓練」では、徘徊者の位置が特定しやすいGPS装置を使った訓練も行い、参加した
   多くの人が有効性を実感しました。

   また、25年11月には市内2例目の「捜索模擬訓練」が、同じく小倉南区の長尾校区で行われ
   ました。
   私たちは将来もっと多くの地域で、気軽に「捜索模擬訓練」に取り組めるように「パッケージ化」
   に取り組んでいます。

   さらに、大学や商業施設などの要請でサポーター養成講座の講師も務めています。
 
  「居場所づくり」についても、市内に500か所できることを願いながら、お互いの活動を知る
   交流会の開催や調査を行っています。

   医療も限界、介護も限界・・・地域、地域というけれど、地域も限界、という中でますます
   人のつなぐ力・つながる力が大切になっています。

   これからも「認知症ご本人・ご家族が真ん中にいる」「認知症になっても最後まで輝いて生きる
   ことができる」地域づくりの実現に向けて活動を続けてまいります。