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嵐ファン・大人のひとりごと

嵐大好き人間の独りごと&嵐の楽曲から妄想したショートストーリー

ショートストーリー『チェックのマフラー』

2009年02月01日 | ショートストーリー
 嵐のチェックのマフラー♪をBGMにどうぞ!





      『チェックのマフラー』


 きょうは朝からハイテンションの俺。

「なんかさ、わかり易いのよねあんたって。いいことあるんでしょ?」

家族には悟られないように気をつけているのにアネキにはお見通しらしい。

無視して自分の部屋にもどる。



久しぶりのデート。香織に会える。

まぁ会うだけなら毎日学校で会っているんだけど、

学校以外で制服じゃない彼女と会うのは、

付き合っているという実感があって嬉しい。



香織とは二学期に席が近くなってなんとなく話すようになった。

しっかりしていて真面目な子という印象しかなかったけれど

実はちょっと天然なところもあって可愛い。

同じミュージシャンのファンとわかってよく話すようになった。



そして二学期最後の日、俺はCDを買いに行くからと彼女を誘い、

その帰りに告白した。



初めてのデートは部活が休みになった年末。

遅いクリスマスプレゼントを交換しあった。

映画を見てマックでいろんなことを話した。

信号で立ち止まり、どちらからともなく手をつないだ。

女の子の手は柔らかく華奢なことを知った。



その後、冬休み中は彼女が母親の実家に行ったり、

俺が部活で時間が取れなかったりして

あまり会えなかった。

メールで毎日やり取りしていても、何時間も彼女と一緒にいられるのとは違う。

顔を見て、体温が感じられる距離で声を聴く。

彼女が笑ったり、ちょっとすねたり、俺の背中を軽く叩いたり、

そんなことに幸せを感じる。



着ていく服が決まった。

香織からもらったチェックのマフラーを巻いてみた。

なんだか照れくさくて、学校へはしていかない。

玄関で靴を履いているとアネキが

「青春だねぇ」

と言うのが聞こえた。二つしか違わないくせに。



この辺では一番大きな図書館のある街の駅で待ち合わせた。

別に二人で勉強しようってわけじゃない。

高校生のデートコースといえば大型ショッピングセンターを中心にして、

映画館や本屋、ファミレスが集まっているT駅の周辺と決まっている。

誰に会うかわからないし、部活でバイトも出来ない俺たちは金もない。

二人で居られるならどこでもかまわなかった。



香織の方が先に来ていた。

改札の向こうで手を振っている。

俺も手を振る。



「ごめん。待った?」

「大丈夫、まだ約束の5分前。マフラーとても似合ってる」

俺に元気をくれる大好きな笑顔。

手をつないで歩き出した。

図書館まで15分。

降り出した雪が街を白く変えて行く。



いつもおしゃべりな香織が黙ったままだ。
「どうした?元気ないじゃん」

「そんなことない。ちょっと寒いだけ」

俺はマフラーをはずして香織の首に巻いた。

途端に彼女の目が潤んで今にも泣きそうになる。



「ごめんね。クリスマスに買ってもらったピアス片方なくしちゃった」

ナイキのシューズを買うのを諦めてプレゼントしたピアス。

とても喜んでくれたっけ。

ポロリと涙がこぼれた。

「泣くなよ。もっといいの買ってやる」

香織の涙をそっと手で拭い、マフラーを直してやる振りをしてキスをした。

誰かに見られたってかまわない。



まだ俺たちは始まったばかり。

こんな小さな出来事をずっと二人で作って行こう。

恋が愛にかわるまで。


        --------end---------



チェックのマフラーは2004年にリリースされたアルバム『いざッ!Now』に収録されています。


私の妄想劇場の<俺>は高校生。

Vの嵐の翔くんとか、ピカ☆ンチの相葉くんとか、金田一少年の潤くんとか、

あとは涙をふいてのニノ、高校生ではなかったけど四分の一の絆の智くんあたり。

それぞれどんなチェックのマフラーが似合うかな?

本当は長編にしたいくらいのエピソードがあるんだけど・・・



次回はどうしようかな。

まだ2月に入ったばかりだし冬の曲続きでいきますか。

う~~ん悩む。
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