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二宮正治小説:心の旅路の果て:第61回

2015-01-07 08:10:50 | 日記

「ねえ、かおるさん。私達啓二さんの記憶が完全に戻るまで恋のバトルはお預けにしましょう」

 ひろ子は微笑んでかおるにこう言うと、

「ほんとねえ、それがいい。私達が恋のバトルで啓二さんに負担をかけてもよくないし」

 かおるが言葉を返す。

「あの人東京を深く愛しているから、暇があれば三人で東京の各地を歩きましょう」

 ひろ子のこの言葉にかおるは、

「ええ」

 微笑んでこう言った。

「まず自分の名前を思い出してもらわないとねえ」

「ほんとよねえ」

「自分が誰だか分からないなんて、これほど辛い事はないから」

「何年かかってもあの人が記憶を取り戻せるように私達がサポートしましょう」

「全力を尽くして」

 ひろ子とかおるは啓二が記憶を取り戻す日まで協力してサポートする事を誓い合った。

*この物語は中井貴一、薬師丸ひろ子、杉田かおるをイメージして描いています。


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